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羊と鋼の森に共鳴するもエ~ガね

わしの上のきょうだいは皆、都会で生まれ育ったが…わしと弟は山村で生まれた。木々の音や緑の匂いの中で育った。多分、今でもわしの心の奥底にはその音や匂いがある。おそらく、それが心の中の広い部分を占めているんだろうな。

きっとそのせいだろう。『羊と鋼の森』の予告編を観たとき、とても懐かしく感じたのだ。だから…監督名も知らず、主役も何も知らないまま公開初日にその映画を観た。まるで故郷に帰るような気持ちで…。

https://youtu.be/g1O7i4jNJ6c

『羊と鋼の森』はピアノの調律師の話だ。繊細な青年が天才調律師の作り出した“音”に触れ…そこに故郷の森を感じて、その道を目指す。ひたむきで誠実でデリケートな映画だった。
監督は橋本光二郎。主演は山崎賢人。脇の俳優も皆、よかった。個人的には森の妖精のような上白石姉妹がよかった。


原作者の名前さえ知らなかった。映画を観てから原作小説を読んだ。一語いちご…丁寧にていねいに読んだ。
宮下奈都の文章は繊細に…主人公の心模様を描く。ピアノのことを細密に伝えてくれる。説明なのに気持ちとして伝えてくれる。そこが好きだった。

映画本編でも感じたことだが、『羊と鋼の森』の外村青年はどこかわしに似ている。もちろん、気持ちの上で…だ。原作では主人公の容姿的なことはもちろん、下の名前さえも書かれていない。

映画では当然、音楽表現ができる。小説ではそれを文字で書くことになる。
もともと文字として書かれていた“音”や心象風景を、映像と音楽でどう表現していたのか。尽きない興味があった。

とにかく、読み飛ばすことができなかった。だから時間をかけて読んだ。
今はもうない故郷を思い出しながら…。


富士山で心の旅路を思うもエ~ガね

富士山に登頂した。30年くらい前に登っているので、今回が2度目。もっとラクかと思っていたが…前回よりキツかった。ヘロヘロになった。
考えてみれば当たり前か。わしは年齢とか…いろいろなことで自覚が足りない(笑)。

登山道は登山客で渋滞、というのは予想通り。山頂は新宿駅状態。各国の言葉も氾濫。
それより驚いたのは装備やファッションの違い。他の皆はまるでテニスにでも行くような軽いカッコ。わしはといえば…ニッカズボンだけはやめておいたが、靴もザックも何もかも40年前の山のスタイル。いやはや何とも…山出しヤローじゃった。

今回、障害を持つ人を含む60名での団体登山だった。未経験のことで勉強になったし、貴重な体験だった。楽しかった。


山はよく人生にたとえられる。オリオン座や流星を観ながら…ふと、『心の旅路』を思い出した。

戦争に行って砲弾を受けて記憶喪失になって、自分が誰かさえもわからない主人公。でも、収容された精神病院から抜け出して…だったかな、とにかく踊り子と出会う。月日は流れ、世話をしてくれるその女性を愛するようになる。

しかし、ちょっとした事故で主人公の記憶が戻り…逆にその人を忘れてしまう。誰か大切な女性が傍にいてくれたような気がする。そういう思いだけを残して…。部屋の鍵だけを残して…。

戦争に行く前の記憶が戻った主人公は実家に戻る。実は主人公は資産家の息子で、そこを継いで実業家になる。
実家では若くてかわいいエマ・ワトソン似の姪が「おじさま、おじさま」と慕ってくる。やがて、その姪と結婚という話になるのだが…。

記憶をなくしていた何年間を共にした最愛の女性。その人を思い出すことができるか、もとのふたりとして再会できるのか。それが『心の旅路』というピュアな作品だった。大人のラブストーリー。感動的だった。

よくある設定だし、この種の映画は他にもたくさんある。あの映画もこの映画も…。でも、マーヴィン・ルロイ監督によるこの映画は1942年の作なので、おそらくはこれが源流だろう。原作は1941年に発表されたジェームス・ヒルトンの小説らしい。

https://youtu.be/alMA9WVruZg

意地悪で不遜な発想だが、横道にそれてみる。もし、主人公が若くて美しくてかわいい姪のほうを選んで、記憶をなくしていたときの女性を思い出さなかったら? すると話はどうなっただろう。

かわいかった姪は結婚してみると性格がわるくて、金づかいも荒くてとか? 主人公はもうイヤッと思うが、今さら記憶喪失のときに出会った女性を思い出したとはいえず、泥沼ドツボにはまって抜けられず滑落人生? それとも…。

もしも、あのときに別の道を選んでいたら…というのは誰にでもあることだろうと思う。 


そういえば…すぐに見つかったけど、富士山では行方不明者が出た。美しい星空を見上げていたら別の道に入ってしまったようだ。う~む。美は迷いの原因のひとつかもしれないな。

カメラを止めるな!を止めなくてもエ~ガね

『カメラを止めるな!』を観た。

制作費は300万円だという。監督は上田慎一郎というが、知らない新人監督。俳優たちも誰ひとり知らない。
口コミで広がった。上映2館からスタートして、それが…今では上映100館を越えているという話題の映画だ。

わしはホラーやスプラッターは苦手だが、そういうのとは少し違う。愛と笑いがあった。そう、笑った。館内爆笑。
でも、内容は書けない。あぁでも、最低限のことは書いておこう。これで終わるのかとアセッた。大丈夫。“終わってから始まる”という異色の作品だった。
物事は視点を変えればまったく違う。恐怖も笑いになったりする。ソコかもね。

『ワンカット・オブ・ザ・デッド』をつくった人たちの“映画愛”に満ちた映画。確かにこれは…映画でしかできない映画。
分類は難しいが、人間愛、家族愛も感じた。わしは感動した。ホラーコメディ? 愛と笑いと感動の怪奇スプラッター映画?

車酔いするように、映画の画面に酔ったという人もいたので、それもちょっと注意かな。
拡大ロードショーに広がっているが、もともとが大画面で観るタイプの映画ではないだろうとは思う。

映画会社が放っておかず、次回作には莫大な予算が組まれるのだろうか。監督は大丈夫か。それが少し心配。この手法はもう使えないだろうし…。

とにかく、『カメラを止めるな!』はとってもエ~ガね。

https://youtu.be/YEpQQ-DURnM

ミッション:インポッシブルを楽しむもエ~ガね

倒れそうなほどの暑さと車酔いでヘロヘロだった。
それでもそんな中、新宿で『ミッション:インポッシブル./フォールアウト』(クリストファー・マッカリー監督)の初日を観た。シリーズ6作目だ。

わしの体調もあり…アタマが回らなくて前半はプロットが少しわかりにくかったが、中盤からはすごい。おもしろい。すっかり元気になってしまった。

https://youtu.be/wb49-oV0F78

どこかで見た顔のお目付け役。あ、『スーパーマン』のヘンリー・カヴィルじゃないか。すぐには気づかなかった。

トムが骨折したとか、ヘリコプターを操縦できるようになったとかは聞いていたが、内容そのものの知識がなかった。プルトニウムが絡むという以外、わしも内容には触れない。
前作の人物も出てきたから、初めて観る人は5作目の「ローグ・ネイション」を観ておくほうがいいと思う。

「本当にスカイダイビングしてるのか」「足を骨折したのはこのシーンだな」とか、「これが撮りたくてヘリの操縦免許を取ったのか」とか思った。よくやる。
極端にいえば、これはトムのがんばりを観る映画じゃないかな。作品と格闘している。試行錯誤しながら、命がけで映画づくりを楽しんでいる。そんな印象。

かつてのジャッキ・ーチェンを思い出したりもした。撮影段階では内容が固まってなかったというから、香港映画みたいにその場で…みたいなこともあったんだろう。予告編にあったシーンもないみたいだし、クリストファー・マッカリーはユニークなつくり方をする脚本&監督なんだろうな。

結果、ストーリーを演じるのではなく、主人公が動くことによってストーリーができていく…と感じさせる。工事現場で働くオジサンを観るように、飽きることはない。

56歳になるも彼はスタントマンには頼らない。クリストファー・マッカリー監督は…危険だからやめろと俳優のトムにいったに違いない。でも、トムはプロデューサーでもあるから監督にその許可を出す。もう誰にも止められない。観る人はそんなトム・クルーズに共感するのだろう。

サービス精神のかたまり? そこまでして観客を楽しませたい? きっと、自分が体感したいし、観客にも映画づくりを体感してもらいたいんだろうな。
いやはや…トム・クルーズって何て人なんだろう。敬服する。かくありたいものだ。

これで暑い夏を乗り切れる。そんな気分になった。

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