プラダを着た悪魔に出会うもエ~ガね

外資系会社の人々を描いたマンガを読んだら、そこに『プラダを着た悪魔』が出てきた。
この映画を観たかどうか…記憶がない。なので、レンタルDVDで確認した。
やはり、観たことがあった。でも、内容をまったく覚えていない。

なぜ、『プラダを着た悪魔』を覚えていないのか。
女性映画だったからだろうか。ファッションの映画だったからだろうか。
興味のない分野だからといって、観た映画を覚えていないとは…。くやしい気持ちもあって徹底的に観た。
監督はデビット・フランケル。2006年の作品。

https://youtu.be/x9OIvwy5YV0

「ランウェイ」というファッション誌編集部に勤めるようになった主人公アンディ(アン・ハサウェイ)。彼女のファッションを見て、周りのスタッフが口々に「かわいそうなくらいダサイ」という。わしはそこまでは思わなかった…。逆に、ファッション雑誌から抜け出たような衣装のスタッフたちについていけなかった。そういうところが記憶できなかった理由だろう。わしはブランド品に興味がない。
『プリティ・プリンセス』もそうだったが、華麗に変身するより…その前のほうがわしは好きだったりする。

ところが、今回観て興味がわいた。
確かにオシャレな映画だが、それよりも“編集”の力によるオシャレなセンスを感じた。

内容にも…たとえば、ラン・スルー(ミーティング?)場面だったと思うが、アンディが着ている青いセーターを観てミランダ(メリル・ストリープ演じる鬼編集長=プラダを着た悪魔)がいう。「あなたはそれをブルーと思っているかもしれないけど、それはセルリアンだ」と。
そして、そのセルリアンの歴史を語る。もともとは自分たちの仲間が選んだブランドの色で、それが広まって誰でもセールで買える商品になっていったのだ…と。巨大市場と無数の労働の象徴だ…みたいなことをいう。「あなたはファッションに興味ないと思っているようだけど、ちゃんとつながっているのよ」と。

主人公アンディが「ミランダが認めてくれない。こんなに努力してるのに」と男性スタッフに泣きつくところがあった。ところが、男性スタッフは「努力していないからだ。甘えるな」と一喝する。強いやさしさ。とても共感した。というより、ホントは自分がガツンといわれた気分だった。

ミランダの「人が何を求めているか、それを超えて決断できる」というセリフにも興味を持った。
原作者のウイズバーガーは、映画の主人公と同じように「ヴォーグ」編集長のアシスタント経験があるらしい。

わしは今でも、ゴージャスな服には興味がない。
ただ、ファッションは外観だけではない。ファッションには“内なる美”とつながっているという意味が含まれるかもしれない。とてもおもしろいと思った。苦手な映画も視点を変えればおもしろく観られるということは大きな発見だった。


おみおくりの作法を知るもエ〜ガね

『おみおくりの作法』を観た。
これまでその存在を知っていたが、観てなかった。ハウツーもののような…何より『おくりびと』の二番煎じを感じさせるタイトルに観る意欲をなくしていた。
原題の「STILL LIFE」を『おみおくりの作法』としたのは…やはり、『おくりびと』のヒットにあやかったということかもしれない。

https://www.youtube.com/watch?v=4k_rhRcklFs

観てよかった。しみじみ…よかった。
映画好きの友人が薦めてくれたのだ。わしには映画ファンの仲間がいる。ネットも含めて…。その人たちが「アンタ好みの映画だよ」と紹介してくれると、必ず観る。ハズレがないからだ。
わしがウダウダ書くとき「いい映画がありましたよ」という報告と同時に、映画のことを教えてほしいというのがある。

『おみおくりの作法』は監督がウベルト・パゾリーニで、主演はエディ・マーサン。イギリスとイタリアの合作で、2013年の制作。

主人公のジョン・メイはロンドン市内の民生係で、孤独死した人の葬儀に関わっている。几帳面なジョンは故人の身寄りを調べて訪ねたりもする。弔う人がいなければ火葬だけで簡単に済ますことができると上司はいうが、彼は一人ひとり丁寧に対応していく。

寡黙で静かな映画。人生には黙って寄り添える相手がいればいい…みたいなセリフがあった。人の温かさがしみじみ伝わってくる映画だった。言葉に頼っていない点も好感を持つ…。
特に、ラスト部分は言葉による説明がまったくない。感動的だった。底知れぬ闇の中のほのかな光か…。それこそ、黙って寄り添ってくれる映画だろう。

いわゆるミニシアター系の映画だと思う。地味で暗い映画をイメージして敬遠していたが、いや…実際その通りだが、とても好感を持った。確かに…身につまされるということもあるにはある。でも、わしはこの『おみおくりの作法』が映画として好きなのだ。

音楽もよかった。音楽はレイチェル・ポートマンらしいが、しみじみとよかった。CDを探してみようと思う。

鑑定士と顔のない依頼人がエ〜ガね

わしはジュゼッペ・トルナトーレ監督の『ニュー・シネマ・パラダイス』が大好き。いや、大好きを通り越してる。その同じ監督の作品なので気にはなっていた。
でも、ここまでとは思わなかった。前から『鑑定士と顔のない依頼人』がいいという噂は聞いていた。確かによかった。いや、身につまされた…というほうが正しいかもしれない。

美しく切ないサスペンス。こういう映画だとは思ってなかった。

https://www.youtube.com/watch?v=6oeE9w_w6Ak

この監督の映画はいつも純粋で美しい。そこに、ほのかに変態性が加味される。アブノーマルにピュアな味付けといってもいいかもしれない。わしはそう感じる。『海の上のピアニスト』など、まさにそうだった。

1週間レンタルなので、もう一度観て感想を書くとしよう。
でも、この映画はソッとしておくほうがいいのかもしれない。ミステリーですからね。

英題が『The Best Offer』なので、イタリア語の原題もそれとほぼ同じでしょう。うまい日本語タイトルにしましたね。
主演は『英国王のスピーチ』のジェフリー・ラッシュで、役名は美術鑑定士のヴァージル・オールドマン。オールドマンって…まさに“老人”じゃないですか(笑)。
音楽は『ニュー・シネマ・パラダイス』と同じく、エンニオ・モリコーネでした。
そういえば、オートマタはC-3POみたいでしたね。何のことかわからないでしょうけど…。

『ニュー・シネマ・パラダイス』を観て「何がおもしろいのかわからない」といった人がいました。おそらく、“映画愛”が足らないんでしょうね。同じように、この映画は“美術愛”が足らないとおもしろくないかもしれません。

『ニュー・シネマ・パラダイス』は実際はもっと長い映画でした。配給会社が主人公の青年時代を30分くらいカットして公開したのです。監督としては不本意だったでしょうけど、それもあって…すばらしいデキでした。
その轍を踏まないようにか、この『鑑定士と顔のない依頼人』はピッタリ見事に尺に収まっていると思います。

トルナトーレ監督も『ニュー・シネマ・パラダイス』の頃はまだ若者で、おそらく…自分の体験をベースに映画をつくったのでしょう。その彼も今や老人になって、鑑定士ヴァージル・オールドマンの域に入ったのでしょうね。老成していると思いました。

何という結末。何という余韻。何という哀愁…。
哀愁に満ちた映画ですが、哀愁には悲しみだけでなく…ほのかに幸せも加味される。わしはそう感じました。わしにとって、『鑑定士と顔のない依頼人』は生涯…忘れられない作品のひとつになるでしょう。

贋作の中にも本物がある…。わしは今、この言葉をかみしめています。

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