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誰がために鐘は鳴るか考えるもエ~ガね

驚いた。『素晴らしき哉、人生!』が一番好きな映画だという若者に出会った。驚いたが…そういう人がいてもいい。うれしくなる。
その人から「昔の女優では誰が一番好きか」と聞かれた。昔の女優は皆…綺麗だ。その中でお気に入りは誰だろうと考えて、イングリット・バーグマンが思い浮かんだ。『誰がために鐘は鳴る』のときのショートカットの彼女が特にかわいかったなぁと…。

https://youtu.be/vTkuETPM-Ys

鐘…は誰かが亡くなったときに鳴らす合図で、『誰がために鐘は鳴る』は詩人のジョン・ダンの詩がベースになっているらしい。

人間はひとりで海に浮かぶ孤島ではなく、皆がつながった大陸なのだ。
見ず知らずの人が亡くなっても、私たちは何かを失っている。
誰のために鐘を鳴らしているんだろう。
誰が亡くなったんだろう。
いや、鐘は自分たちのために鳴っているのだ。

…というような内容の「誰(た)がために鐘は鳴る」という詩があり、ヘミングウェイはそれをタイトルにして小説「誰がために鐘は鳴る」を書いた。
そして、それを原作にして生まれたのが1943年のアメリカ映画。サム・ウッド監督の『誰がために鐘は鳴る』ということらしい。

スペイン動乱が舞台。ゲリラ活動に参加したアメリカ人のロバート(ゲィリー・クーパー)。彼はジプシーのゲリラに協力を求める。そこで世話になっていたのがマリア(イングリット・バーグマン)というわけだ。戦争映画というより悲恋ものだろう。
マリアは戦争の犠牲ということでショートカットにさせられたのだ。だから、そんなふうに思ってはいけないのかもしれないが…あまりのかわいさにドキドキした。

イングリット・バーグマンはスウェーデン人で、母国ではインリド・ベリマンと発音するらしい。最初のハリウッド作が『別離』だった。そのときの初々しさも印象に残る。でも、当時は英語がまったく話せなかったらしい。
女優ぶらず、気負ったところのない彼女はアメリカの人たちに受け入れられた。おそらく、外見だけじゃなく、性格もかわいい人だったんだろうと思う。

パシフィック・リムをコメンタリーで観るもエ~ガね

いははや…驚いた。ギレルモ・デルトロ監督が日本のアニメや特撮に詳しいことは知っていたが、その知識はハンパない。まさかここまでとは思わなかった。
もっとも、「東京に行ったら中野ブロードウェイに行きたい」といったデルトロ監督だから…驚くことでもないのかもしれない。

https://youtu.be/FPyXZKryx8M

『パシフィック・リム』は湾岸舞台のいわゆる怪獣映画。デルトロ監督が少年のころに観た…日本の怪獣映画への恩返しといったところだろう。怪獣映画への愛がいっぱい詰まっている。プロレスアニメなどとも呼ばれた巨大ロボットアニメへのリスペクトもあろう。

ともかく、『パシフィック・リム』を監督の音声解説付きで観た。もちろん、フツーに観てからだ。本編よりもおもしろいくらいだった。そして、もう一度…フツーに観た。われながら呆れる。映画館でも観たはずなのに…。

海の底から出現した巨大な生き物。その怪物にカテゴリーや個別の名前はあるものの、総称としてカイジューと呼ばれる。
カイジューに立ち向かうため、人類はイェガー(ドイツ語の狩人)という巨大ロボットをつくる。ロボットに人間が入って操縦するのだが、ひとりでは負担が大きいため、ふたりの人間が入る。ふたりは…ドリフトといって互いの記憶を共有し、ロボットの右脳と左脳の役割をするのだ。そこが新味だろう。

CGなどの最新技術が使われているものの、そこには古きよき特撮の伝統が生きている。つまり、ミニチュアが使われているのだ。新しくて懐かしい。
よく観ないと気づかないが、ロボットやカイジューの質感とか大きさとか…海の底とか、『デビルス・バックボーン』もそうだったが、映像で細かいところまでも表現する。その凝り方はハンパない。呆れるほどすごい。

指揮官がいう。「お前はどこで死にたい?工事現場か?ロボットの中か?」と…。どこまでも熱い映画なのだ。
ローリーとマコ、ふたりの主人公のセリフは決して多くない。心は色彩で表現されることも多く、映像表現に共感した。



それにしても、昨今のニュースから感じる。カイジューは人間の内面に潜んでいるのだと…。



黄金のアデーレに会うもエ~ガね

わし好みの映画。お気に入り作品が増えた。『黄金のアデーレ 名画の帰還』という。

https://youtu.be/DquwejmInhA

国を相手に絵画の返還訴訟という実際にあった話で、そのニュースはわしも知っていた。それがこんなにもスリリングで気品あふれたエンターティメントになるなんて…。
2015年の公開作品で、監督はサイモン・カーティス。

グスタフ・クリムトが描いた女性の肖像画。それは第二次大戦時、ナチスに略奪された美術品のひとつ。戦争に運命を翻弄された家族。ウイーンの美術館にあるその絵画の所有権を争い、裁判をする。しかし…それは思い出したくない過去を蘇らせることにもなってくるのだ。

主演はヘレン・ミレン。絵のモデルとなったアデーレの姪。アメリカに暮らすマリア役の彼女がすばらしい。マリアのお父さん役とか、俳優陣が皆よかった。
弁護士役がライアン・レイノルズ。すごくいい。わしとしては弁護士の妻役でケイティ・ホームズが出ていたのもうれしかった。「信念を捨てないで…」の言葉が心に響いた。

現在に過去が融合する。その表現が自然で見事で…好きだ。
過去が現在に是正を求める。そういう映画なのだろう。
思い出は捨てた。でも、過去を死なせたくはない。
忌まわしい過去は愛おしい過去でもある。
昨日は今日につながっている。
ラストは感動的だった。

現在、「黄金のアデーレ」はニューヨークのノイエ・ガレリエで観ることができるという。



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