パフュームが鼻々しくてもエ〜ガね

鼻の手術をしました。
術後の病室で突然、何だかとても懐かしく…涙が溢れそうなほどの感覚が蘇りました。いや、正しくは蘇りそうな感覚に襲われたのです。それは…匂いです。香りです。わしはそれを感じなくなっていたのです。これからその感覚が戻ってくるのでしょう。

目と耳があれば物事を認識できると思っていたのかもしれない。
臭覚というのは…視覚・聴覚と同等、あるいはそれ以上なんですね。
わしは鼻のありがたさ大切さを痛感しつつ…ある映画を思い出しました。

パトリック・ジュースキント原作、トム・ティクヴァ監督の『パフューム -ある人殺しの物語-』は、“鼻(匂い)”が主人公ともいうべき奇妙キテレツな物語です。
原作と監督がドイツ人、主演がイギリス人のベン・ウィショー。セリフは英語ですが、基本的にはフランス映画ではないでしょうか。

http://www.youtube.com/watch?v=EpVXDupTXNQ

単純明快なハリウッド映画よりも、わしはどっちかといえばヨーロッパ系の深い映画が好きだったりもします。『パフューム』も出だしから引き込まれます。見事ですね。
鋭敏な嗅覚を持った男が、究極の香り=香水をつくり出す。その純粋さ。その執念。その狂気。そして、まるでペーター・キュルテン殺人事件のようなおぞましさ…。

分類でいえば、サスペンスでありファンタジーでしょうか。
演出もいい。俳優もいい。カメラもいい。美術もいい。音楽もいい。見えないはずの香りを見せてくれる。奏でてくれる。画面から香りが伝わってくるのです。そう感じたものでした。
前代未聞の媚薬のような映画にわしは興奮し、陶酔しました。

ただし、ラスト(クライマックス)を除いては…です。ラストは納得できません。映画の中の人物たちの陶酔の最中に、わしは逆に覚めてしまいました。満足という名の崖から突然、不満という谷底に落とされた感じ。ラストは賛否両論でしょうが、(わしの場合は)完全に映画から取り残されてしまいましたね。

原作小説を映画にするために、何か変更があったのだろうかと確認しました。ところが、原作と映画はほとんど同じ内容なのです。
しかも、何とも奇妙なことに…原作の文章では納得がいくのに、映像では(わしの場合は)納得がいかない。肝心のところで、香りを感じることができなかったのです。

ラストに関しては、もしかすると…映像よりも文章からの想像のほうが合っているのではないでしょうか。
とはいっても、映画にしたわけですから…これはこれでよかったのか。


ところで、女性は本能的に香りで恋人を選んでいるという説があります。自分から遠い遺伝子を選ぶために、女性は自分の父親とは異なった香りを持つ男性を好ましいと感じるのだという。香りは…本能とか記憶にもつながりがあるというのです。
興味深い。鼻はメガネをかけたり腐ったものを嗅ぎ分けるだけの役割じゃないんですね(笑)。
香りがそういう…脳の中での生命の根源的な箇所につながっているのだとしたら、とても興味があります。
もしかすると、香りに関するこういう効力とかの説明が…映画『パフューム -ある人殺しの物語-』には不足していたのかもしれません。

http://www.youtube.com/watch?v=yIqsZu241M4

DVDラベル=パフューム

蜘蛛巣城に行くもエ〜ガね

『蜘蛛巣城』は昭和32(1957)年の黒澤作品で、『隠し砦の三悪人』に比べると重く暗い。
シェイクスピアの「マクベス」をベースにした戦国時代劇で、壮大かつ迫力があります。

http://www.youtube.com/watch?v=PoYzsDVyFRU
http://www.youtube.com/watch?v=yxhqe6ERV_c

物の怪老婆の予言に翻弄されて出世し、やがて滅んでいく男…。老婆は実際には男性俳優が演じてるんですけどね。

三船敏郎扮する成り上がり城主にたくさんの本物の弓矢を射かけるのですから、驚きます。わしは映画館で観ていて…驚いた。当の三船敏郎も怖かったんでしょう。 河原だかで「黒澤監督のバカヤローッ」と絶叫しながらライフルをブッ放したとかってエピソードも残ってますからね(笑)。

『影武者』の主役を演じる予定だった勝新太郎が「黒澤さんの映画では本物の矢が飛んで来るらしいが、黒澤映画に出られるんだったら俺は矢に射抜かれて死んでもいい」といったそうです。それくらい、本物の弓の矢の話は有名なんでしょう。まさか…その影響なのか、勝新の映画では殺陣の撮影中に本物の刀を使って殺傷事件がありましたよね。

モノクロ画面は水墨画のように美しい。
黒澤映画には日本映画を超えた迫力がある。まるで洋画を観ているようです。
と同時に、『蜘蛛巣城』には能楽の様式も入っています。そういう点では実に日本的な映画でもありますね。佐藤勝の音楽もよかった。

それにしても、この映画は…晩年の『乱』や『影武者』に近いですね。もっとも、『乱』もシェイクスピアものですから当然かもしれませんが…にしても、『蜘蛛巣城』の焼き直しが『乱』ではないかとさえと思ったほどです。
わしは覚えるくらい『蜘蛛巣城』を観ていますが、それを強く感じたものです。

余談ですが、同じ「マクベス」をベースにしたのが手塚マンガの「バンパイヤ」ですね。

http://www.youtube.com/watch?v=-Z9ERdp_B2M

隠し砦の三悪人の登場もエ〜ガね

雑誌「CUT」10月号で、「ハリウッドが作れなかった名作映画ベスト100!!」という特集を組んでいました。その集計結果のベスト1が黒澤明監督の『七人の侍』でしたね。
ま、当然でしょう。ハリウッドでは決して作れない…水墨画のような繊細さと大胆さがありましたもんね。

http://ro69.jp/product/magazine/7

そろそろ黒澤映画を登場させましょう。何がいいかな。『隠し砦の三悪人』はどうでしょうか。

http://www.youtube.com/watch?v=aFK4JJSCOcg
http://www.youtube.com/watch?v=dzB3tnAQozk

『隠し砦の三悪人』は『蜘蛛巣城』の翌年の昭和33年の作品です。この映画から画面がワイドになります。やっぱり、大きくなると迫力が違いますね。

戦国時代の敗軍の将が…世継ぎの姫と黄金を隠す。それにまつわる物語。
この『隠し砦の三悪人』が『スターウォーズ』の元になったという話はあまりにも有名です。百姓のコンビはそのままロボットのデコボココンビ。三船敏郎はハン・ソロ船長かベン・ケノービ。“ジェダイの騎士”のジェダイは黒澤映画の時代劇のこと。ジェダイ=時代、つまりジェダイ劇だっていうことも映画ファンなら誰でも知っているでしょう。
『スターウォーズ』の表彰式みたいなラスト、『隠し砦の三悪人』と同じですよね(笑)。

この映画の冒頭で、落武者役の加藤武が死んで倒れ込んでからアクシデントで馬に頭を蹴られる。でも、死人役だから蹴られたままの姿勢で固まってる。何度目かの観賞で、それをしっかり確認したものです。さすがは役者ですね。

「人の命は火と燃やせ!」と唄い踊る火祭りもよかった。姫もよかった。
藤田進の「裏切り、ご免!」というセリフも印象深く残ってる。
とにかく、わしはこの『隠し砦の三悪人』が大好きです。その理由は…脚本も見事だけど、何といっても明るくておもしろい冒険活劇映画だからです。

武士が農民を見下す感じがイヤだったという人がいました。ですから、それを注意して観たりもしたものです。確かに、それをいわれるとそうだなぁって思います。
でも、こんなにおもしろいんだからいいじゃないかってわしは思ってしまったものでした(笑)。


ちなみに、この映画は樋口真嗣監督によってリメイクされましたが、それは問題外。ゴメン!

http://www.youtube.com/watch?v=gn6TLDdA7h8
http://www.youtube.com/watch?v=tL4810fXF5k
http://www.youtube.com/watch?v=iyTJXDBVptY

レディ・キラーズを思い出すもエ〜ガね

そういえば…音楽映画ではないと思うけれど、『レディ・キラーズ(The LadyKillers)』という映画をDVDで観たことがありました。コーエン兄弟によるリメイク作品。コーエン兄弟の作品では『ファーゴ』を記憶してるけど、『ノーカントリー』さえも未見です(と思う)。しかも、わしは『レディ・キラーズ』のオリジナルの『マダムと泥棒』の存在すら知らなかったんです。
まったく、わしってヤツは映画に詳しいんだか無知だかわからない。

http://matome.naver.jp/odai/2139753020648360201/2139873903867821203

主演はトム・ハンクスです。トム扮する教授を名乗る紳士が、黒人の未亡人の家に部屋を借りに来る。部屋を借りた彼には音楽仲間がいて、地下室で楽器の練習をするようになる。
ところが、実は… 対岸にカジノの金庫があり、そこまで地下トンネルを掘ることを企てていたのです。やがて、そのことが未亡人にバレて…というような内容でした。

コーエン兄弟のセンスなのか、元々のオリジナルがそうだったのか。この『レディ・キラーズ』が何ともユニークでたのしくておもしろくて、わしゃこの作品が大好きになりました。

分類がよくわからない映画だけど、コメディかもしれない。でも、わしはイイカゲンなヤツだから「洋画 音楽」に入れておきましょう。

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