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すずめの戸締まりもエ~ガね

結婚式はするのに離婚式はしない。知らせも来ない。だから、それを知らないで勘違いすることがある。
遊園地とかも始めるときは神主を呼んで祈禱の儀式をする。それなのに、つぶれるときは何もしないのだ。新海誠監督もそういうことに疑問を感じていたんだろうな。

わしは中山道を歩いているが、昔は栄えていたんだろうと思える寂れた町もたくさんあった。アニメを観て、そういう思いも引き出された。町が哭いていたかもね。

『すずめの戸締まり』というタイトルに、ほのぼのと民話の日本昔話調を感じていた。いい意味で裏切られた。そうか、すずめは鈴芽…なんだね。

廃墟となっている場所の扉を閉じていく。そこから災いが出てくるから鎮めていくのだ。廃れた地を鎮めていくという意味でのすずめかと思ったが、監督によればアメノウズメノミコトからの命名らしい。だから岩戸鈴芽なんだ。

師匠の「ドラえもん」の“どこでもドア”を思い出した。でも、パロディなんてもんじゃない。
椅子には「ニモ」を思い出したが、アニメのコミカルさを出したかったんだろう。
天童荒太の「痛む人」も思い出したな。

災害…いや“喪”のアニメだ。出だしから激しい動きもあり、驚いた。画面も大きくなった。音楽もいい。こりゃ…大作、熱のこもったすごい映画だ。

わしの父親が神道の人だった、というか自然崇拝者だった。だから、影響を受けてるわしにもよくわかる。悼むアニメに共感した。昨日があり、明日がある。深く…冷酷なまでに美しい。
でも、一番驚いたのは今の多くの若い人たちに理解されるアニメになっているということだ。これはほんと…すごいことだ。

正直、これでいいのかと思うところはあった。でも、そういうところも含めて、エネルギッシュに包み込んでいくのだ。
画像が実写に寄りすぎなところもあったが、とにかく作画スタッフの力が…熱が入ってる。

新海誠監督のアニメは…ひとりでつくった『ほしのこえ』から見ているが、こういうアニメが作れる時代になったんだな。
プロデューサーの力も大きいんだろうな。ほんと…つくづく思う。

https://youtu.be/FVU0zESXS5c

25分の『ほしのこえ』を観て、プロデューサーはこの人に映画をつくらせようと思ったんだろう。大作映画なんてできないといわれたかもしれない。アニメのプロを雇えばいいんだよと口説いたかもしれない。自分が思うような…信じる映画をつくればいいんだよ…と。

『すずめの戸締まり』に「大事な仕事は、人からは見えないほうがいい」というセリフがあった。プロデューサーたちの見えない仕事ぶりを思う。


名付けようのない踊りもエ~ガね

確かに、古代では話すより前に踊りがあったのかもしれない。踊りは言葉が生まれるのを待っていたのか。

『名付けようのない踊り』を観た。彼の中にどんな思いが去来するのだろう。永遠は瞬間の中に宿るのか。1秒は彼の中では100秒かもしれない。

彼…田中泯を初めて観たのは『たそがれ清兵衛』だった。真田広之と闘ったあの存在感。ダンサーと紹介されていたが、どんな踊りをするのだろう。

それを初めて、犬童一心監督のドキュメンタリーでだが、とにかく…観たのだ。独創的な“場踊り”をだ。

泯のこども時代。彼はそれを「私のこども」と呼ぶ。監督はそこに『頭山』の山村浩二のアニメをあてていた。よくできてる。

今の物に興味はないかとの問いに「考えにはあるが、物にはない」と応えていた泯。効率性に支配されることを否定しているのだろう。圧倒的な存在感…。五感が目を覚ます。

何といおう。『名付けようのない踊り』を何といえばいいのだ。

https://youtu.be/ELXE7PGOBT8

わしも田舎に住もうとしたことがあったなぁ。

JUNK HEADがキモカワでエ~ガね

井の頭公園の桜は今が最盛期。
[アップリンク吉祥寺]で『JUNK HEAD』を観た。ブキミでキモくてカワイクて…よかった。

堀貴秀監督によるストップモーションアニメだ。1コマずつ撮影して、制作に7年かかったという。
『ほしのこえ』の新海誠監督もそうだったが、ひとりで創るという…その創造性と情熱量がすばらしい。いや、もしかすると…ひとりだからこそできたのかもしれない。

堀監督は好きな映画として『不思議惑星キン・ザ・ザ』をあげていた。わしも好きだ。好みが近いということだな。

楽しい。キャラのセンスのよさ。カメラワーク。ディストピア感にあるトボケた笑い。わしはCGより好きだ。
この手のものはデスクワークぽいこじんまりした作品になりがちだが、ずいぶんと空間に広がりがある。グレードも高い。

あまり内容は書けないが、環境破壊によって人類は生殖能力がなくなったらしい。独自に進化した地下生命体を調査するSFなのだ。

https://youtu.be/H9IhR00WF0c

劇場にキャラ人形が展示されていたので、撮影してインスタグラムnekonekogにアップした。
東京の3館に分けて展示してるらしいので、すべて観に行くとしよう。

今夜、ロマンス劇場で語るもエ~ガね

記憶は確かじゃないけど、淀川長治さんが「私はいまだかつて嫌いな人に逢ったことがない」という本を書いていた。
淀川さんが旅館の露天風呂でその筋の怖い人に出会い、「嫌だな」と思いつつ…恐るおそる「どんな映画が好きですか」と聞いたら、好きな映画のことをうれしそうに話してくれたという。そんなことがその本の中に書いてあったような気がする。

どんな人でも好きな映画のひとつやふたつはあるものだ。そして、その映画からその映画を好きだといった人を知る…ということもあると思う。

理解したいけどほとんど話さない人がいて、その人が「好きな映画だ」といったのが『今夜、ロマンス劇場で』だった。
だから、これを観ると何かわかるかもしれないと思って…観た。










陽だまりの彼女を観てもエ~ガね

思いがけない映画に出会った。西荻の居酒屋オヤジに、わしが推薦した『ぼくのエリ 200歳の少女』を観た感想を聞いたら「『陽だまりの彼女』を思い出した」と応えた。なので、それを観てみた。オヤジ好みだから当然、恋愛ものだ。わしはファンタジーと分類しておこう。

https://youtu.be/3RBmST_x9Sk

『陽だまりの彼女』の主演は松本潤と上野樹里。最近は若い俳優の名前がわからなくなったが、これくらいならわしも知ってる。
原作は越谷オサム? あ、女の子向けの恋愛小説かな。監督は三木孝浩? あ、『ソラニン』や『ホットロード』の人じゃないか。

その世界でそうなると、どうしてこっちでこうなる?…的な、よくわからない設定でもあった。魔女みたいな猫神みたいな婆さんとか…。すこし不思議…という意味ではSFでもあるかもしれない。原作を読めば、映画との違いとかもっとわかるのだろうが…今のところ、その気持ちはない。

ただ、その甘く切ない映画の世界に胸が熱くなった。この映画に出会えて…幸せに思う。

わしには大切に思う人がいるが、ヒロインとその人のイメージがダブった。正しくはヒロインの幼いころの役の人とだが…。胸が熱くなったのはやっぱり…そのことも否めないだろうなぁ。

やさしくなりたい。どこまでもなれる気がする。郷里が好きでやがては母国が好きになるように、彼女が好きでやがてはその人を生んでくれた親を好きになるように…やさしい気持ちに満たされたネコ爺じゃった。

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