fc2ブログ

画家と庭師とカンパーニュもエ~ガね

子どもの頃、“酋長”というマブダチがいた。田舎時代の思い出。彼が亡くなって…もう、20年くらいになる。
彼の家に行く道が『画家と庭師とカンパーニュ』の冒頭シーンにソックリだった。

この映画を教えてくれたのは誰だろう。数年前に知ったのだ。そのDVDをやっと見つけた。
わしはカンパーニュを植物の何かだと勘違いしていた。田舎という意味だったのだ。

ミニシアター系の地味なフランス映画。派手なCGなどもない。
夫婦問題もあり…パリから離れて田舎で暮らす画家。そこの庭を作業しに来る昔の友だちの庭師。庭師が画家の家に来るときはバイクだが、なぜかいつも子犬が追っかけてくる。

ときには画家の知り合いが来たりもするが、ほとんどはふたりのさりげない会話。画家“キャンバス”は絵を描き、庭師“ジャルダン”は花や野菜をつくる。ふたりの昔が回想で出てきて交差し…笑い合う。

絵と庭と田舎。いや、パリも少し。何でもないような『画家と庭師とカンパーニュ』だがほのぼのとよかった。監督はジャン・ベッケル。やはり、アメリカの映画とは違うね。思い出に乾杯!

https://youtu.be/4tc3S_KVc00

ビューティフル・マインドが美しくてエ~ガね

『奇蹟がくれた数式』を観て『ビューティフル・マインド』を思い出した。
思い出したが…内容が思い出せない。ラッセル・クロウが主役で、おもしろかったことだけは覚えている。
何ということだ。観たのは20年くらい前だったとはいえ、内容を忘れるとは…。
ウダウダ日記に書いたかどうかもわからない。

確認するために、『ビューティフル・マインド』のDVDを借りてきて観た。
そうだ。確かにこうだった、こうだった。おもしろかった。感動的だった。

ロン・ハワードの監督作で、天才数学者ジョン・ナッシュの半生を描いたものだった。奥さん役をジェニファー・コネリーが演じていた。
数学的なところよりも、幻覚が現実を襲う…みたいな場面がサスペンスフルでとてもおもしろかった。エド・ハリスもよかった。大好きな映画だった。

あぁ、それなのにそれなのに、内容を忘れていたってどういうこと?
情けない。あぁ、ショック。わしもそういう歳になったんだなぁ。

https://youtu.be/5Z8p9Dh7uaM


奇蹟がくれた数式が神秘的でエ~ガね

感染者何名とか、得票率何%とか、わしらは数字の中で暮らしている。

神秘的な映画を観た。『奇蹟がくれた数式』というインド人のラマヌジャンの伝記…。監督はマシュー・ブラウン。ロバート・カニーゲルが書いた「無限の天才 夭折の数学者 ラマヌジャン」が原作らしい。主演はデーヴ・パテール。

ラマヌジャンは数学の何かを解いたというレベルじゃなく、数学を創った側の人みたいだ。わしは彼のことを知らなかった。知ってたのは数学者ということくらい。
いや、DVDで観終わった今でも…具体的に何を研究した人なのかがわからない。数学は最も苦手な分野だ。なので、もう一度観ることにする。

https://youtu.be/e4UQrjlS6w8

「正しく見れば、数学は真理だけでなく究極の美を併せ持っている」というハートランド・ラッセッルの言葉から始まる。映画には崇高な祈りがある。

舞台は英国ケンブリッジ大学のトリニティカレッジ。そこに招へいされたラマヌジャン…。
近代数学では初めてのロマンに満ちた発見とか、数学における美しいパターンとかの言葉が出てくるが…わしにはさっぱりわからない。

でも、数字が神秘的で美しいというのはわしなりにわかる気がする。たとえば、2、3、5、7、13、17…という素数。神が創った数だといわれればそうなのかもしれない。
ギリシャ哲学の“イディア”を思い出す。カンペキな神の世界があって、人間はそれを模しているんだという…。

ラマヌジャンはひらめく。女神の声を聴くように、直観で数式を知る。天才とはそういうものだろう。でも、大学側はインスピレーションじゃだめだという。それを一般の人がわかるように証明できなければだめだというのだ。

わしらは日常、感覚的に物事を観て「いいね」とかいっている。でもそれは、これこれの比率、だから人はそれをいいとか美しいと感じることができる…とか、数字に置き換えられるのかも…。根底に数学的な何かがあるのかもしれない。
それを証明というか、分析して説明できなければいけないんだろう、という気もする。AIロボットにそれを教えることができれば…。
いや、それができないのが感覚でもあるんだろうか。

『奇蹟がくれた数式』を観て、そんなことを思った。この映画のことを教えてくれた人に感謝。好きな映画だ。

同じように数学を扱った映画として、『ビューティフル・マインド』『イミテーション・ゲーム』を思い出した。数学人には純粋でユニークな人が多いのかな。
邦画では『博士の愛した数式』というのもあったな。

アホネコのわしには数学はわからないが、併せ持つ美というものはどこかで理解できているのかもしれない。

ファースト・マンを思い出すもエ~ガね

あれから50年か。2時間以上ならんで“石”を観たら、道端のどこにでもあるような小石でショックを受けたものだった。そうかぁ。「大阪万博」で“月の石”を観てから…50年経つのかぁ。
いや、違う。厳密には…アポロ11号が月に行って、ニール・アームストロング船長が月に降り立ってから50年になるんだな。

アポロ11号が月面に着陸する様子。それを映し出すテレビを食い入るように観た。大人たちの中には冷めて観ることすらしない人もいて、こんなすごいことをどうして観ないんだろうと不思議だった。

“私には小さな一歩だが、人類には大きな飛躍だ…”みたいなことを船長がいってたな。用意した言葉だなぁと思ったものだけど、それも当然だ。言葉が歴史に残るんだもんな。あれから50年…か。

それを再現したのが、デイミアン・チャゼル監督の映画『ファースト・マン』だ。
https://youtu.be/nFhzZKvaPXs

これまでにも同じような映画があった。中には、実際には月に行ってなかったという設定の『カプリコン・1』というのもあったな。

『ファースト・マン』が新しいと感じたのは、アームストロング船長の視点で描いていること。家庭で子どもが亡くなったとか、初めて知った。船長のことを何も知らなかった。ただ、月面着陸の英雄だと思っていた。

もちろん、NASAが協力してるし、宇宙船全体像も出る。でも、多くは感情を抑えた…ライアン・ゴズリング扮する主人公側からの月面着陸ミッションで、全体よりも船内とかの部分を臨場感いっぱいに映し出す。どこか、昔のソビエト映画みたい…とも感じた。

ソビエトといえば、これは宇宙開拓を賭けたアメリカとソビエトの競争だったわけだ。だから、見切り発車的なところもあっただろう。燃料もギリギリで、着陸できても母船に戻れなかったかもしれない。地上では…飛行士たちが地球に戻れなかった場合のスピーチを考える場面もあった。実際、そうだったんだろうな。

宇宙船内は狭い。息苦しいほどの閉塞感。それは同監督の息をすることを忘れるほどだった『セッション』にも通じる。そこがドキュメンタリーのようにリアルだった。わしはそこが好きだった。

アームストロング船長たちは月に星条旗を立てていた。テレビを観ながら、“人類”といってるのにアメリカかよと思ったものだった。でも、映画『ファースト・マン』にはそのシーンはなかった。やっぱりね。

母船と着陸船でのコミュニケーションに齟齬が生じたという話を思い出した。地球にも月にも引力がある。つまり、母船が「上」というと、月着陸船にとっては「下」になる。立場によって反対になるので、互いに確認しあったという。おもしろい。そのシーンも映画にはなかったな。


女神の見えざる手に触れるもエ~ガね

最初、ヤな女だなと思ったのだ。ところが、ラストではホレた…。ジョン・マッデン監督による『女神の見えざる手』のMissスローンのことだ。

https://youtu.be/_TGuWZc3Mfo

ロビイストと呼ばれる戦略のプロたち。マスコミや世論を操作し、政権決定にまで関与する。それがロビー活動らしい。
アメリカでは大統領選やオリンピックの誘致などに、こういうプロが暗躍するんだろう。

銃規制法を可決させるか廃案か。そこにロビイストが絡む。007みたい。
戦略の天才…それがジェシカ・チャステイン扮するエリザベス・スローンだ。鉄壁なヒロイン? かわいくないどころか、冷血で腹が立つほど憎らしい。甘さのかけらもない。ほんと、ヤな女だ。
でも、あぁ…それなのにそれなのに、ラストは彼女に心を持っていかれてしまったのだ。くやしい。マジくやしい。

いわば戦略戦争だから、情報に関してはセリフも多い。ときにマシンガントーク。
ところが、プライベートはほとんどしゃべらない。Missスローンは孤独だろう。そうに違いない。しかし、信念を持っている。持っているのだ。でも、そこはほとんど語られない。
そういう意味で『女神の見えざる手』は寡黙な映画だともいえる。

Missスローンはまっすぐに構えて前を見る。その凛々しさ。カッコいい。
ロビー活動は予見すること。騙しても騙されるなという。
とにかく、おもしろくて興奮した。堪能した。



関係ないことを思い出した。女神の手といえばその昔、“ゴッドハンド”と呼ばれた…世間を騒がした考古学の発掘オジサンがいたなぁ。

学者肌の友人がいる。飛鳥とかの遺跡めぐりをしたもんだ。どうしてるかなぁ。現実から離れて…彼とまた、悠久の神の領域を歩きたいもんだ。

プロフィール

ネコタル爺

Author:ネコタル爺
FC2ブログへようこそ!
ネコ爺ことネコタル爺の高峰 至です。

http://neko.a.la9.jp/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR