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ひまわりの季節もエ~ガね

懐かしい『ひまわり』を観た。1970年の映画。戦争悲劇だ。

マルチェロ・マストロヤンニも辛い。この手の悲恋もののハシリだよね。なぜか、岩井俊二監督作を思い出したりもした。

一途なソフィア・ローレンがちょっと怖い。これをいうと怒られそうだけど、ロシア人女優のほうが好きだったな。

監督はヴィットリオ・デ・シーカ。冷戦期にソビエト連邦で撮影されたけど、ウクライナなんだよね。

あのひまわり畑もウクライナにあって…実は今でも戦場だという。別の意味で悲しいよね。

https://youtu.be/U56JYTJIeGo

ヘンリー・マンシーニのメロディが胸を打つ。


愛は静けさの中にを語るもエ~ガね

ネコ爺…復活。いやはや、こんなことは初めてだった。コロナにやられたと思った人もいたようだけど、パソコンがやられたのだ。

沈黙は3カ月だったが、再スタートしよう。
静かに時が流れる間、いろいろと観た。その中での…忘れられない作品を紹介したい。

先ずは『愛は静けさの中に』という、わしの苦手な恋愛映画だ。
港町、その風と匂い。イントロが好きだった。聾啞(ろうあ)学校に赴任してきた熱血教師が、そこで働く女性に出会う。彼女も聾啞者で…話すことはできない。

教師をウイリアム・ハート。女性をマーリー・マトリンが演じている。ふたりの会話は手話になる。引き込まれる美しさだ。
実は彼女は実際に…話すことはできないのだ。演技ではない。そこから生まれる迫力に圧倒された。

かつて彼女は話すことをしようとしたらしい。それを知って彼は話すことを訓練しようとする。
しかし、彼女はいうのだ。「私を理解したいのなら、あなたが私の世界に来なければいけない」と…。

わしは考えた。昔、こんなことがあったと…。
自分を理解してほしいという気持ちが強くて、相手を理解していなかった。一方的だったなと…。胸がぐるぐるした。

教師は悩む。彼女のサイレントワールドを知ろうと、プールの底を歩いたりする。音のない世界はこんなだろうかと…。
おそらく、人を理解するということは…し合えるということはこういうことなんだろうな。

マーク・メドフの「小さき神の子ら」が原作らしい。監督はランダ・ヘインズ。1987年に日本公開されたアメリカ映画だ。

https://youtu.be/HgXjtVxCQm4


ロスト・イン・トランスレーションで夢心地もエ~ガね

そうかぁ。これは「不思議の国のアリス」なんだ。今になってこの映画が理解できた気がする。

ソフィア・コッポラ監督の『ロスト・イン・トランスレーション』のことだ。公開当時に観た。でも、女性感覚がピンとこなかったのか…あまり好きではなかった。日本人がステレオタイプだし、何か事件が起こるという映画でもなくて…ちょっとタイクツだった。
監督はフランシス・フォード・コッポラ監督の娘で、父親も総指揮という形で参加している。

今回、DVDで観て少し違う印象を持った。
新妻(スカーレット・ヨハンソン)がカメラマンの夫と東京に来る。夫は仕事で忙しい。妻は取り残される。不思議の国・ニッポン。言葉も通じない。わざとなのか、日本人はLとRの発音を反対にいう。寺に行って坊さんが唄うのを聴いても(読経)ワケわからない。いわば、ロスト・イン・トランスレーションは異文化の中での迷子だろう。

片や、日本のウイスキーのコマーシャル撮影のためにひとりで東京に来た初老の男優(ビル・マーレイ)。倦怠感漂う彼もまた、異文化の中に取り残されている。こんな国はイヤだ。早くアメリカに帰りたい。でも、結婚25年の我が家に居場所はあるのだろうか。
男優と新妻は同じ(新宿の?)ホテルにいて…同病相憐れむという感じで出会い、親しくなっていく。

ビル・マーレイは『ゴーストバスターズ』とかで知られていたが、スカーレット・ヨハンソンのほうは当時、無名に近かったかもしれない。彼女が戸惑いながら渋谷など東京の街を歩く様子は…まるで「不思議の国のアリス」だ。絵になる。

京都での静謐で美しい場面もあったが…ん? 知恩院かな。奈良っぽい感じもする。
それにしても、当時のスカヨハは今とほとんど変わらない印象を持つ。不思議な人だ。

わしだって、ひとりで外国に行ったときは心細かった。いや、日本にいたって居場所がないと感じたりもする。

異国での孤独なふたり。タイトルは、通訳(翻訳?)によって本当の意味を失う…みたいなニュアンスだろうか。
安心できる相手を見つけたふたりの心の交流。女ごころ。初老の男優が彼女に囁いた言葉…。
おそらく、トーキョーでの思い出はいつまでも消えることはないんだろう。互いの姿が残像となっていったに違いない。

https://youtu.be/Q1axTTdgRdo

この映画、東京に来て約1ヵ月で撮影したらしい。見慣れたはずの風景が違って見えるのが不思議。そこが魅力かもね。
新宿なのかな、映画ではあちこちの夜の店が出てくる。思わず、3密だ!アブナイと思ってしまった。

忘れじの面影に浸るもエ~ガね

奈良の古い建造物を観て、「昔なのに、よくこんなものを作れたな」という人がいた。昔のほうが技術が劣っていたはずと考えるのは現代人の傲慢。昔だからこそ作れたのだ、と思う。

大河の始まりが清く美しいように、1930年代40年代50年代…つまり、映画の創成期もすばらしい。作品数に限りがあるだろうから、DVDになっていればすべて観ることができるかもしれない。わしの映画の源流めぐりの旅はつづくのだ。

DVDで『忘れじの面影』を観た。1948年のアメリカ映画で、監督はマックス・オフュルス。
今はカタカナ表記のタイトルばかりだけど、昔はこういう美しい日本語のがあったなぁ。

人には誕生日がふたつあるという。生まれた日と、もうひとつは運命に出会った日だという。
自由奔放に生きたピアニストのステファン。彼にあこがれ、生涯かけて想いつづける女性。今ならストーカーといわれてしまうかもしれないが、そんなひたむきなリザをジョーン・フォンテインが演じている。

『忘れじの面影』は回想という形で綴られる。
プレイボーイのピアニストは彼女を覚えてもいない。しかし、最後に一途な想いを知り…打ちのめされるのだ。
昔の映画はシンプルで、今の映画ほど情報は多くない。でも、その分…想いは深いかもしれない。
これも源流のピースのひとつだろう。

映画の舞台はウイーン。ふたりで雪の公園を歩く印象的な場面があった。

ふと、「カルチェラタンの雪」という歌を思い出した(カルチェラタンはパリだが)。昔、布施明が唄っていた。
YouTubeで調べたら、川上大輔と林部智史が唄うバージョンのこの歌もあった。よし、今度カラオケで唄ってみよう。

わしは喘息があるので、呼吸器官を鍛える意味でもカラオケをやってる。そのおかげか発作は起きなくなった。
それはいいが、年明け打ち合わせの仕事をちっともやっていない。
さぁ、今年もがんばらなくちゃね。


50回目のファーストキスをするもエ~ガね

ピュアな映画は好きだが、わしは恋愛映画が苦手だ。大人のどろどろしたベタな恋愛映画はほとんど観ない。現実でも起こりうることをわざわざ映画で観たくないってことかもね。

逆に、西荻の居酒屋のオヤジは…顔に似合わず、恋愛映画しか観ない。で、オヤジに薦められて『50回目のファーストキス』を観た。

https://youtu.be/uRbLbJoyzwM

DVDでだが、リメークの邦画版を観てから…つづけて元のアメリカ版を観た。
題名は共に同じ『50回目のファーストキス』だ。もちろん、映画の存在は知っていたが、この手の映画は苦手なのでスルーしていた。

驚いたことに、ストーリーはもちろんカメラワークにいたるまでほとんど同じ。オオゲサにいえば配役が別なだけ。リメークといってももっと違うと思っていた。

でも、大きく違うところもある。
邦画版での主人公は旅行コーディネーターをしながら星の研究をしているが、元の洋画版では水族館勤務だ。
ロマンティックにするために邦画では星空にしたのかと思ったが、水棲動物の調教とかに時間がかかるせいかもしれない。多分、そうだろうな。

記憶が短時間しかもたないという設定はよくある。わしは『メメント』が好きだった。邦画だと『博士の愛した数式』というのもあったな。

『50回目のファーストキス』は記憶が一日しかもたない女性に恋をする話だ。車の事故によってそうなるわけだが、何とかって病名をいってたから…実際にあるのだろう。
とにかく、記憶が一日だから、毎日が初対面だ。そこから生まれる恋愛コメディってとこかな。

https://youtu.be/cXlzaK_GFBY

わしはこの手のをほとんど観ないから新鮮だった。
元の洋画版のほうが笑える…かもしれない。とにかく、同じ場面を比べて観るとおもしろい。つくる側から観る。それがわしの映画のたのしみ方かもね。

今度、リメークの邦画版をテレビでやるらしいが、テレビを持たないわしには縁のない話だ。
テレビがなくなって20年くらい。テレビがないとさぞかし不便になるかと思ったが、まったくそういうことはない。

そういえば…テレビ局のカメラの前で話したとき、あとでディレクターが「番組はどうでしたか」と聞いてきたが、「テレビがないので」とはいえなかったっけ(笑)。


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