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ベルリン・天使の詩を聴くもエ〜ガね

今、読書に夢中です。天童荒太の「悼む人」を読んでいます。何なんだコイツはって思う。悼む…つまり、不慮の死を遂げた人々の冥福を祈る旅をしている主人公に対してです。



ふと思い出したのが、ヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』です。
ハリウッドでリメークされて『シティ・エンジェル』とかいう陳腐な映画にもなりましたが、オリジナルは東京での単館ロードショーとして…確か、1年半もロングランだったのです。深キョンが出たものに『天使』というのもあったけど、それもこの映画が参考になっているのでしょう。

http://www.youtube.com/watch?v=IPMK9nAIt1s

この『ベルリン・天使の詩』はモノクロとカラーのふたつの画面で構成されています。まだ、ベルリンに“壁”があったころの時代の話です。

天使の姿は人間には見えず、その世界はモノクロで描かれます。対して、人間の世界はカラーです。
人間の孤独や苦悩の…心の声があらゆる言語となって怒濤のように天使の耳元に押し寄せる。天使はそれを人間のすぐそばで聴いているのです。どうやら、それを聴くことが天使の仕事のようなのです。

天使は死ぬと人間になるのだという…。
男の天使が人間の女性に恋をして…天使を捨てて(死んで)人間になる。そして……。
『ベルリン・天使の詩』はそういう物語です。

天使が人間になった…そのときの表現が好きでした。人間にとっては些細な何でもないことが…天使にとっては“生きる”に値するほど新鮮だったりもする。そういうところがよかったですね。かくありたいと思ったものでした。

内省的という点でドイツ人と日本人のメンタルな面は似ていると思うのですが、ヒットの理由はそれだけではないでしょう。
このぉ〜街で孤独な天使たちがぁ♪〜とかって歌う「都会の天使たち」という楽曲があります。この映画も、東京だからこそロングランしたんだろうと思ったものでした。

『ベルリン・天使の詩』は読書するように観ることができる映画でした。
なお、この映画には続編があって、それにはゴルバチョフ元大統領も出演していましたね。


それにしても、「悼む人」の文字が心に落ちてくるように響く。わしは映像人間だと自分で思っていたけれど…活字人間なのかもしれませんなぁ。
わしの中の繊細な部分で、この2作は静かにつながっているようです。


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