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わが母の記を語るもエガね

すばらしい映画を観た。タイトルを『わが母の記』という。

毎朝、喫茶店で出会う人が[新文芸座]で樹木希林追悼特集を観てきて、『わが母の記』がよかったと教えてくれた。タイトルしか知らなかった。わしはいわれれば必ず観る。いそいそとレンタル屋に出かけ、DVDを100円で借りてきて…観た。
本当によかった。

https://youtu.be/FJMRSJ80bMs

監督・脚本は原田眞人。井上靖の原作だ。自伝か私小説が原作だろう。わしは井上作品が好きで、幼きころ母親に捨てられたと思っていたとかって話は…何かで読んだ記憶がある。

俳優陣もよかった。主人公の小説家役を役所広司、娘役を宮崎あおい、そして…小説家の母親役を樹木希林。
カタツムリの瀬川くんやお手伝い役の真野恵理奈にいたるまで、それぞれの人たちが違和感なく、自然で…とてもよかった。

出だしは…まだ幼子だった小説家が母と別れる雨の日の場面。ほんの一瞬だが、若い母の姿。もちろん、樹木希林の娘…つまり、モックンの奥さんが演じている。
主人公は昔のことを思い出す。自分は母に捨てられたのだと…。その母も老いて、今はそれを責めることもできない。

小説家の娘の琴子も大きくなって「お父さんにとって家族は書くための題材でしかないんだ」といったりする。「親子は単純なものじゃない」と小説家はいったりもする。そんな作家的な日常…。
映画『わが母の記』は…秋の陽だまりのように暖かく丁寧に描いた原田作品だった。

感動した。しみじみとよかった。


自分の母親を思い出してみる。
母が亡くなったとき…わしは20代だったなぁ。
喜ばれたい、驚かせたい、認められたい、そう思って生きてきた。
でもその人はもういないんだ…と、がむしゃらに渋谷の街中を歩いたものだった。
男の子というものは…程度の差こそあるだろうが、基本的にはマザコン的なものがあるに違いない。


犬ヶ島へ小林退治に行くもエ~ガね

映画館で観逃していた『犬ヶ島』をレンタルDVDで観た。日本愛に満ちた奇妙なアニメだ。話といい美術といい…『犬ヶ島』はウェス・アンダーソン監督による摩訶不思議な作品だった。

https://youtu.be/Kz6LjZTkXAU

序章では「少年侍と首なし先祖」と日本語が入り、小林一族のことが描かれる。
小林は何て悪いヤツだ。このストップモーションアニメ、うひゃあ! 小林の顔は三船敏郎じゃないか。わおっ! こ、この音楽は…! いやはや何とも…わんダフル。
あの作品もこの作品も…おおぉ、こりゃもう、黒澤映画へのオマージュのワンコ盛り、もといっテンコ盛りじゃないか。

ここまで愛にあふれていても、日本愛と感じない人もいるんだろうな。あ、日本愛というより、ハリウッドによる黒澤愛かな。
スカ・ヨハの声も魅力的だ。声優も豪華じゃないか。ラストは小林の改心? 
カンペキに理解しなくちゃと感じたので、いつか中古DVDが出たら購入して堪能しよう。

格闘シーンでの砂煙、あれは綿なんだろうな。手作りな撮影を想像するのは楽しい。
『KUBO 二本の弦の秘密』のときも、あの海はどうやってるんだろうと思った。
あまりにも見事にできてるからCGに見えてしまう…。

遥か彼方の…黒水仙を思うもエ~ガね

空気が澄んで…美しく遠くまで見渡せる。こんな日は『黒水仙』を思い出す。1946年のイギリス映画だ。

https://youtu.be/CZRzcLK1Ar0

映画のカテゴリーとしては“信仰”かもしれないが、“心理”としておこう。

シスター…つまり尼僧たちがヒマラヤ僻地に赴任して、異郷の地で伝道に奮闘する。
岩山の上にあるのが“モブ宮殿”で、そこを修道院にしようとする。しかし、言葉も風習も違う。
黒水仙とは香料の名前のようだが、現地の人の肌の色のイメージもあるんじゃないかな。

何よりも、その場所が美しすぎる。綺麗な空気。大自然。“裸の女神”と呼ばれるその土地は、彼女らの心を乱すほどに美しい。捨ててきた過去を思い出させるほどに…。
信仰と過去。多くは語らないが、彼女らも何かがあって尼僧になったわけだ。

聖職に身をささげるシスターのリーダーをデボラ・カーが演じる。映画としては寡黙だが、彼女の葛藤は痛いほどに突き刺さってくる。デボラの凛とした表情、それもまた…美しい。

脚本と監督はマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーのふたり。映画美術のマジックか。見事な映像美を紡ぎだしたのはジャック・カーディフ。
原作はルーシー・ゴッデンらしいが、よく知らない。何か実話がベースにあるのかもしれない。

心が洗われるというか、美しい自然が今の自分を追い詰める…というのはわかる気がする。
舞台となった“モブ宮殿”は実際あの場所にあるのだろうか。今はどうなっているだろう。あるなら一度、行ってみたいものだ。

登山を復活させたわしだが、仕事のため今秋は行けそうもない。次の山行は来春かなぁ。

ヴェノムにベロッとなめられるもエ~ガね

ずっと楽しみにしていた『ヴェノム』を観た。でも、思い描いていたのと違っていて…日記を書けずにいた。いうならば、わしは『いぬやしき』のようなタイプの映画をイメージしていたのかもしれない。

地球外生命体“シンビオート”に寄生されてヴェノムになる話だ。
チグハグというか、前半と後半のテイストが違う。前半、寄生されるまでがクドイほど長いものの、シリアスで丁寧な描写が好きだった。
ところが、時間がなくなったのか後半は忙しくて軽くて…ご都合主義とさえ感じた。脚本の問題? 映画として雑というか浅いというか甘いというか…。

アクションだって、寄生されてノタウチ回るあたりまではタップリだったのに、クライマックスはむしろアッサリじゃないかな。
監督は『ゾンビランド』をつくった人? ルーベン・フライシャー? ぜんぜん知らない。

https://youtu.be/stxs1ck8X6E

でも、数日過ぎて気持ちがおさまり、感想も少し変わった。うん、これはこれでいいのかもしれない。そうか、これはきっとバディ映画なのだ。エディとヴェノムのふたり。あ、ふたり合わせてヴェノムか。

実は…これを観た映画館で、ガラスドアにぶつかって…片方のメガネレンズが割れた。わしがイソイソとセッカチに歩くせいだ。情けない。そのせいでちゃんと観賞できなかったというのもあるだろうな。

寄生された主人公エディ。銃を向けられると手を上げるが、ヴェノムが上げさせない。上げる、上げない。上げる、上げない。そうか、これはいうならば『マスク』のようなコメディなのだ。きっと、それを楽しむ映画なのだろう。
あるいは『ジギルとハイド』のように、役者トム・ハーディのひとり二役ぶりを楽しめばいいのかもしれない。

「ヴェノムがかわいい!」という人がいた。なるほどなと思う。宣伝コピーと違って、ちっとも“最悪”じゃないんだ。キモカワなヴェノム。そうか、そういう観方があったか。なるほど、そこを楽しむ映画だったんだな。この映画に関して、わしはちょっと観方を間違えていたのかもしれない。

今は…いっそ、3DXだか4DXだかでもう一度観直して、アトラクション的に楽しむのもいいかと思っている。もしも、「ヴェノムな一日体験」とかがあったら体験してみたいもんだ(笑)。

ところで、オマケのアニメ。あれ…なくてもいいんじゃない? どうなんだろう。

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