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天使のくれた時間が素晴らしくてもエ〜ガね

クリスマスになると思い出す映画がある。ブレット・ラトナー監督の『天使のくれた時間』という作品…。

https://www.youtube.com/watch?v=x8qvKa_7GLA
https://www.youtube.com/watch?v=1T9_RFSSjOU

人は誰でも、「あのとき、違う人生を選んでいたら?」と思うことがありますよね。この映画はそういうテーマで描かれた…いわば家族ファンタジーで、主演はニコラス・ケイジ。相手役はティア・レオーニでした。

なぜ、クリスマスになると思い出すのかといえば、ディケンズの「クリスマス・キャロル」をモチーフにしてるんじゃないかと思っていたから…。実際は『素晴らしき哉、人生』がモチーフらしいんですけどね。

ウォール街で大成功を収めた独身の主人公ジャック(ニコラス・ケイジ)。あるとき、彼が…黒人青年に対して、自慢だかイヤミをいう。実はその黒人は天使だか神さまで、そんなジャックにイジワル(?)をするのです。

ある朝、ジャックが目覚めたら…突然目の前に、妻がいて子どもがふたりもいる。家庭があるのです。晴天のヘキレキ。キョーテンドーチですよ。
天使だか神さまだかが、ジャックを「あのとき、違う人生を選んでいたら? もし、あのとき結婚していたら?」の別の人生のほうに飛ばしてしまったわけですな。

元の世界に戻れないので、ジャックは仕方なく夫や父親を演じようとする。妻は何とかゴマカせたものの…子どもには通じない。「パパに似てるけど、ホントじゃないよね。宇宙人でしょ。ママには秘密にしといてあげる」とか、娘にいわれる。

主人公のジャックは何としても、大成功していた元の世界に戻りたい。
しかし、だんだんと…自分が今いる世界が素晴らしいと思えるようになっていく…。
そう思えたとき、娘が「ホントのパパだ!」とかって叫ぶ。英語のセリフでは「ホントのパパが戻ってくると私は信じてた」みたいなニュアンスでしたね。

とにかく、わしはこの映画が大好きなのです。
ま、わしもいろいろあって…忘れられない作品なのでした。

哀愁は古いからこそエ〜ガね

どうやら、わしは映画通だと思われている。でも…実は、そうでもないのです。必須ともいうべき作品をあまりにも観ていない。偏食ならぬ偏観があるのですよ。

最近、DVDで『哀愁』を観ました。ビビアン・リー主演の1940年の作品です。相手役はロバート・テイラー。監督はマーヴィン・ルロイです。わしは観たことがなかったのです。もちろん、この映画の存在は知ってましたけどね。
ロバート・E・シャーウッドの原作による舞台があったようで、それの映画化だったんですね。いや、その映画があって、それのリメイクだったのかもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=-OyegG6Xkxw

第二次大戦中のロンドンはウォータールー橋(この橋の名が原題)で偶然、踊り子のマイラと軍人のロイが出会う。空襲を避けて防空壕に入るふたり。そのとき、マイラはロイにお守り人形を手渡す。
翌日には結婚の約束をするほどにふたりの恋は燃えるものの…ロイは戦場へ行くことになる。やがて、新聞でロイ戦死の記事を観るマイラ。踊り子をやめて(クビになり)生活に困っていたマイラは娼婦に…。しかし、ロイは生きていて偶然の再会…というようなお話。

映像で新鮮と感じたのが、ビビアン・リー扮するマイラの演技。決してセリフに頼らず、彼女のアップで決意を表現する。しっかりと目の表情だけで、その思いが伝わってくるのです。

これは何かを思い出す。そうだ、『君の名は』(わしは未見)ですよ。日本で大ブームになった1953年のこの作品は…ウォータールー橋を数寄屋橋に置き換えてつくられたものだったのですね。聞いたような気もするけど…忘れたのかな。恥ずかしい。こんなことも知らなかったのです。

もうひとつ大発見がありました。
マイラがロイに手渡したお守り人形、あれって大阪の通天閣にいるビリケンさんですよ。あの幸運のマスコット、元々は1908年にアメリカでつくられたものだったんですね。
まさに温故知新。いやはや、これもどっかで聞いたような気もするのですが…我ながら、無知蒙昧にも困ったものです。

それにしても、源流にはさらに源流があり…興味は尽きないですよ。

インターステラーで興奮するもエ〜ガね

その昔、かのミスターは息子の一茂くんと野球観戦に出かけたおり、熱中して…幼い一茂くんを野球場に置いたまま家に帰ったことがあるという。

わしも、映画に関しては似たようなことがあった。女性と映画に行って、ふたりで観ていることを忘れたことがあるのだ(笑)。あるいは…自分が監督でもないのに、映画のデキのわるさを自分のせいみたいに申しわけなく思ったこともある(涙)。
そんなわしなので、映画は基本的にひとりで観ることにしているのですよ。
「そこまで映画をたのしみにしている人を見たことがない」といわれた記憶もある。わしの映画愛は尋常ではないのでしょう。

そんなことはともかく、クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』を観ました。興奮しましたな。インターステラーとは異星間の意味で、インターステラードライブで異星間航行らしい。

https://www.youtube.com/watch?v=isoTSzwBMKE
https://www.youtube.com/watch?v=-sb8axLSXvI
https://www.youtube.com/watch?v=huNTmixOjnM

映画を堪能しました。わしは後半よりもむしろ、前半が好きです。

大作というのは大味になりがちです。お金を出してくれたいろんな人の意見を聞かねばならないので…そうなってしまうのでしょう。
ところが、この監督は違う。あくまでも自分の世界にこだわってますな。しっかり個性が出ている。こだわったまま大作にしている気がします。

つまり、マイナーな作品をそのままの精神で大作にしたような印象を受けるのです。
それができるところがクリストファー・ノーラン監督のすごいとこというかエラいとこというか…。『バットマン』をリメイクして、徹底した悪のキャラを構築した『ダークナイト』が大ヒットしたせいもあるでしょう。そこに信頼があるからこそ、口出しせずに任せてもらえるんですよね。

『インターステラー』では主演のマシュー・マコノヒーが熱い。彼が宇宙の果てまで映画を引っ張ってくれます。プラダから宇宙服に着替えたアン・ハサウェイもいいけど、娘役のいじらしさにも泣けますな。
名前は忘れたけど、ほとんど箱…のロボットも好きです。

わしはノーラン監督の作品では『メメント』が一番好きなのです。限られた時間しか記憶できない男の話です。また、『インセプション』では夢の世界が多重構造になっていて、それぞれで時間の流れが異なっていました。そう、この監督にとって“時間”の表現は重要なのです。

『インターステラー』では、タイム・ダイレーションといって星間での時間の流れにズレが起こる。ブラックホールやワームホールという宇宙の虫食い穴も出てくる。SFではよくありますけどね。

ただ、一般相対性理論とかがよくわからない。そういうのも含めて後半はいろいろあって拡散して、難しくてキツネにつままれたような…釈然としない気分にもなります。マシュー・マコノヒーの熱演がなければ置いてきぼりになりそう。他にまとめ方はなかったのかなと思いつつも…堪能しました。満腹になりましたよ。
上映時間が169分と長いし、いろんなお話の要素が入っているので、その意味でも満腹になったのでした。

フィルム撮影を重要視して、ほとんどCGに頼っていないところも好きです。実際、リアルに本物らしく美しく表現されています。映像には圧倒されますよ。

ところで、『インターステラー』はキューブリック監督の『2001年宇宙の旅』ありきの上にできている気がする。『2001年〜』に触発されたというか、挑みつつも…踏襲したという感じ。たとえば、“本”がある役割をするのですが、これって“モノリス”の形と似ていると思いませんか?
考え過ぎかもしれないけど、わしは勝手にそれを思いニンマリしたのでした。映画愛によるわしの思い込みでしょうけどね。

https://www.youtube.com/watch?v=qZZ9jRan9eo

人類は最初から冒険家だった…。シビレますな。



『ゼロ・グラビティ』からスタートしたわしの「ウダウダ映画日記」ですが、ほぼ1年になります。読んでくださって…感謝です。おおきに! だんだん!
今後も映画はエ〜ガねってことで、ほとんど化石のような作品の発掘調査をしつつ、たまには新作も取り上げます。どうぞ、いろいろと教えてください。

アギーレ・神の怒りに触れるもエ〜ガね

アギーレ監督は大変ですな。八百長疑惑が波紋を呼んでいる。仮に有罪となれば…解任でしょう。日本のサッカーはどうなるんでしょうなぁ。

それはともかく、アギーレといえば…わしはヴェルナー・ヘルツォーク監督の『アギーレ・神の怒り』を思い出します。

https://www.youtube.com/watch?v=ohfX5lyApDM
https://www.youtube.com/watch?v=d1q6sRDXG-M

映画の内容は…男の“ロマンと狂気”に満ちていて、わしが映画に求める(いや、人生に求めるといっても過言じゃない)すべてがそこにあります。
あ、これは『フィツカラルド』のところで書いた言葉ですな。でも、『フィツカラルド』は本当に大好きな…わしにとって宝物のような作品なのです。

同じヘルツォーク監督の『アギーレ・神の怒り』は1972年の西ドイツ作品。
“狂気とロマン”に満ちています。国敗れて山河ありじゃないけど、敗軍の将(正しくは副将かな)が国を興そうって話ですからね。兵士たちが岩山を移動するシーンなど…ほとんど山岳映画。よく撮影したものです。
そう、こっちのほうが『フィツカラルド』に比べれば狂気度が強いですね。監督も主演俳優(クラウス・キンスキー)もみんな…狂気に満ちています。キンスキーの娘のナスターシャも娘役で出ています。
野望というか野心というか、男の夢ですわな。『アギーレ・神の怒り』はすさまじい情熱の映画で…好きですなぁ。

わしはロマンが大好きなのです。
宇宙ものには雄大なロマンがある。歴史ものには悠久のロマンがある。
そして、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の作品には狂気のロマンがあるのです。

そういえば、未見ですが…この映画のパロディ(?)として『アギ・鬼神の怒り』という映画も生まれましたなぁ。

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