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半世界に生きるもエ~ガね

DVDで観た最近の映画で印象深かったものといえば…阪本順治監督の『半世界』がある。

人から薦められて、何も知らずに観た。
半世界? 何それ、SF? 萩尾望都に同じようなタイトルあったな。あ、あれは半神か。
それくらい予備知識がなかった。監督が阪本順治と知って、初めて観る気になった。

中学時代を一緒に過ごした40歳前の男友だち3人。それを稲垣吾郎、長谷川博己、渋川清彦が演じている。
どこかの田舎町。主人公は山の炭焼き窯で備長炭をつくっている職人だ。『たたら侍』のようにその作業を丁寧に描く。
自衛隊だかで海外に派遣されていた友がひっそりと帰ってくる。久しぶりに3人がそろう。語り合うこれまでの人生。これからの人生。

稲垣吾郎が演じる…土と炭の匂いのする無骨な田舎男がよかった。『十三人の刺客』の凶暴な若殿もよかったが、こういうダメ親父ぶりもわるくない。
長谷川博己が演じるサヤに収まらない刃みたいな男がよかった。和みの男、渋川清彦がよかった。3人ともいい感じ。等身大に演じている。

よく知らないが、「半世界」とは小石清の写真からのタイトルらしい。
半世界とはまだ見ていない世界? 残りの人生? 人生の折り返しかな。
そういえば、手塚先生が40歳過ぎて「ぼくはマンガ家」を上梓したとき、「なおかつ、ぼくの人生は半分ある」と書いていたっけ。

日常と非日常。死だって日常かもしれない。いや、実際…見えていないだけで日常だろう。
原作があるなら読んでみたいと思ったら、ストーリーは阪本監督のオリジナルらしい。

何も知らないで観て…よかった。
CGも特撮もない素朴で地味な映像だが…新鮮だった。
思いが広がる。もしかするとわしは…こういうタイプの映画のほうが好きなのかもしれない。

https://youtu.be/0KmlLWQp6rQ

ラストシーンでは阪本監督の『どついたるねん』が浮かんできた。
なぜあんなことをしたんだろうと、その理由を後になって自分の心から知ることもある。ふと、「平凡に生きることは非凡なことだ」と知り合いにいわれたことを思い出した。

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