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ロスト・イン・トランスレーションで夢心地もエ~ガね

そうかぁ。これは「不思議の国のアリス」なんだ。今になってこの映画が理解できた気がする。

ソフィア・コッポラ監督の『ロスト・イン・トランスレーション』のことだ。公開当時に観た。でも、女性感覚がピンとこなかったのか…あまり好きではなかった。日本人がステレオタイプだし、何か事件が起こるという映画でもなくて…ちょっとタイクツだった。
監督はフランシス・フォード・コッポラ監督の娘で、父親も総指揮という形で参加している。

今回、DVDで観て少し違う印象を持った。
新妻(スカーレット・ヨハンソン)がカメラマンの夫と東京に来る。夫は仕事で忙しい。妻は取り残される。不思議の国・ニッポン。言葉も通じない。わざとなのか、日本人はLとRの発音を反対にいう。寺に行って坊さんが唄うのを聴いても(読経)ワケわからない。いわば、ロスト・イン・トランスレーションは異文化の中での迷子だろう。

片や、日本のウイスキーのコマーシャル撮影のためにひとりで東京に来た初老の男優(ビル・マーレイ)。倦怠感漂う彼もまた、異文化の中に取り残されている。こんな国はイヤだ。早くアメリカに帰りたい。でも、結婚25年の我が家に居場所はあるのだろうか。
男優と新妻は同じ(新宿の?)ホテルにいて…同病相憐れむという感じで出会い、親しくなっていく。

ビル・マーレイは『ゴーストバスターズ』とかで知られていたが、スカーレット・ヨハンソンのほうは当時、無名に近かったかもしれない。彼女が戸惑いながら渋谷など東京の街を歩く様子は…まるで「不思議の国のアリス」だ。絵になる。

京都での静謐で美しい場面もあったが…ん? 知恩院かな。奈良っぽい感じもする。
それにしても、当時のスカヨハは今とほとんど変わらない印象を持つ。不思議な人だ。

わしだって、ひとりで外国に行ったときは心細かった。いや、日本にいたって居場所がないと感じたりもする。

異国での孤独なふたり。タイトルは、通訳(翻訳?)によって本当の意味を失う…みたいなニュアンスだろうか。
安心できる相手を見つけたふたりの心の交流。女ごころ。初老の男優が彼女に囁いた言葉…。
おそらく、トーキョーでの思い出はいつまでも消えることはないんだろう。互いの姿が残像となっていったに違いない。

https://youtu.be/Q1axTTdgRdo

この映画、東京に来て約1ヵ月で撮影したらしい。見慣れたはずの風景が違って見えるのが不思議。そこが魅力かもね。
新宿なのかな、映画ではあちこちの夜の店が出てくる。思わず、3密だ!アブナイと思ってしまった。

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みんなどこに行ってしまった

この記事に何日も拍手がありませんが
いつも3拍手はあるのにみんなどこに行ってしまったのでしょうか

私事ですが
先日は武蔵野市シルバー人材センターの事務員の面接に行って来ました
終わって廊下に出たらスーツのおばちゃんが面接はこちらですか?ってきいてきたから、はい、あちらの部屋ですって自分が今出て来た部屋に案内してノックしてあげて3人の面接官に次の方みえてますって、つなげてかえってきました。さも昔からここにいる職員みたいな顔をして((o(^∇^)o))
そもそも廊下を我が物顔でアーサーのように闊歩していたので、あの人なら聞けばわかるだろうって思ったようだ
帰りに市民会館のホールに三島由紀夫が表紙の雑誌があったからもらって来た
((o( ̄ー ̄)o))
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