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アイデンティティで自分探しもエ〜ガね

普段、人はふたつの目で観て…物を立体的にとらえています。
もちろん、片目だけでも観ることはできる。でも、距離感とか立体感をとらえるのは難しいでしょう。右目と左目とを合わせて観ることで全体バランスを把握しています。

それって、脳も同じではないでしょうか!?
つまり、右脳と左脳とではそれぞれに異なった意識がある。それを、脳内ケーブルでつなぐことで立体的にひとつとして思考し…物ごとを把握しているような気がするのです。もし、ケーブルがうまく繋がらないとふたつの意識を持つことになるのかもしれません。

『アイデンティティ』を観てそんなことを感じたものでした。
わしはこの手のお話が大好き。DVDで観た『アイデンティティ』のことです。ジェームス・マンゴールド監督による2003年のアメリカ映画です。

http://www.youtube.com/watch?v=fcow2djY0QE

豪雨の日、11人の男女が安モーテルに避難する。そこで事件が…。
『スパイダーマン 2』でDr.オクトパス役だったアルフレッド・モリーナ演じる医師が出てきて、「階段を登って行くとそこに…」という詩のような言葉が語られる。わしは引き込まれました。実に興味深い題材です。
このタイプの映画、古くにはヒチコックの『サイコ』がありましたよね。

わしはおもしろい映画が大好きです。何におもしろさを感じるかは人それぞれですが…。
サスペンスなのでこれ以上はいえません。特にオチは決していえませんが、『アイデンティティ』は怖くて…とてもおもしろかったですね。

内容のヒントは…そう、タイトルです。
ジョン・キューザックやレイ・リオッタらがメインで出ています。とにかく、わしのお気に入り映画です。

今回は短いウダウダエ〜ガね日記でした。

DVDラベル=アイデンティティ

シマネのシネマ RAILWAYSで郷里に帰るもエ〜ガね

連休を利用して、鉄道で旅をした人も多かったでしょうね。

わしはその昔、新宿ピカデリーで、島根県は出雲市を舞台にした映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転手になった男の物語』を観ました。
故あって、わしは遣島使といって島根県のPR大使か宣伝マンのような役の一員なのです。であるからして、今回は『RAILWAYS』を通して…島根県をPRさせていただきます。
長い(文章の)旅に出発進行!


ご当地ソングという言葉がありますが、これはご当地映画でしょう。
『RAILWAYS』はあちこちの地方の鉄道を舞台にシリーズ化されているようですが、これはその1作目です。

監督は錦織良成といって、同じ島根ものの『白い船』(『天然コケッコー』は山下監督)を撮った地元出身の人で、おそらくROBOT(制作プロダクション)の人。ですから、『ALWAYS 三丁目の夕日』みたいなタイトルになったんでしょうね。ただ、若い人向きの映画でもないと思うので…年配者には『RAILWAYS(レイルウエイズ)』というタイトルはとっつきにくかったかもしれません。

中井貴一扮する49歳の猛烈ビジネスマンが主人公。彼が東京の大手の会社を辞めて、出雲市から松江市を走る2輛だけの電車…一畑電鉄の通称バタデンの運転手になるというとても地味な話です。

実はわし、この主人公の気持ちがよくわからなかった。いくら、バタデンの運転手が子どものときの夢であっても、このまま行けば取締役っていう地位を蹴ってまで…。そりゃ、友人のことがあったにせよ、親の問題があったにしても…って考えてしまいました。

でも、ふと思ったんです。夢っていうのは好きって気持ち。高みにあって手の届かない大きなものだけじゃない。足下にもある小さなものかもしれないって…。高嶺の花より、野のスミレ。それこそが幸せというか、自分を納得させてくれるものじゃないかって…。
確かに、そういうこともあるでしょうね。
もっとも、50近くになって電車の運転手っていうのは、別の意味でハードルの高い…まげな夢だきの(笑)。


一畑電鉄のバタデンは昭和初期からず〜っと走ってるほとんど木製の電車で、デハニ50形というんです。デは電車のデ、ハはイロハのハ(3等車)、ニは荷物車ありのニなんです。ニは知りませんでしたね。勉強になりました。

田園風景の中を走る電車は美しい。親の目の届くところで電車の運転をする。確かに富も名声も何もないけど、そういうものとはまったく違う別の充実感はある。あるかもしれない。そう思ったときに主人公の気持ちがわかる気がしましたよ。


もしも、実際にこういうことになれば、夫婦も親子も…諍いになり、普通はもっとドロドロになるでしょう。でも、この映画ではそうはならない。人と人が信頼し合ってる。それがいいですね。映画として浅いとか物足りないと思ってもいいはずなのに、そうは思わなかった。

毒がないんです。山陰なのに影がない。皆、いい人ばかり。いわゆる悪役って人がいない。それに、登場人物が寡黙で多くを語らないんです。でも、そこがいい。
言葉に頼ってるんじゃなく、心に頼ってるんですよね。
寡黙な人ほど思いが深い。愛を語らない人ほど愛が深いのと同じように…。
そんなことも感じました。

印象深いのが、この映画ではケータイ電話を使うシーンがほとんどないことです。暗に、人と人は顔をつき合わせないといけないといってるのかもしれませんね。

登山をすると、知らない人同志でも挨拶をし合うでしょ? でも寡黙な人が多く、よけいなことは語らない。そういうことにも通じるかもしれません。
一種の県民性でしょうか。


そういえば、御巣鷹山の飛行機事故で助かった川上慶子ちゃん。彼女がこの土地の人でした。芸能リポーターが「芸能人になれ。そのために助かったんだ」とかって理不尽に押しかけましたが、おばあちゃんが「あんたがたはここの土地柄がわかっとらん」と戒めてましたね。

宍道湖からの風が爽やかです。風土が包み込み、癒してくれる。
そういう映画ですね。しじみ…じゃなくて、しみじみ心に染みました。
それこそ、しじみ汁のように…ほっこりさせてくれる『RAILWAYS』でした。

高島礼子や本仮屋ユイカや奈良岡朋子が出ていますが、さりげない役の他の役者さんたちも自然体で、昔からそこにいるみたいで…皆よかった。
特に、百恵さんの息子の三浦貴大くんが屈折したいい味を出してます。大物役者になる予感がしたものです。中井貴一と語り合う場面は特に好きでした。


出雲には古代、タタラ製鉄の技術を持つ強大なクニ(?)があったことは知られています。古事記や考古学の世界ですが、その時代に思いを馳せることもたのしい。砂原遺跡もありますしね。わしの好きな分野です。

映画の中に出雲大社もチラッと出てましたね。神無月(かんなづき=10月)のときに八百万の神さまがここに集合するのです。というか、ここに集合するから神無月になるんですけど、その間、この地方だけは神在月(かみありづき)と呼ばれます。神話の故郷だきのぅ。 


何もない田舎ですが、出雲の国にはそういう悠久の時空へとつながる思いがいっぱいあります。だからこそ、かの小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)もこの土地を愛したのでしょう。その気持ちはよくわかる。
何もないからこそ、自分の思いで満たされる。ハーンが「日本の面影」の中で、早朝の米をつく音を神々の鼓動だと感じたと書いていましたが…感動的ですね。 感じる心さえあれば、そういうふうに観ることができるのです。


そんな神々の国に抱かれ、憩ってみてはいかがですか?
行くシマ、ネェ〜? そげなこといわんで行ってごせ(笑)。
深い思いを持った知的な旅行者にはピッタリかもしれませんよ。
昨今、どこへ行っても同じって感がありますが、島根はひと味違う。

昔、田んぼはカエルの卵だらけでした(笑)。それこそ、サッカー競技場に響くブブゼラの音のようにカエルの大合唱が聴こえたものです。今は農薬のせいでカエルたちもいないのかな。
『RAILWAYS』は島根が舞台とはいっても、そこは島根の中のちょっこし都会です。そのせいか、昆虫も小動物も何も出てこなかった。それがちょっと残念でしたね。Uターンになぞらえて、ツバメくらい出てきてもよかったのに…(笑)。
子どももあまり出てこなかった。やはり過疎化なんでしょうねぇ。


出雲から少し東にいけば、NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」の布枝さんの安来です。さらに東へ行けば、鳥取県です。

そして、世界産業遺産で有名になった石見銀山は、出雲より少し西の石見の国にあります。銀山とは…こんもりした山に坑道と呼ばれる穴があるだけです。銀の製造とともに、自然を壊さないで穴を開けたという点が評価されているのです。
さらに西へ行けば、山口県です。

せっかく遣島使になれたわけだし、わしもこの際…子どものころの自分と再会するために島根に行き(帰るという表現はもはや当てはまらない)、還らぬ季節の思い出巡り旅もいいかなと思ったりしています。

夢の中でしか見なくなった郷里。あの山や川…。朽ち果てて、緑に飲み込まれた我が家…。幼友だちの墓参りとかもしたいなぁ。
遣島使とはいっても、知らない島根のことも多いので勉強しなくちゃなりません。
一度も行ったことのない隠岐の島とか…。ほんとは竹島(韓国では独島と呼ぶ)にも興味があるんですけどねぇ。


最後まで読んでくださって…ありがと。おおきに。だんだん。

http://www.youtube.com/watch?v=PN_kFa1Ix4E


トンマッコルへ行ってみるもエ〜ガね

先日、ある地方のある町の議員さんと会いました。その町を観光地としてアピールするにあたって…何かアイディアはないだろうかというものでした。
その町の手前には有名な温泉町がある。結局、その奥に隠れるようになってしまって…美しく素朴なその町はあまり知られてなかったんです。
わしは、町にある山の形が『未知との遭遇』のデビルスタワーに似てるとか、廃校になった学校があるなら「学校旅館」にするといいとか、新宿区の廃校にはヨシモト興行だかが移転して来たみたいな…あまり関係ない話をしました。


http://www.youtube.com/watch?v=JtiCe6xo_yg

そんな話をしながら、わしは『トンマッコルへようこそ』という韓国映画を思い出したのです。その昔、友人がこの映画を薦めてくれました。でも、敬遠してたんです。その後、別の友人がDVDを貸してくれて…初めて観ました。

わしには朝鮮戦争の状況が詳しくわからないんですが、韓国軍と人民軍が戦って、彼らが深い山の中のトンマッコルに辿り着く。そこは蝶の飛び交う美しい村。ある種の理想郷。争いはもちろん、武器すらも見たことのない温和な村人たちの住むところ。やがて敵対する兵士たちは…その村で癒されていく。

よかった。奇麗すぎる感じは否めないものの…しみじみほのぼのとよかった。分類的には戦場ファンタジーとでもいうんでしょうか。水木しげるの戦争体験談(隊から離れて地元民と交流した話)も思い出したし、モックンが演じた『中国の鳥人』という映画も思い出しました。

「トンマッコル村」ではなく、「コル」が韓国語で「村」って意味なんですね。のどか村、純粋村、そういうニュアンスだろうと思います。
村の入り口には…妙な笑い顔のお地蔵さんみたいな物がたくさんある。それだけでほっこりした気分になりました。

監督はパク・クァンヒョン。聞いたことがあるような気もしますが、よく知りません。原作がチャン・ジンです。よく知りません。俳優も…詳しくは知りません。

山にかぶさる水墨画のようなタイトルも奇麗でした。
わしは登山をしてたもんですから、山岳風景には愛着があります。トンマッコルも美しい。どこまでも青い稜線とかね。そういう場所にいれば争いなんて忘れる…かもしれない。トンマッコルの村人との交流の中で、人種とか国籍とか所属部隊とか…そんな些細なことなど薄れていくかもしれない。 そうあってほしい。
でも、それはファンタジーの世界だからでしょう。悲しいかな…現実はそうはいきませんよね。でも、そこであきらめてしまっていいのか。

と、そういう感じの話です。
ちなみに、韓国映画ではわしの大好きな『グエムル 漢江の怪物』があります。『シュリ』もありましたね。
これらを観ても感じるのですが、もしかすると、韓国の人は理想郷を求めているというか…自分の中にそういう精神性みたいなものがあるのかもしれない。家族や民族の和とか絆みたいなものですけどね。
考えてみれば…当たり前か。無念が理想郷という世界を生んだのかもしれない。トンマッコルは北でも南でもない心のよりどころなのでしょう。


わしは韓国が好きだし、行ってみたい国です。
わが国と…かの国は今、微妙な状況なんですけどね。
隣の兄弟国なんだから、お互い…仲良くしたいものですよ。

ところで、失礼になってはいけないと思って…迷ったんですが、思いきって疑問点を書いておきます。 実はこれが一番の疑問です…。
もしかして、トンマッコルのトンマとは日本語でいうトンマと、語源として同じなのでしょうか。
文化は中国大陸から韓国を通って日本に来ているわけですから…そうかもしれない。
つまり、「あいつはトンマだ」とかっていうときのアレです。日本語でいうトンマというのは差別用語というより、もっと温かみのある言葉です。ズッコケとかに近いニュアンスでしょう。もっとも、時代劇くらいしか使いませんけどね。
もしそうだとすると、トンマッコルとはトンマな人がいるコル(村)って意味のタイトルかもしれません。
言語文化に詳しい方に教えていただきたいことです。


ところで、先述の町の議員さんの町…。
食い物にされはしないかと…わしは心配しています。
どうやら、県外の資本が入って観光地として開発するようなのです。
何もなくていい。トンマッコルのように心を癒してくれる自然があればいい。
観光地化と称して、日本各地どこへ行っても似たり寄ったりっていうのは疑問を感じる。
自分勝手な意見ですが、より美しく素朴で…心がほっこりする町であってほしい気もするのです。


人は誰でも、長所と短所を持っています。でも、自分では短所と思っていたことが他の人から見たら長所ってこともありますよね。それはおそらく…町にもいえるのではないでしょうか。

http://www.xinhua.jp/rss/382090/
感じる心があれば、普段観慣れているものでも…美しく新鮮に観ることができるということですよね。

DVDラベル=トンマッコルへようこそ

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ネコ爺ことネコタル爺の高峰 至です。

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