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君たちはどう生きるか問われるもエーガね

公開初日に『君たちはどう生きるか』を観た。

説教アニメかと思ってた。ぜんぜん違ってた。観客がいっぱいで驚いたよ。予告で見せないのはよかったね。

宮崎アニメで一番好きかもしれない。アートになってると感じるからだろうね。
いや、一番は『ルパン三世・カリオストロの城』かな。上映時、観客は5人だけだったけど(笑)。大塚康夫はいい仕事してたな。

宮崎駿の名前を知ったのは…高畑勲監督の『太陽の王子・ホルスの大冒険』だった。動画だか原画として出てたね。組合活動で奮起したんだろうな。

この頃のことをNHKが朝ドラにしたことがある。DVDになってないのかなぁ。「夏空」だったか、広瀬すずが主演だった。誰か教えてほしい。

多くのスタッフが虫プロに移籍していく中で、高畑監督たちとともに東映動画に留まったんだよね。そのために、宮崎監督が世に出るのが10年遅れたんじゃないかな。

NHKテレビでの『未来少年コナン』はとてもよかった。あれで、宮崎ここにありって示したよね。

徳間社長が鈴木敏夫を雇って、宮崎駿とつながった。『風の谷のナウシカ』では、ジブリはまだできてないんだよね。40年くらい前かな。皆、奮闘してたな。あの成功からだよね。

日本テレビのおエライさんともつながり、ジブリ作品が放映されるようになっていった。

『天空の城 ラピュタ』では…「ラスト15分がおしいね」と虫先生にいわれたんだよね。
『となりのトトロ』のとき、F先生から「観た? よくできてるよね」といわれたなぁ。

今作のタイトルは吉野源三郎の小説から借りてきたんだろうけど、それとは別のナンというんだったかな、「不思議の国のアリス」みたいな話。あっちにちょっと近いかもね。今まで出会った人とかがモデルなんだろうね。

監督は伸びやかな境地で過去と未来を観てるのかな。今の心境。それを強く感じた。

「生きろ」でも「生きねば」でもない。
『君たちはどう生きるか』の前半は…出だしは特によかった。
いや、後半…クセも、ちょっと怖いところもよくわからんところも含めて、宮崎アニメぽくてとてもよかった。最終到達点かもしれない。いろいろと思い出させてくれたしね。作画監督の本田雄もがんばったんだろうな。

ともかく、宮崎…いや、漢字が変わった宮﨑駿監督が82歳でアート作品を創れたこと、それが何よりすばらしい。

https://youtu.be/vwwM_xMhp9k




シン・エヴァンゲリオンを観るもエ~ガね

西荻窪で仕事仲間と呑んだ。映画の話をした。
驚いたことに、その人は『明日に向かって撃て』『スティング』『ゴッドファーザー』等々しか観たことがないという。確かに名作だけど…。

そんなんだから、当然『シン・エヴァンゲリオン劇場版』も彼は知らなかった。語ろうとするわしを…どうでもいいようにあしらった。この業界にいるのに? わしより若いのに?

とはいえ、わしにもこの映画のことは…腑に落ちないところがある。だから、書けなかった。

わしは…最初の「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビアニメは熱心に観ていなかった。だから、DVDで映画の『:序』『:破』『:Q』の3本を観てから映画館に行った。

圧倒的なスケールの映像に驚き、心動かされた。でも、わしはよくわかっていない…気がする。巻き込まれ、突き動かされただけかもしれない。
わかりやすく大団円になっていたという声は聞かれるが…。いや、実際そうだとは思うのだが…。
わからないけど…わかる。そんな感覚だった。

父親に愛されないシンジ。子を愛せない親のゲンドウ。子どもに大役を任せる大人。壮大な親子ゲンカか。そこにはイビツな親子関係がある。
キャラが多い。ロボットのエヴァに乗る戦士たちも、女性が多いんだよな。戦友たちが戦っていると、言葉は聴き取れないし、激しく動くから誰だかわかりにくい。などと思うのはきっと…ヤボなんだろう。

ミサトもアスカもよかったが、わしとしてはアヤナミレイ(仮称)が特によかったな。心に沁みた。ポカポカする。あ、それはテレる。セツない。
彼女の田植え姿が忘れられない。あの第3村だが、絵を描くために実際にミニチュアを作ってるんだね。特撮みたいに。

実写みたいにリアルだよね。でも、特撮的だね。『シン・ゴジラ』の影響もあるのかな。
逆に、『ラブ&ポップ』など実写映画では軽さを感じたりもした。実写とアニメの境界壁はさらに薄くなった。そうか…実写映画ではカメラを動かせるが、アニメでは絵を動かすしかなかったか。

現実にあるもの、ないもの、過去にあったものがゴッチャになっていたりする。奇妙な世界だった。
それにしても、“使徒”とは何だろう。アダムとエヴァ? 裏宇宙? 人類創生に関わるような説明はあった気はするが…よくわからない。ちゃんと観てないんだろうな。

脳の…普段使っていないところで観ていたのかもしれない。キャラは皆、病的なほどに細い。身体のラインがセクシーだ。貞本義行の絵がベースなんだろうか。
絵でいえば、昔のテレビ版に比べて…いや、1作ごとに洗練されてる。恐ろしいほどの情熱。狂気を感じた。

オタクの極みである庵野秀明総監督による壮大な自主SFアニメ映画だった。観る人を選ぶ映画かもしれないけど、歴史的な公開であったことは確かだろうね。記録されるだろうな。もしかすると興行収入100億まで行くかもしれない。

この50年でロボットアニメも…いや、アニメそのものがずいぶんと変わった。でも、わしはそこまでのオタクにはなれてないんだろうと思う。
魂の共鳴…くらいでないとダメなんだろうな。巻き込まれながらも中途ハンパな自分を感じた。わしは…先述の興味を示さなかった人と熱狂的マニアとの中間にいるのかもね。

庵野監督は今日、新宿の劇場で挨拶するんじゃなかったかな。

https://youtu.be/z1klJIyx060
https://youtu.be/3tyYvoIlroM
https://youtu.be/L0f6m-8i660
https://youtu.be/_6_n8KlEqjc

鬼滅の刃もエ~ガね

ほぼ初日に『鬼滅の刃 無限列車編』を観た。アニメーション映画だ。

「少年ジャンプ」のマンガ? テレビアニメにもなってた? わしはこの映画に対する知識がまったくなかった。原作者はもちろん、タイトルもいえないくらいだった。

大正時代? 時代劇かと思ってた。鬼を殲滅する物語? あ、大正時代も時代劇か。大正版桃太郎なのかもね。

無限列車編? あ、途中のひとつのエピソードなのかな。
列車内という限られた空間の中で…というのは映画ではよくある。例えば『新・感染』とかね。

きっと、過去に…鬼によって家族が惨殺されたんだな。だから、主人公は鬼を殲滅しようとしてるんだろう。
妹は「指輪物語」のゴラムのように…鬼と人間の間をさまよっているのかな。彼女を人間に戻そうとしてるとか?

観る前に予備知識が必要かと思ったが、たとえばハシラとかって言葉にしても…想像で補うことができた。いや、できたかどうかはわからない。想像する分、よけいに楽しめたと思う。何も知らなくて観てよかった。

キャラたちは韓国ドラマのように涙を流す。ジャンプの“友情・努力・勝利”が息づく…熱血アニメだった。パッションの塊。感動した。涙が出た。声優陣も力入ってるねぇ。

ダークファンタジーだけど、キャラは基本的に明るい。人を思いやる温かさがある。翻弄されながらも意志を貫く。愛のためなら自らの命も惜しまない。これがこの作品の魅力じゃないかな。

かなり陰惨な場面もある(だからR12)かと思えば、キャラがギャグ調になったりする。ブキミさとカワイさのバランスが絶妙というか、ユニークだね。こういうのは昔の手塚マンガのヒョウタンツギにも通じるのかな。「どろろ」を思い出したしね。

背景はリアルで人物だけは浮世絵のように平面…というのは、たとえばピクサーの作品とかに比べると違和感もある。でもこれが日本の…日本らしいアニメなんだよな。

西洋のマンガは洋書開きでセリフは横書きだ。日本のマンガは開きが反対で縦書きになる。アメリカ人が「日本のマンガはエキゾチック!」といってた。背景が立体で人物が平面的というアニメに対しても…同じように感じるかな。煉獄さんはどこか歌舞伎を思わせるしね。

『鬼滅の刃』を観て一番感心したのが人物の線。Gペンのように強弱がある。アニメなのに紙のマンガに近い。そこがおもしろいと思った。
絵を描かない監督の高畑勲が、絵コンテのままの線でアニメをつくったことを思い出した。

日本は八百万(やおよろず)の神…アニミズムの国で、そこからアニメーションという言葉が生まれた。中国のリアルな兵馬俑に対いて、日本の埴輪はキュートだったりする。やはり、日本はアニメの国なのだ。

にしても、最初はかぶりものだと確信持てなかった伊之助だけど、ほんとの顔はどんなんかな? 気になる(笑)。

https://youtu.be/qHUpPzDVv7g
原作/吾峠呼世晴 監督/外崎春雄 キャラクターデザイン/松島晃

不思議な原作者名だけど、女性かもしれない。母性本能を感じる。男性は客観的に感じたりもするが、女性は主観的だったりする。
紀貫之とか…昔は男が女性になり代わって書くということがあった。今はその反対が見られるのは興味深い。発表が少年誌だからという理由だけではない気がする。

原作マンガは未読だが“オニ”とはなんだろう。もちろん、アニメの姿がすべてだろうが…作者の中のどういう思いがあの姿に具現化させたんだろう。その深層が観客につながっているような気もする。

「炎(ほむら)」といったかな。エンディングロールに流れたLiSAの歌声がよかった。闇の中の光の声みたい。カラオケに挑戦してみよう。

劇場は大丈夫かと不安になるほど超満員だった。でも、映画館に観客が戻ってきたことは素直にうれしい。


天気の子になるもエ~ガね

京アニの惨事…。何であんなことが起こるんだ。何であんなことができるんだ。誇大妄想か…。悲しい。くやしい。


そんな気持ちを抱えたまま、吉祥寺で新海誠監督の『天気の子』を観た。
驚いた。満席だった。いつ行っても何を観ても、吉祥寺は空席がいっぱいなのに…。公開初日の最後の回だったが、青年から中年くらいの年齢の客がいっぱいだった。期待の高さだろうな。

わしは内容を何も知らないで観たが、制作陣の凄まじいほどの情熱に圧倒された。ここで回り込むかとか、街並みにしても細部まで、とてもリアルに緻密につくっている。熱い思いが伝わってきた。あそこまで丁寧だと観る側も悪くはいえないだろう。

今年の梅雨はよく降る。東京は雨がつづいている。『天気の子』はある意味、雨が主役みたいなところがあって…すごい。雨粒のひとつまで生きていた。
いつまでも梅雨が明けない東京に…タイムリーというか、今の季節に合ってる。ま、合わせての公開だろうけど。

わしは天候に興味があるし、天気図を観ることも好きだ。だから、この映画が嫌いじゃない。
でも、『天気の子』は賛否両論になるかもしれないな。前作の『君の名は。』のほうが好きという人は出るだろうな。と、そんなことも思った。

どちらも不思議な話だが、『君の名は。』の舞台は長野の架空の小さな町だった。監督の郷里をイメージさせる…その土地の空気感や光の表現が好きだった。
それに対して、今作は東京。新宿がメインみたいだが…東京は広い。舞台が大きくなった分、お話も広く散漫になったということはないかな。2作は神道がベースにあり、一見似ているようだがかなり違う気がする。ファンタジーだが、今作は現実的だ。

『ほしのこえ』のときは新海監督がひとりでつくったので…キャラも何もかも監督の絵だった。監督が自分ひとりの“思い”を形にして発信したものだった。

今作は(前作も)各方面のプロフェッショナルが集結して、ひとつの大きな作品をつくっている。キャラクターデザインなども監督のイメージに合わせてつくられたものだろう。だからこそ多くの人が喜ぶものができるんだろうけど、わしにはキャラの判別が難しく、感情移入しにくいと感じたところもあった。周囲がリアルであればあるほどキャラが“絵”だと感じてしまうというか…。キャラがなぜそう考えそう行動するのかとか…。

恋愛的要素もあるわけだが、そこに男(主人公)の身勝手なものを感じたりもした。
誰かが救済と恋愛が同時進行していると指摘していた。そこに監督の恋愛観があるのかもしれない。興味深い。

監督は…前作より大作にしなくちゃと、ちょっと無理してない?と、思ったところもあった。あるいは、前作が成功したことで自由になり、あえてそのことへの挑戦でもあるのかな。
もちろん『天気の子』が嫌いじゃない。自然描写に気持ちを託す場面が好きだが、もしかすると、もともと新海監督は小さな作品のほうが似合うのかもしれない。『天気の子』が陽だまりのような小さな作品ならわしはもっと好きになったかもしれない。と、そんなことも思った。


わしの子ども時代の遊び場は神社だったし、父親が神道の人だったこともあり、映画の設定に親しみを持った。
近くに物部神社があり、親がサカキだかシビキで飾り付けをする様子を見ていたというだけだけど…。
近年、そういう研究をしている友人がその神社に行ったと知らせてくれて驚いたものだ。
廃屋となったわしの生家まで見つけたらしい。その友人とは遺跡めぐりをしたものだ。
映画に光の水たまりという表現があったが、東京での神社はそんなイメージだろう。
わし自身が忘れている遠い記憶の中に神社があるのかもしれない。
エネルギーあふれる…巫女がキーワードの神秘の世界。

ともかく、『天気の子』はエフェクト…つまり、雨と雲と光がすばらしい…!
そんなことを思いながら、どんよりとした空を見上げるネコ爺じゃ。梅雨明けまであと5日かのぅ。

https://youtu.be/VGksHFs04Rc



若おかみは小学生!だってエ~ガね

釣り堀わきで小走りの師匠とすれ違った。わしが「F先生!」声をかけると「ごめん。今話せないんだ」とのこと。わしは「心配してました。よかった。お元気だったんですね!」という。目覚めて…気づいた。もういないのだと…。不思議な現実味のある夢だった。

そんな夢を見たのもこの映画を観たせいだろう。
わしは人から薦められて観ることが好きだ。食指が動かないこともあるが…それでも観る。すると、どうして薦めてくれたのかがわかる。たいていの場合、観てよかったと思う。
このアニメ映画もそうだった。『若おかみは小学生!』という。

https://youtu.be/04lEsanpViI

映画が公開されていたときに「観るといいですよ」といわれた。でも、観なかった。
わしは映画チラシの淡い色調の水彩画が好きだった。もしかすると、あれは高坂希太郎監督の絵なんだろうか。でも、実際のアニメではクッキリハッキリした鮮やかな絵になり、いかにもお子さまアニメで…それが気になったのだ。
かつて、高畑勲監督は淡い色調のコンテ絵のままでアニメをつくったことがある。いわゆる背景動画で時間がかかりすぎるから、普通じゃできないことはわかってるけどね。
一番気になったのは主人公“おっこ”の黒目が大きすぎること。他のキャラと黒目の大きさが違いすぎるじゃないか。違和感があった。

それをレンタル屋でDVDを見つけて…観た。
よかった。笑って…泣けた。2回観た。2回目も笑って泣けた。
「細腕繁盛記」の子ども版?みたいに思っていたが、かなり違った。“おっこ”という普通の女の子の成長物語。その子のがんばる姿がいじらしく…よかった。仲間たちがよかった。神楽の場面もよかった。携帯が出てこないのもよかった。
何も知らないで観てよかったので、内容についてはこれ以上…語らない。

わしは原作の「青い鳥文庫」を知らなかった。『若おかみは小学生!』の原作は令丈ヒロ子で、そのイラストが亜沙美。そのイメージを大切にしてアニメ映画をつくったんだってことが…今になってわかる。とても丁寧につくられている。そうか…昔、試写会で観た『茄子 アンダルシアの夏』の高坂希太郎監督だったのか。今ごろ気づいた。
とにかく、観るように薦めてくれた人に感謝。

この映画は誰も拒まない。どんな人でも受け入れる。
鮮やかクッキリの絵柄は子ども向けぽいけど、子どもに観せても大丈夫な大人のアニメかもね。
かわいく切なく…泣けて笑える。これは家族で観るといいアニメ作品だと思う。子どもの日に観賞するのが最適かもしれない。


余談だが、『若おかみは小学生!』観賞後に家入レオの「Shine」を唄いたい気分になった。
それにしても、都会の空にこいのぼりを見なくなったなぁ。と思っていたら、アーケード商店街の天井でたっくさん泳いでいた。何だか…うれしくなった。

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