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Vフォー・ヴェンデッタを思い出すもエ〜ガね

ある店を探して…神楽坂を歩きました。店は見つけられなかったけど、[飯田橋ギンレイホール]を見つけました。名画座です。懐かしい。健在だったんですね。うれしかった。



どういうつながりなのか、[ギンレイホール]を見つけたらこの映画を思い出しました。

http://www.youtube.com/watch?v=8XKa8VE7ILI

一言でいえば、『Vフォー・ヴェンデッタ』は近未来の反独裁者映画です。この映画…登場人物への感情移入がしにくい作品でしたね。でもその分、理念や思想には感情移入できる…。たとえば「嘘で真実を語る」ってセリフだけでゾクゾクしましたからね。

この作品はイギリスに生まれてDCコミックに移ったアメコミが原作(なのに…クレジットにはアラン・ムーアの名がなく、デビッド・ロイドだけ!)で、脚本が(『マトリックス』の)ウォシャウスキー兄弟、監督が(『マトリックス』で助監だった)ジェイムズ・マクティーグです。

『Vフォー・ヴェンデッタ』はイメージとしては『厳窟王』や『オペラ座の怪人』なのですが、大好きなテリー・ギリアムの『未来世紀ブラジル』にも近いダークな映画です。圧政を描いたトリュフォーの『華氏451』にも通じます。ナチス・ドイツやホロコーストさえも思い出させました。
宇宙人侵略テーマの『V』というアメリカのテレビドラマがありましたが、それを思い出したりもしましたね。
君の行く道はぁ〜♪の…日本の学生運動のころの映画『若者たち』とかもね。そう、最近では森山直太郎が唄う…あの歌が使われた映画です。

主人公の“V”は常に金属風のマスクをつけていて素顔は見せません。でも、心は垣間見える。そういう意味で、しっかりと血の通ったマスクになっていました(マスクの下はあの有名俳優!)。
余談ですが、仮面が好きな藤子不二雄A先生が喜びそうですね。

頭ツンツルテンのナタリー・ポートマンの役は重要です。元子役の彼女ですが、同じ子役出身のジョディ・フォスターやドリュー・バリモアとともに…ハリウッドの顔ですよね。この作品も、彼女なくしてはここまでできなかったかもしれません。

“V”は復讐鬼であり、テロリストであり、世を立て直そうとする革命家でもある…。
正義とは何か。それは暴力によって生まれるのか…というようなテーマにもつながってきます。そういうあたり、実に奥が深い…政治的な映画ですよね。

『Vフォー・ヴェンデッタ』は極めて今日的な、論争に値する重厚な問題作だと思いました。向こうの…映画の世界で勝手に進行する感じですが、こっちの…わしらの世界に問いかけてくるものが大きいですからね。

それに、大作ってなるとどうしても…大味で観客に媚びた感じになってしまうことが多いのですが、この作品にはそういうところがなかった。それも好感を持った理由でした。

分類は「政治」とか「革命」かもしれません。でも、「活劇」にしておきましょう。

http://www.youtube.com/watch?v=Xc0GRBVxolE

ベルリン・天使の詩を聴くもエ〜ガね

今、読書に夢中です。天童荒太の「悼む人」を読んでいます。何なんだコイツはって思う。悼む…つまり、不慮の死を遂げた人々の冥福を祈る旅をしている主人公に対してです。



ふと思い出したのが、ヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』です。
ハリウッドでリメークされて『シティ・エンジェル』とかいう陳腐な映画にもなりましたが、オリジナルは東京での単館ロードショーとして…確か、1年半もロングランだったのです。深キョンが出たものに『天使』というのもあったけど、それもこの映画が参考になっているのでしょう。

http://www.youtube.com/watch?v=IPMK9nAIt1s

この『ベルリン・天使の詩』はモノクロとカラーのふたつの画面で構成されています。まだ、ベルリンに“壁”があったころの時代の話です。

天使の姿は人間には見えず、その世界はモノクロで描かれます。対して、人間の世界はカラーです。
人間の孤独や苦悩の…心の声があらゆる言語となって怒濤のように天使の耳元に押し寄せる。天使はそれを人間のすぐそばで聴いているのです。どうやら、それを聴くことが天使の仕事のようなのです。

天使は死ぬと人間になるのだという…。
男の天使が人間の女性に恋をして…天使を捨てて(死んで)人間になる。そして……。
『ベルリン・天使の詩』はそういう物語です。

天使が人間になった…そのときの表現が好きでした。人間にとっては些細な何でもないことが…天使にとっては“生きる”に値するほど新鮮だったりもする。そういうところがよかったですね。かくありたいと思ったものでした。

内省的という点でドイツ人と日本人のメンタルな面は似ていると思うのですが、ヒットの理由はそれだけではないでしょう。
このぉ〜街で孤独な天使たちがぁ♪〜とかって歌う「都会の天使たち」という楽曲があります。この映画も、東京だからこそロングランしたんだろうと思ったものでした。

『ベルリン・天使の詩』は読書するように観ることができる映画でした。
なお、この映画には続編があって、それにはゴルバチョフ元大統領も出演していましたね。


それにしても、「悼む人」の文字が心に落ちてくるように響く。わしは映像人間だと自分で思っていたけれど…活字人間なのかもしれませんなぁ。
わしの中の繊細な部分で、この2作は静かにつながっているようです。


月に囚われた男に囚われるもエ〜ガね

この瞬間、台風は日本列島を通過している。通過といえば、皆既月食は地球の影の上を月が通過するという現象だった。月といえば…この映画を思い出す。

いつだったか、SFサスペンスの『月に囚われた男』を観ました。わし好みの映画でしたね。

http://www.youtube.com/watch?v=pU1tTBKpkIE

監督は、デヴィッド・ボウイの息子のダンカン・ジョーンズ。デヴィッド・ボウイ主演の映画で『地球に落ちて来た男』というのがありましたから、初監督作品でSFをつくったというのは…そういうあたりからの発想もあったのかもしれません。

DVDジャケットのデザインを見て、『2001年宇宙の旅』みたいだったことから…それを意識してつくられた作品であることはわかっていました。観たら、まさにそんな感じでしたね。オマージュといえるシーンもあります。たとえば、『月に囚われた男』には『2001年〜』のHALを思わせるコンピュータが出てくるのです。その声をケヴィン・スペーシーが担当していました。

加えて、『ソラリス』の恐怖や『ブレードランナー』の哀愁や『サイレント・ランニング』の孤独を思い出したりもしました。すべて、わしが好きな映画です。

『月に囚われた男』を観て、手塚マンガも思い出しました。
「鉄腕アトム」の中か短編だったかに、怖い話がありました。主人公の少年の父親が博士で、彼が定期的に…真夜中になると溶鉱炉に人間を投げ捨てているのです。少年がコッソリと確認すると、何とそれは自分とソックリだった。
実は…少年はロボットで、博士はそれを気づかれないように…息子の成長に合わせて少しずつ大きい身体(ボディスーツ)に移し替えて、古い身体を溶鉱炉に捨てていたのです。

「火の鳥 異形編」の八百比丘尼も思い出しました。主人公が“時間”に閉じ込められる話で、その場所だけは何度も同じことを繰り返しているという怖い話です。

「ビッグX」では、月の裏側に行ってカグアという女性型ロボットと出会う話もありました。そのロボットは妙に古くさい日本語を話すのです。昭少年(ビッグX)がそのことを問うと、そのロボットは昔…日本にいたことがあると応える。実はカグアはカグヤ、つまり…かぐや姫だったのです。

月の裏側というのはSFでよく神秘的に使われてましたね。月は常に地球に表面だけを見せていて、裏側は見えませんもんね。それだけでも神秘です。

『月に囚われた男』の原題は、そのものズバリの『MOON』です。
月には…枯渇した地球に必要な新エネルギーの鉱物資源があって、主人公サム(サム・ロックウェル)はたったひとりでその石(ヘリウム3)を採掘しているのです。いわば、単身赴任ですな。相棒はコンピュータのガーティだけ(ニコニコマークみたいな絵で表情を示す)。その基地で起こるサスペンスです。

その基地が月の裏側だったかどうか…。わしにはわからなかったんですけどね。もっとも、月のどこかというのはほとんど重要ではないかもしれません。なぜなら、月全体が密室として表現されている感じも受けたからです。

とにかく、『月に囚われた男』はSFマニアのわし好みの一作でした。
低予算の映画みたいですが、それを感じさせないデキでしたね。
昔ながらのつくり方なのも、予算的なことかもしれません。
観る人を選ぶ作品かもしれませんが、わしは大好きです。
お金ばかりかけて…内容のない映画よりいいですよ。

そういえば、『キューブ』という映画がありました。
予算の都合でふたつの部屋しかつくれなかったんだろうと思う。
それを…たくさんの部屋が連なっているように見せて映画にしていました。
アイディアですね。それでおもしろい映画がつくれるんだからいうことないですよ。

ところで、トム・クルーズが主演の『オブリビオン』という映画は…この『月に囚われた男』をベースにつくられたんでしょうか。多分、そうなんでしょうね。

こんな夢を観た

夢を見ました。都心に向かって自転車で走っていると、道が二股になる。右が大きい神社か寺の山門で、左が崖…というか谷川のようなところ。「こりゃダメだ。戻って甲州街道から行こう」と来た道をバックすると、地面から人間の生首のようなお面がいっぱい出ている。お面のおデコあたりからツノが出ていて、パンクするとマズいので自転車を押して行くことにする…という夢でした。

わしはいつもヘンな夢を見るので驚かないのですが、これもユニーク。
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