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怪物はささやくに涙するもエ~ガね

真っ白なキャンバスのようだ…! 降り積もった雪で、白銀のファンタジーワールドができた。雪どけは大変だろうが…今はとてもとても美しい異世界だ。

そんな日にDVDで『怪物はささやく』を観た。監督は違うが、大好きな『パンズ・ラビリンス』の製作スタッフによる作品だ。

https://youtu.be/kXC_R2yut2M

監督がフアン・アントニオ・バヨナ。原作・脚本がパトリック・ネス。2016年のスペイン・アメリカの合作で、怪物の声をリーアム・ニーソンが担当している。

余命いくばくもない母親はリジーといったかな…絵を描く人だ。水彩画が美しい。きっと、イラストレーターか絵本作家になりたかったんだろう。
彼女とひとり息子の…多感なコナー。彼が主人公だ。母親に「目には命が宿るんだよ」とかいわれながら、彼は幼いときからいつも一緒に絵を描いていたんだろう。コナーのイマジネーションの源はそこに通じている。

『怪物はささやく』では怪物が3つの話をするが、わしはある3人を思い出した。

ひとりは…わしの『パンズ・ラビリンス』映画日記にコメントをくれた人。とても映画に詳しく、何者だろうと思ったらテレビのディレクターだった。その彼から『デビルス・バックボーン』を教えてもらって、渋谷のツタヤまでDVDを探しに行ったものだ。
彼もきっと、この映画を観ただろうな。

もうひとりは友人の水彩画家。オープニングや怪物の話の中での水彩画的アニメを観て、滲みやボカシとかがとても美しく…彼女の絵を思い出した。わしの日記を読んでくれてるだろうから…くれていたら、ぜひ、この映画を観てほしい。きっと気に入ると思う。

最後のひとりは…高齢の母親の介護をしながら就職活動をしている知人。本当の彼は根がやさしい人なのに、ときに火を噴く。過激な発言になるのだ。
怪物もいうように、物事の真実は一面だけじゃない。彼は火を噴くことによってバランスを保っているのかもしれない。もしかするとそれは…現実の辛さから逃れるためなのかもしれない。
自分の顔を自分で観ることができないように…きっと、彼の気持ちは彼自身にもわからないのだろう。それはコナーも同じなのだ。
乗り越えていってほしいな。少年も彼も…。と、そんなことを思った。

真っ白いキャンバスに心を描いていくような…そんな映画だった。わし好みの作品だ。
『怪物はささやく』はいわゆるモンスター映画ではない。『テラビシアにかける橋』タイプのナイーブな少年の物語。絵を描く人ならきっとわかる。怪物は…コナー少年と母親との記憶の中にいて、厳しくやさしくささやくのだ。

窓から見えるイチイの木のように、それはいつまでもそこにあるのだろう。

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