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万引き家族に会うもエ~ガね

血は水より濃いのだろうか。本当にそういえるだろうか。幼子を衰弱死させた親がいるという。辛い。かわいそうすぎる。

新宿で『万引き家族』を観た。地味な映画なのに…老若男女で満席。さすがはパルムドール受賞の効果だ。

https://youtu.be/vMP3wysydDs

一見、フツーの家族だ。何がフツーかは知らないけれど…。
ニセモノ家族の中にあるホンモノの家族愛? モタレ愛? 目的はお金のためかもしれないが…奥にそんなものを強く感じた。突き刺さるというより、それがわしの心に静かに舞い降りてきた。
観終わってそんな気分だった。

人生の底辺で寄り添う孤独な魂たち。定収入は老婆の年金だけ。あとは“副業”に頼るしかない。

「いい」とか「わるい」とか、そんな教育的な映画ではない。淡々と彼らの日常を切り取って…ドキュメンタリーのように語りかける寡黙な映画だった。俳優陣も美術も自然で、気負いのようなものは感じなかった。彼らはあたり前のように…家族のようにそこに存在していた。

自然体の演技といえば、『故郷』という映画のときに宇野重吉を観てヨーロッパの審査員だかが「この人はボケた演技なのか。本当にボケているのか」と賞賛したという。『万引き家族』の俳優陣の演技はこの域なんじゃないかな。

家族、それはときに煩わしくも…大切な存在だろう。でも、その絆って何だろう。
あの少年はあそこで何を得て、どんな大人になっていくんだろう。あの女の子は…。

「さあ、ここは感動するところですよ」「泣くところですよ」と教えてくれるようなつくりの映画がある。その親切には興ざめする。
是枝監督は観客を信頼しているのか、そんなヤボなことはしない。観る側に委ねるのだ。感じ方や解釈は人それぞれなのだから。

是枝裕和監督の作品は『幻の光』『誰も知らない』からずっと観てきたが、ブレてないんだなぁと思った。もっとハデな映画を…とか、いわれたに違いない。でも監督は、誰に何をいわれようと自分に対して誠実に映画をつくってきたんだろうな。わしが一番心打たれたのはそこかもしれない。

この映画が評価されたことで、今後の邦画のあり方というか…方向性にも影響を与えるだろうか。


血は水よりも濃い? たかが水、されど水というのが『万引き家族』だったのかな。
血といえば、ふと、『逆噴射家族』を思い出したりもした。あの機長からのイメージで生まれたタイトルってこともあり、二度と観ることができなくなった映画だ。


ギフテッドに涙するもエ~ガね

ガラケーからスマホに替えて3ヶ月。毎日、いろいろなニュースを読んでいる。
自宅のベッドの下で知らない猫が子どもを産んでた…という記事があった。「父親になるとはこういうことか」と、記事の男性は子猫のかわいさにのめり込んでいったようだ。その様子がほほえましくおもしろかった。

さて、映画の話。『ギフテッド』を観た。マーク・ウェブの監督作品。

https://youtu.be/OUcwS7WmUo0

父親の奮闘という点ではスマホの記事に通じるんじゃないかな。
『ギフテッド』にも、7歳のメアリーがかわいがっている隻眼の猫が出ていたし…。

でも、父親と娘の話…かと思ったら、その少女は実は姉の子どもなのだ。姉はナビーエーストークス方程式だかの天才数学者で、メアリーの天性の才能は遺伝によるものらしい。
ギフテッドとは才能という意味だ。

つまり、オジサンと姪の話だが、このメアリー役の子役がすごい。マッケンナ・グレイス? ホントに天才じゃないかと思う。

オジサンのフランク役の俳優、どっかで見たことがあると思ったら『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンスじゃないか。独身のフツーのオジサンぶりが自然で、すぐには気づかなかった。驚いた。フランクも自身の父性ぶりに驚いたに違いない。

才能ある孫娘に英才教育をという母親が登場して、フランクと争うことになる。メアリーにとってどうするのが一番の幸せなのか。まぁ、そういう映画だった。感動的だった。

子どもの新しい能力というものは大人には理解できない。そういうものだろう。
一番大切なのは愛する才能? そうなんだろうな。
幼い子どもが亡くなる事件は…辛い。


その昔、結婚しようとしたことがあった。そんなことがあってから、わしは幼い子どもを見るたびに「あのとき結婚してたら…今はこれくらいの子どもがいるんだろうな」と思ったものだった。『ギフテッド』を観て、なぜかそんな…甘くて苦い経験と感動が蘇ってきた。遠い日を思い出させてくれた映画だった。

朝の光が差し込む前に、目覚まし時計のように夢を見る。
川のほとりで彼女が迷子になっていて、わしは探しに行く。今と昔が混在していて、いつも似たような夢だ。迷子になっているのはわしなんだろうか。

前を向いてしなやかに生きていかなくちゃね。


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