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死刑にいたる病が怖くてエ~ガね

『死刑にいたる病』が忘れられない。白石和彌監督の作品はどれも怖い。あまりにも怖くて忘れられないのだ。










孤狼の血LEVEL2が怖くてもエ~ガね

うなされるかと思うほど怖い映画だった。『孤狼の血LEVEL2』のことだ。
役所広司が出た最初の『孤狼の血』も恐ろしいほどの迫力だったが、今回のオリジナル続編はとにかく…怖い。

柚木裕子の警察小説が原作らしい。広島の暴力団の話だ。監督は前作につづいて白石和彌。
前作でサブだった松坂桃李が今回の主役。この世界では闘うヤツしか生きられないのだ。

相手側に鈴木亮平扮するヤクザがいる。コイツがムチャクチャ…怖い。アイスピックで突き刺したり、「とん、とん、とーん」とかってあたり。あのときのあの若者の表情。つくりものの映画だとわかっていても怖かった。

彼のように生きたら…ああなってしまうのかもしれないな。そう思える自分も怖い。
ウダウダいうのもたいぎいんじあぁ!

https://youtu.be/1ZBPdi0TU9k


罪の声を聴くもエ~ガね

緊急事態宣言が発出中だ。映画館はやってない。店では酒も出ない。中山道のつづきも歩けない。
効果ある? 5/11まで? 延長するんじゃない?

気が重くなりそうな中で『罪の声』を観た。重い映画。もちろん、DVDでだ。
遠い昔の話。過去を掘り起こして何になるんだろう。そんなセリフがあったな。

実際にあったことかと思ってしまうほどだった。50歳以下くらいの人ならそう思うだろうな。でも…綿密だが、これはフィクションなのだ。

わしは原作を読んでいないが、塩田武士の「罪の声」だ。35年前の未解決のままに終わった…あの“グリコ・森永事件”。“キツネ目の男”が話題になった劇場型犯罪だった。
そこから着想を得て、小説としてこうだったんじゃないの?と再構築したものらしい。

知らないほうがよかったこと? あるべきものが奪われる悲しさ。辛い…。
地味な映画だ。犯人を見つけるだけじゃない。その奥にあるものを見つめるのだ。松本清張的だね。

フィクション映画だが、実際にこういうことだったのかもしれないと思わせる。声が囁く。あの“声”の主が不幸になっていなければいいが…と祈ってしまった。

主演は小栗旬と星野源。ある種のバディ映画。脚本が野木亜希子で、監督は土井裕泰なのだ。

https://youtu.be/LtgddsC92LM

『罪の声』は遠い昔の話なんだろうか。そうは思えない。わしは感動した…。
エンディングに流れたUruの「振り子」もよかった。ピッタリ合うものは美しいね。



それにしても、3ヵ月後のオリンピックはどうするんだろう。都の1日のコロナ感染者が1000人を超えてる。
撤収モードじゃない? できるわけないじゃない。未来人は…今をどう振り返るだろうね。


すばらしき世界がすばらしくてエ~ガね

『すばらしき世界』がよかった。『ゆれる』『ディア・ドクター』の西川美和の監督作だ。
佐木隆三の「身分帳」を原作…いや、原案にしている。人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした三上正夫(役所広司)の再生の物語。社会復帰だ。

西川監督の作品は微妙で…深い普通なところを突いてくる。俳優陣が皆、ドキュメンタリーのように自然だ。それぞれの場面をひとつひとつ、丁寧に撮っている。説教臭くはない。

人は誰でも心にトゲを持って、それを丸めて…飲み込んで生きている。三上にはそれができず、吐き出す。子どもみたいだ。狂気と善意性。

きっと、彼はこんなふうにしか生きられなかったんだな。タイトルが出てきたとき、それが…刺さった。観終わった後、普通のすばらしき世界を考えつつ、刺されたままの状態で新宿の街を歩いた。
西川監督って…人間表現が丁寧。かわいい顔してこんなのを突きつけるんだもんなぁ。

https://youtu.be/fBmHNlypE1E

映画化されたことで、佐木隆三の「身分帳」が文庫で再版されたという。映画の時代設定よりも古いようだが、読んでみよう。


検察側の罪人を考えるもエ~ガね

知り合いから『検察側の罪人』がよかったといわれた。わしは人から薦められると必ずその映画を観る。自分好みの映画ばかりだと偏ってしまうからだ。
観る直前になって…薦めた人は熱狂的なキムタクファンだと知った。心配になった。ファンならどんなデキでもよかったというだろうから。

しかし、監督は原田眞人だ。『駆込み女と駆出し男』『日本のいちばん長い日』『関ケ原』が好きだった。原田監督ならハズレはない気がする。そう思って…観た。

https://youtu.be/wzvmvESzuv0

公開中なので内容には触れられないが、許される範囲で書いておこう。何さま発言をお許し願いたい。

オープニングのクレジットデザインが美しい。シンメトリーの都会の風景に引き込まれた。

木村拓哉ことキムタク扮する最上はベテランのエリート検事。二宮和也ことニノ扮する沖野が若手検事で、タイトル通りに検察側の罪人を描いている。

法を越えて裁きを下す『イコライザー』という映画があったが、それに通じる。『黒い警察』というのもあったな。いわゆる、ダークヒーローものにある自警。テレビ時代劇の「必殺」ものの構図だ。
検察側の正義とは何か。正義の名のもとに個人が罰を下すことが許されるのか。そういう犯罪映画だった。

『シン・ゴジラ』の影響もあるのか、『関ケ原』では早口のセリフが聴き取りにくかった。『検察側の罪人』でもそれがいえる。字幕がほしいと思った。ときに小声だったりもするし。でもそれがドキュメンタリーのようなリアル感を出している。

キムタクは新境地を開拓したかも。最上に感情移入できるかが問題なのかもしれないが…。
最上側で観るか、沖野側で観るか、吉高扮する橘側で観るか。あるいは…。
キムタクもニノも吉高由里子もよかったが、脇のウサン臭いオッサン連中が特によかった。その中でも、被疑者の松倉を演じた酒向芳はキョーレツな印象を残す。特筆に価すると思った。助演男優賞ものだろう。

キムタク主演の映画では『武士の一分』があった。わしはテレビがないのでよく知らないが、ドラマの「HERO」は若手検事役じゃなかったかな。そうか、もう若手でもないんだなぁ。
ニノのほうは『硫黄島からの手紙』が印象に残ってる。『青の炎』も観たな。
わしは俳優で映画を観るということは…あまりしない。監督で観るほうが多い。多分、あくまでも作品として監督的な視点で映画を観ているんだろうと思う。

原田監督を知ったのは『ラスト・サムライ』だった。俳優として出ていた。
今、雫井脩介の原作を読もうか迷っている。『関ケ原』では独自の解釈で原作の小早川に味付けしたように、原作の「検察側の罪人」のどこをどう変えたのか…興味がある。
政界のことやインパール作戦など記憶の源流ともいえる部分は原田監督が加味したんじゃないかな。原作はもっとストレートだという気がする。

映画はある意味、監督との闘いだ。想像を強いる作品だったので、わしもフル回転で考えた。これは映画用のラストであって、原作では違うだろうというのは想像がつく。
今はCG技術があるんだから、若いときの映像をつくることもできたのでは…とか、実はいろいろと考えた。これがわしの映画のたのしみ方なのでカンベンしていただきたい。岡田准一と池松壮亮でやったらどうなっただろうなどと想像してみたりもした。

結論として、映画『検察側の罪人』は確かによかった。
ただ、キムタクとニノを使ったことによってトクをしたのかソンをしてるのか。そりゃ、このふたりのファンは観るだろう。でも、肝心の一般の映画ファンはアイドル映画だとケイエンするかもしれない。彼らが主演だから観ないという人もいるだろう。
だとしたらモッタイナイ話だ。汚れた正義というか、しっかりと社会派映画になってるのになぁ。

それにしても、検察庁とか検察の仕事というのは…アタマのわるいわしにはとても難しい。


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