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天国と地獄の間に流れる川もエ〜ガね

東京には神田川という東西を流れる長い川があります。かぐや姫のフォークソングにもなった…あの神田川です。正しくは江戸時代の水道=神田上水で、人口の川ですね。
神田川の源は井の頭公園の池の湧き水にあります。今は“かいぼり”といって、池は28年ぶりに水のない状態になってますけどね(もう終わったかな)。

神田川の始点は井の頭池。そして終点は隅田川との合流地点です。
わしは神田川の始点から下り、江戸文化を研究している友人は終点から遡り…果たしてどこで出会うか、双方から出発して歩いてみよう。という壮大な計画を立てました。
川沿い大散歩です。今日、3/1に決行します。無事に会えたら酒盛りです(笑)。



ここはウダウダと映画を語る場なので、黒澤明監督の『天国と地獄』のことを書きましょう。

http://www.youtube.com/watch?v=IG2IEOMS_J4

『天国と地獄』は1963(昭和38)年の作品で、この映画をマネして実際に誘拐が起こったことは有名ですよね。悲しい事件でした。吉展ちゃん誘拐事件といいます。

わしは黒澤映画の大ファンです。全30作くらいありますが、そのうち10作くらいはアカデミー賞の作品賞を取ってもいいレベルだと思います。そんな監督は世界的にもあまりいないでしょうね。

この『天国と地獄』もサスペンスとしておもしろく、よくできた映画。音楽の入れ方(子どもとの再会まで音楽がまったく入らない)や実験的な映像(秘密!)、調査先の個々のエピソードやドラマチックなエンディングなど…好きです。
たとえば、前半は舞台劇のように室内のシーンだけなのです。それこそ、最近の山田洋次監督の『小さいおうち』のようにです。ところが、後半はガラッと変わって野外描写になります。

これまではおもしろいと感心していたのですが、10年前に何度目かの観賞をしたとき、僅かな疑問を持ちました。内面の深みに欠けるのではと感じたのです。
犯人を追いつめる刑事側(仲代達矢)の執念の表現は『野良犬』のように見事なのですが、犯人の内面表現がほとんどないのです。
もちろん、あえてそうしてるんでしょうけどね。

たとえば、犯人は医学生なのですが…インターンまでやっているならそれほど地獄でもないじゃないか。むしろ、エリートでは…。それなのに、なぜ彼は憎悪が生きがいになるほど屈折したんだろう。そういうことはまったくわからない…。
また…たとえば、麻薬街の人々のほうがよほど地獄じゃないか。たたき上げの権藤(三船敏郎)の若いときにしたって、もしかしたら…地獄のようなこともあったかもしれない。
もしも、脚本に橋本忍が参画していれば(なぜいない?)そのあたりをもっと掘り下げたのではないか。そんなことも思ったのでした。

『天国と地獄』はハリウッド映画のようにわかりやすくておもしろいけれど、映画の骨格としては紋切り型というか…少し荒削りではないかってことを感じたわけです。
もちろん、それもあえてなんでしょうけどね。 もしかすると、アメリカ進出を考えてのことだったのかもしれません。
黒澤映画のことは今後たくさん書くでしょうから、今日はこれくらいにしておきましょう。

さて、どうして今回、この映画のことを書いたのか 。
それは犯人(若き日の山崎努)が登場するシーンに川が使われていたからなんです。特急電車での身代金の受け渡しや煙の描写とともに、そのシーンが印象に残っています。どこの川だったんだろう。神田川ではなく、他の川だったんでしょうけどね。



川沿い大散歩ですが、雨天のため2時間くらい歩いて…酒盛りに切り替えました。
いつかリベンジしたいと思います。興味のある方は声をかけてください。

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