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スプートニクが怖くて…エ~ガね

スプートニクという言葉は衛星のことだが、もともとは付随するという意味らしい。そこから、この映画では寄生するという意味で使われる。

ロシア映画『スプートニク』のことを書いておこう。SFホラー映画かもしれない。

冷戦時代のソビエトが舞台。宇宙船スプートニク号の飛行士に“何か”が憑りついて…戻ってくる。調査のために、女性医師が診察として送り込まれる。大作というほどではないが、わるくはなかった。

2020年の映画で、ロシア版『エイリアン』ってとこかな。
監督はエゴール・アブラメンコで、主演はオクサナ・アキンシナだ。

https://youtu.be/-cT_AFpM8XQ

『スプートニク』は[ヒューマントラストシネマ渋谷]で観た。
わしはかつて渋谷に住んでいたが、街は迷子になるほどに変わっていた。宮下公園などはなくなって…公園はビル群の上にできていた。まるで未来都市だね。


アーカイヴがユニークでエ~ガね

やった! 今月3つ目日記だ。安堵…。

アーカイヴとはコンピュータにおいて、データを長期間保存する方法…かな。バックアップに近いかもしれない。

監督はギャヴィン・ロザリーで、イギリス映画だ。
映画『アーカイヴ』では、人間の記憶をロボットに移し替える。3体のロボット(AI)をつくるのだ。
その場所がユニーク。日本の“ヤマナシ”なのだよ。

アシモフの「われはロボット」みたいだが、前のがあとにつくられたのに反応したりする。
とにかく、予測不能なことが起こるのだ。地味だけど、いい感じだね。

https://youtu.be/7YnhZogQOXo

AIを通して人間の存在を問う? 人間はいかなる生物なのか。
よくわからないところもあったけど、そこがスリラーなのかもね。

エイリアン話など新春ウダウダもエ~ガね

新しい年を迎え…元旦に地元の神社へ行ってみた。コロナのせいで人影は少なかった。

60年近く前…なんだなぁ。昭和38年=1963年の元旦、アニメ「鉄腕アトム」の放映がフジテレビで始まったのだ。日本初のテレビアニメ。初回の視聴率は27%で、最高視聴率は何と40%を越えたという。“紅白”並みだな。
手塚治虫と虫プロの名は日本の隅々まで知れ渡った。玉石混淆とかいわれるが、“アトム”はテレビアニメ…いや、日本のポップカルチャーの原点なのだ。

“アトム”がなかったら後の巨大ロボットアニメはできなかったし、そうなるとデルトロ監督の『パシフィック・リム』だってなかった。過言じゃない。

当時の子どもたちはアトムシールがほしくてマーブルチョコを買ったものだ。カッパブックスのシールも集めていた。『鬼滅の刃』が数々の商品とジョイントしてるのと似てる。

でも、雑誌「少年」に連載されていた紙のマンガとテレビのアニメでは少し質が違っていた。原作“アトム”は人間界におけるロボットたちの苦悩を描いたものだったけど、テレビでは明るく浅く軽く強く…科学称賛的なものに変質していたと思う。子ども心にもそれを感じた。

テレビアニメは4年もつづいた。最後のほうは原作が尽きて…まるで『グラディエーター』みたいだ。とはいっても、わしの家にはテレビがなかったし、リアルタイムのアニメ版“アトム”を観た記憶はほとんどない。紙のマンガのほうが好きだったというのもあるけどね。

今でも最終回を観た子の感想の言葉が忘れられない。自己犠牲というか、地球を救うために“アトム”は特攻のように太陽に突っこんでいく。
ところが、最後の場面で死んだはずの“アトム”が他のキャラと一緒になって「皆さん、さようなら!」と挨拶したというのだ。「ヘンだ」と首を傾げていた。


手塚マンガのキャラがスターシステムだったせい?
わしは今にして思う。それはリセットだったのではないかと…。
昔はリセットという言葉はなかった。いや、あったんだろうが使わなかった。
今はそれを多用しすぎる気がする。ボタンひとつで元に戻る感覚が怖かったりもする。



前置きが長くなった。
というか、前置きだけで終わりそうな気配。

正月に観ようと『エイリアン』を借りてきたのだ。大昔…1979年公開のSFホラー映画。
DVDにはリドリー・スコットによるディレクターズカット版と公開版の両方が入っているらしい。
何がどう違うのか、どこに何をどう加えたのか…それを比較確認してみようと思ったのだ。

宇宙貨物船に凶暴なエイリアンが入り込む。それが地球に入ると大変なことになる。阻止しようと、女性宇宙飛行士リプリーが自己犠牲を覚悟で戦う。とにかくおもしろく、エイリアンそのものが不気味でソソられた。

わしがこの手の映画を観ないわけがない。リドリー・スコットもまだ2作目くらいの新人監督だったかもね。当然、わしはリアルタイムで劇場で観てる。その後、ビデオでも何度か観た。
でも、それがディレクターズカット版だったかどうか…記憶にない。この監督は何度も作り直すからホント…大変なのだ。

その星からの12秒間隔の電波信号だが、公開版ではそれがどんな音かはなく、ディレクターズカット版にはある。大抵、普通は…思い入れの強いディレクターズカット版よりも公開版のほうがスッキリしてデキがいいものだが、もしかすると『エイリアン』はそうでもないのかもね。

『エイリアン』は何度も映画化された。何度もリセットされたから何作もある。他の映画のモンスターとエイリアンが戦ったりとかも…。

『ターミネーター』などはリセットして「前作はなかった」ことにしたりとかね。更にこの頃は映画によってはリボーンというのもあるから…もう、カンベンしてほしい。新しいアイディアがないんだろうな。映画界は枯渇してる。

エイリアンの造形がよかった。それをデザインした画家がギーガーだった。彼が不気味な原画を持っていて空港で捕まったという笑える話もある。
ギーガーが映画への参加を求められたのは『DUNE/砂の惑星』だったらしい。サンドウォームのデザインだったのだろう。その企画が流れて、『エイリアン』になったということみたいだ。興味深い。

『DUNE/砂の惑星』といえば、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版の新作はどうなった? わしはずっと楽しみにしているのだが…今年中に公開されるのか。あ、わしは『ホドロフスキーのDUNE』も観てない。
東宝の『キングコング対ゴジラ』が公開されたのも60年近く前だが、あれのリメイク(?)のハリウッド版は? 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は公開しないまま旧作か?

アメリカのコロナ感染者は2000万人を超えたという…。ヨーロッパは更なる惨状?
映画は映画館で観るものではなくなる? 媒体としての形が変わる? もう、映画どころじゃないよね。

コロナウィルスは人間の生活様式を変えた。今や、マスクしないで外を歩くのは…パンツをはかないで歩くようなものだ。通報されるかもね。

去年の今ころは『コンテイジョン』を思い出したりして、武漢市の報道に不安を覚えていたものだ。
今は絶望が追いかけてくる。現実はエイリアンより怖い。現実はリセットできない。
気持ちをしっかり持たねば…。強くあらねば…。

https://youtu.be/yI7m4Tl36XM

her に感じるもエ~ガね

『her 世界でひとつの彼女』のことを書いてなかったかもしれない。

電話もできる小型コンピュータがスマホだ。日々のニュース閲覧などで役立っている。
もしも、そのスマホが「どうしたの? 元気ないわね」とか、自分の意志で語りかけてきたら…。
「今月のウダウダ日記はまだふたつよ」とか、「映画タイトルを50音でも探せるように、ウダウダを整理してあげたわよ」とかいうようになったらどうだろうか。

『her 世界でひとつの彼女』は…人間の男がコンピュータの人工知能OSに恋をする話だ。オペレーティングシステムというらしいが、いや、実は…それ以上に重要な問題を提示している気がする。それは“所有”ということについてだ。
あとで内容に触れるのでご注意!

『かいじゅうたちのいるところ』のスパイク・ジョーンズ監督によるSF恋愛映画。主演はあの『ジョーカー』のホアキン・フェニックスで、コンピュータの声をスカーレット・ヨハンソンが演じている。2013年の作品だ。

主人公セオドアはパソコンに向かって、ラブレターの代筆業みたいなことをしている。ある日、最新のOSをインストールする。
普通に話しかけてくるコンピュータに「名前はあるのかい?」と聞く。「サマンサよ。名前の本を読んで自分で決めたの。一冊1秒で読めるわ」とかいう。とにかく、人工知能A.I.は賢い。

サマンサはどんどん学習して、人間を理解していく。
セオドアは離婚問題で悩んでいるが、サマンサは自分に肉体がないことで相手に嫉妬したりもする。OSは悩み考え、セオドアのために、自分の代理の肉体を用意したりもするのだ。
多くの場面がホアキン・フェニックスのひとり芝居と、そこにかぶさるスカーレット・ヨハンソンの声だけ…。

セオドアはそんな人間らしい“彼女”に恋をするのだ。サマンサは“恋人”だ。自分だけのサマンサなんだと思うようになっていく。肉体はなくともいつも傍にいて、精神的につながっていると…。
ピュアだけど、ちょっとキモい話かもね。


あるとき、サマンサが告白する。「私の相手は641人だ」と。「あなただけよ」は本当だが、同時に641人と会話ができるのだと…。わたしはあなただけのものだけど、みんなのものでもある…と。
そうか。考えてみれば当然だよな。パソコンOSの相手が自分ひとりのわけがない。
このとき、映画は突きつけるのだ。“所有する”とはどういうことか…と。
あるいは“共有”についての新しい概念を…。

https://youtu.be/xmkFRwmOzVA

何をもってリアルというのだろう。
精神だけのリアルってあり得ないのか?
この映画は何も所有しない未来図の予告かもしれない。
英国のテレビ番組で「火星年代記」があって、身体さえ持たない火星人がいた。
ここについては思うことがいろいろあって、それをウダウダ書くつもりでいたが…もう、やめておこう。


TENETで頭パニックもエ~ガね

IMAXで『TENET テネット』を観た。ややこしいSFアクション映画だった。

時間の逆行を扱っているとのことだったので、フィルムの逆回しくらいをイメージしていたが…そんな生易しいものじゃなかった。観た人がテネッて後ろ歩きをマネしてケガしないことを祈りたい(笑)。

『TENET』は『メメント』『インセプション』『インターステラー』など、時間に関する映画を撮ってきたクリストファー・ノーランの監督作だ。
もちろんわしはすべて観ている。『ダークナイト』(ダークナイト・トリロジー)も『プレステージ』もね。

思い出したのが『2001年宇宙の旅』のパンフに書かれていた「観客がこの映画を一度で理解したら、我々は失敗したことになる」という言葉。ノーラン監督がキューブリック監督を崇拝していたのは知られているし、つくった作品を観ればそれはわかる。わしはノーラン監督のしたたかさが好きだ。

理解できなければ置いていくぞ的な魅力は両監督に通じるし、独自の世界…発想を映像そのもので伝えようとするところも似ていると思う。映画はかくありたい。

ただ、『2001年宇宙の旅』が製作費を回収するのに何年もかかったのに対して、ノーランの監督作は大ヒットしている。映像作家として自分がつくりたいものをつくり…作品性と大衆娯楽性を兼ね備えている。そこがクリストファー・ノーラン監督のすごいところだろうな。
たかが映画のために本物の旅客機を購入してビルにぶつけるなんて…ノーラン監督以外に誰がやるだろう。

TENETという言葉は信条とか主義の意味らしいが、ポンペイ遺跡のラテン語による最古の回文から取られたという。回文…つまり、前から読んでも後ろから読んでも同じ「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS」からのようだが、これって映画そのものを暗示してるんじゃないかな。

名もなき主人公は暇があれば体を鍛えている。いいね。演ずるジョン・デヴィッド・ワシントンはデンゼル・ワシントンの長男だ。わしは知らなかった。
彼がロバート・パティンソン扮するニールと行動するあたり、バディ映画かスパイアクションものだ。キャット役のエリザベス・デビッキは学校の塀より背が高い…。

それにしても時間とは何だろう。哲学者アリストテレスによれば、物体が運動することによって時間は存在するのだという。
時間は伸びたり縮んだりするものだろうか…。『TENET』の時間の逆行はタイムトラベルとは違う。10分前に行くためには10分かかる。でも、時間の逆行ってどういうことだ?

光の“ドップラー効果”によれば、遠ざかっていく光は赤く見え、近づいてくる光は青く感じるという。それに合わせてなのか、映画では順行者は赤、逆行者は青で表現される。そう、時間の順行と逆行がひとつの画面に同時に出てくる。だから、ややこしい。
そういえば、映画の最初と最後のワーナーのマークも同じように色分けされてたっけ。

ともかく、『TENET』は忙しくてややこしい。もちろん、それがこの映画の魅力だ。一瞬たりとも飽きさせない。めまいがするほど。
  
アルゴリズムによってエントロピーを減少? それで逆行? エントロピーの増大の向きが時間の流れ? 陽電子? 量子力学? 粒子の対消滅が起こる? 過去と未来から攻撃? 等々、これらはわかるようで…厳密にはまったくわからない。
原因と結果が入れ替わったりもするし…頭がパニックで、腑に落ちないところがたくさんある。
説明する女性科学者にしても「頭で考えるな。感じろ」とかいってた(笑)。そうするしかない。今まで観たこともない映像体験…! それは間違いない。楽しめばいい。わからなくても楽しめるのだ。

https://youtu.be/NGae7WPNhb0

ルドウィグ・ゴランソンの音楽がよかった。すごく映像に合ってる。オーケストラのメンバーを一同に集められず、個々の演奏家の音楽を集めて重ねてつくったらしい。深く重く心に響く。

ケネス・ブラナー扮するセイターのことを考えた。時間を行き来してたと思われる暴力的な超ワルいヤツだが、彼は孤独だっただろうな…と。
解釈は人それぞれ。『カサブランカ』のセリフに似せたニールの言葉。母を守ってくれた主人公のためだったとしたら…? もしかして、彼はキャットの息子だったとしたら…? わしもこの仮説に1票…! 

過去と未来のはざまの一瞬の“今”が切ない。


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