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マンガをはみだした男 赤塚不二夫を語るもエ~ガね

先日、[青梅シネマ倶楽部]で『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』を観た。観賞後のトークショーに出た。そこで話さなかった(話せなかった)ことを書いておこうと思う。

https://youtu.be/BXXgZjUfvr8

富永昌敬監督の『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』は深層を描いていて興味深く、感動的だった。

赤い空に無数のカラス。リミテッドアニメが映し出される。そこは満州。戦争が終わり、日本へ引き上げるために…何日も歩く母親と子ども。その中に不二夫少年。港にたどり着いたら…母親におぶさっていた赤ん坊が死んだ。
そんなアニメが紹介されたあと、実写のインタビュー映像となる。アニメ付きのドキュメンタリー。映画はそういうユニークな構成だった。

実はこの映画の前に予習を兼ねて『これでいいのだ 赤塚不二夫』を観て残念な気持ちになっていた…。『これでいいのだ~』では赤塚不二夫役が浅野忠信。編集者の武居氏(男性)イメージの役が堀北真希だった。ハチャメチャなくだらない映画だったが、くだらないはおもしろいということだ。それでいいのだ…という意図を伝える映画だったんだろうと思う。ある意味、画期的だ。

今回、『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』を観て気づいた。『これでいいのだ 赤塚不二夫』では心の深層表現が弱かったのだと…。弱いというより、そこは出さずにマンガのような映画をつくりたかったんだろうと思う。

富永監督の『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』では…彼は何を感じ、何を表現したかったんだろうというところに光をあてようとしている。わしにはそう感じられた。
怒りの奥に本当の怒りがあるように、悲しみの奥に本当の悲しみがあるように、笑いの奥に本当の笑いの元があるように感じた。たとえば、「これでいいのだ」の元となった父親のこととか…。

母親が亡くなったとき、大の大人が子どものように「かあちゃん、かあちゃん」と泣き叫ぶ。それは『これでいいのだ~』でもあった。でも、そこではコメディ的要素が強かった。
ところが、『マンガをはみだした男~』ではキョーレツなマザコンを感じた。手塚先生を思い出したりもした。マザコンでなければマンガは描けないのか。そんなことまで感じた。でも、このことはトークショーで話せなかった。
もっとも…程度の差こそあれ、男の子は皆、マザコンなのだ。女の子が皆、ファザコンであるように…。

彼はもともと、酒を飲まないと話せないようなおとなしい人だった。次第にアル中になっていく。やがて幻覚が襲う。
自らがギャグというかナンセンスの世界に入っていく。ハチャメチャな行動の中にもギャグを探求し…体現していたのかもしれない。真面目にバカをやっていたのかもしれない。根はどこまでも真面目な人だったんだろうと感じる。

満州での遠い記憶。赤い空に無数のカラス。今はなき故郷。
赤塚不二夫という人はマンガの中で…魂の故郷をつくりたかったのかもしれない。



それにしても、[青梅シネマ倶楽部]はユニークな場所だった。ニューギニアの人も来た。また行ってみよう。

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No title

なぜ、長谷邦夫は出ないのだ。

おそらく…

わしも同じ疑問を持ちました。おそらく、かつてのような付き合いが終わっているからでしょうね。
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