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きいろいゾウが読書のようでエ~ガね

最初、「黄色いぞぅ!」かと思った。動物のゾウだった。絵本らしい。

それすらを知らないで観たのもよかった。タイトルを『きいろいゾウ』という。

宮崎あおいと向井理の夫婦。妻は夫を「ムコさん」と呼び、夫は妻を「ツマ」と呼ぶ。奇妙だなと思ったら、苗字の一文字なんだね。

ふたりがいい。ツマのいじらしさがいい。メンドいけど、かわいさがいい。周囲の人たちもいい。わしは読書するように観た。

ツマが“彼”に「奇跡って何?」と聞く。“彼”は「日常だね」と応える。ぬるぅ~とした大人の童話? わかるなぁ。

監督は廣木隆一。わしは知らなかったが、原作は西加奈子らしい。原作小説を探してみよう。

https://youtu.be/Uyou3XDXrDk


ドライブ・マイ・カーに酔うもエ~ガね

今、話題みたいだね。濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』のこと。わしは映画館で観た。

この映画では不思議な体験をした。2時間半くらいあったのかなと思ったら、3時間もあったのだ。

最初から最後まですべて覚えている。最近ではめずらしい。思考の速度で進むからかな。

原作は村上春樹だけど、すごく短い。それに肉付けしているのだが、受ける印象は同じだった。

日常の中にある非日常。この原作は村上春樹の「女のいない男たち」の中に収められている。

ぶっきらぼうな運転手、渡利みさきがまるで同じなのだ。原作と。音というキャラは不可思議だが、俳優陣は皆、見事だったな。

わしは基本的に恋愛映画はあまり好まない。といいつつ、よくできた映画だと思った。恋愛映画じゃないのかな。自分自身を深くまっすぐに見つめなくちゃね。

https://youtu.be/rpjzaZn4_V0

アカデミー賞ではどんな賞を取ってくれるかな。楽しみだ。
それにしても、外国人はどこをそこまで評価してるんだろう。


アイネクライネナハトムジークがエ~ガね

『アイネクライネナハトムジーク』という映画があった。このタイトルは確か…モーツァルトの「小夜曲」のことだったかな。恋愛映画の苦手なわしはコレを観てなかった。

DVDで観て…思った。出会いを描いているが、いわゆるフツーの恋愛映画とはちょっと違う。俯瞰というか、人間を広く捉えていて…わし好みだった。

原作は伊坂幸太郎なので読んでみた。なるほど、いいね。他の「フィッシュストーリー」などとは傾向が違うようだ。

原作にこんな表現があった。
「意志や感情を超えた、ごく自然に顕(あら)われる温かみに、戸惑いすら覚えた。その、母なる彼女の視線により、赤ん坊の寝顔がさらに穏やかになるかのようだ。」
いいね。わしもそんなふうに感じることがある。

原作と映画では情報量も違う。同じにはできない。どこを削るか、どこをくっつけるか。
映画を観てから原作を読んで、もう一度映画を観た。微妙な違いを嚙みしめた。わしの頭の中で映画と小説がいい感じに混ざり合ったのだ。

小説のまま映像にしても映画にはならない。短編連作だしね。映画的に終わらせないといけない。
『アイネクライネナハトムジーク』の監督は今泉力哉で、映画での主演は三浦春馬と多部未華子。他には貫地谷しほり、原田泰造など。音楽には斉藤和義が加わっていた。

思いやりがいっぱい詰まった作品だった。今度、「小さな夜」を唄ってみよう。
https://youtu.be/YNu6ssYjrAw

でも、あの彼はもう…いないんだよね。

花束みたいな恋をしたってエ~ガね

わしにとって、この手の恋愛映画を映画館で観るのは初めてかもしれない。ラストになって、これは映画なんだと気づいた。ま、それくらい…ごく普通のカップルの現実の自然な姿だった。

『花束みたいな恋をした』を観るよういってくれたのは美容院で会った人。主演は菅田将暉と有村架純。わしはふたりともファンだった。でも、脚本も監督も、まったく何も知らないで観た。わしにとって、そんな観方は珍しい。

映画は明大前駅から始まり、甲州街道を通り、おそらく京王線のどこか。普通にカラオケや夜の店が出てくる。
中で、たくさんの小説家とかの名前も出てくる。音楽もだ。サブなカルチャーてんこ盛り。重要なアイテムなのだ。でも、わしはほとんどわからなかった。これには驚いた。

映画が終わったとき、わしは今、自分がどこにいるのか…新宿か調布か吉祥寺か、一瞬わからなかった。軽いパニック? 心を持っていかれた? わしにとって、こんなことは…きっと初めてだ。
住居とかの表側からの外観が出てこない。よって、余計に自分の日常の切り取りに感じてしまう。ということかもね。

https://youtu.be/cFrBhxMpMwk

オリジナル脚本は坂元裕二。監督は土井裕泰。
わしは吉祥寺で観たのだが、やはり女子高生風の人が多かったな。オジサンはわしだけだったかもね。マスクに感謝?

これまでこの手の映画を観てこなかったのは、身近に起こりうることをわざわざスクリーンで観たくなかったからだ。と、いうことだろうな。
『はな恋』はおもしろかったというより、人さまの個人情報を共有してしまった、というくすぐるような感覚が新鮮だった。

モラトリアムなままでは生きていけないのか。
個人と社会。趣味=カルチャーとどう向き合うべきか、という大きな問題があったが…あえて、ここでは触れない。


ばるぼらがだるくてエ~ガね

愛の中に狂気があり、狂気の中に理性がある。ニーチェだったかな。

[虫プロ]が倒産したとき、手塚先生はビッグコミックで「ばるぼら」を連載していた。休載されるのではと気になったが…そんなことはなかった。もっとも、そのときすでに手塚先生は社長を辞めていたしね。でも、マスコミは手塚治虫は終わった…みたいに報道していたなぁ。

とにかく、わしは連載中から「ばるぼら」を読んでいたし、単行本になる度に読んだ。つまり、熟読していたのだ。

手塚眞監督によって、それが映画化された。彼の映画は8ミリ時代から観ている。お父さんが紙で映画を創った人だとすれば、彼は8ミリフイルムでマンガをつくった人かも…なぁんて思っていた。アニメという意味ではなくてね。

さて、映画『ばるぼら』だが、原作を読まないで観るほうが幻想の中に墜ちていく感じを楽しめるかもしれない。そんな気がした。観てから読むをお薦めしたい。

映画の雰囲気は思っていた以上に原作と同じで、けだるく退廃的だ。よくぞここまで…と思った。もともと手塚マンガには暗い明るさがあると思うのだが、そんな原作の深層までを実写映像にしてるかもしれない。さすがにDNAでつながってるんだな。
撮影はクリストファー・ドイルで、彼の力も大きいんだろうな。音楽もよかった。

創作上の苦悩。精神的迷宮。クリエイターなら誰でも、ばるぼらのような存在を求めているのかも…ね。

観終わったときの印象は…内容は原作とほとんど同じなのに、何かが少し違った。
恋愛要素は強まっているものの…原作にあった「それでも彼の作品は残るのだ」という要素が弱くなっているせいかもいれない。わしの中では「ブラック・ジャック」の「絵が死んでいる」という話に通じると思っていたからね。

それは路上のチラシでわかる? なるほど、それだけ映画になっているということかもしれない。
とはいっても、原作を超えたかといわれれば…正直、わからない。比べられるものでもないだろうしね。でも、手塚マンガ原作の実写映画化で初めてそこまで迫ったんじゃないかな。
一般向け娯楽作とは少し違う気もするけど、父が遺した作品を継いで…眞監督はしっかりと自分の道を歩んでるんだな。

ミューズか悪魔か…不思議なばるぼら役の二階堂ふみだが、わしはデビューの『ガマの油』からの大ファンだ。誰かが感性のバケモノとかいってたなぁ。
野坂昭如や三島由紀夫がモデルかもしれない美倉洋介役は稲垣吾郎。原作が発表された年に生まれたという。『13人の刺客』『半世界』など、役者としての彼もダークで品があって好きだな。

今回の美倉はどこかロック(間久部録郎)みたいだったから、これからも手塚マンガ原作の実写に出ればいいんじゃないかなぁ。たとえば「バンパイヤ」とかね。「どろろ」や「アラバスター」も眞監督につくってもらいたい。

https://youtu.be/y2vKPj8gxkA


そういえば大昔、新宿歌舞伎町に[ばるぼら]って店があった。そこのママさんもきっと…手塚マンガのファンだったんだろうなぁ。

どーでもいいことを思い出した。昔、宝塚市の[手塚治虫記念館]の展示を観ていたら、「一緒に写真撮らせてもらってもいいですか?」と声をかけられた。はぁ?というと「眞さんですよね?」とのこと…。やれやれ(笑)。



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