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向日葵の丘を考えるもエ~ガね

映画(DVD)を観るキッカケはいろいろだ。人からいわれて観ることもある。それが今回だ。
若い人から「とても感動した映画があるので、観て感想を聞かせてほしい」といわれた。それが太田隆文監督の『向日葵の丘 1983年・夏』だった。

ゆったりと時が流れる。ノスタルジックなものを感じた。現代からスタートして…1983年に戻る。女子高生3人組の話だ。

https://youtu.be/ToWovCB-IIQ

驚いたのは…この映画に若い人が感動し、共感したということ。わしには若者向けの映画とは思えなかったから…。思い違いだったらうれしい。

あのころは夢があったね。今はこうだね。時の流れは儚い…。そんなことを考えた。
時代の忘れ物とでもいうのか…現代の激しい時の流れの中に、取り残された若者がいるのかもしれないと思った。もしかすると、そういう若者は想像より多いのかもしれない。

映画が大好きな女子高生3人組…。溢れるほどの映画愛。彼女らは文化祭のために映画をつくる。
長尺すぎる気がするし、のどかというか地味だし、ストーリーだって紋切型だろう。
でも、しみじみと…そこには熱い時が流れていた。

そして、今の3人…。たかこ、みどり、エリカ。
生も死も、すべてを包み込む愛おしい時間。涙が出るほど愛おしい。

ふと、子どものころの“日光写真”を思い出した。もっと我慢すればいいのに、いつもピンボケだった。あのピンボケ写真には何が写っていたんだろう。大昔の…何十年も過ぎた今でもそんなことを思うことがある。

最近の映画は忙しくてゴチャゴチャ情報がいっぱいで、考える時間さえも与えてくれない。その点、この映画はふり返り考えることの大切さを教えてくれたし、その時間を与えてくれた。

経済大国になった日本。取り残されたもの。その先の不安。
忘れ物の大切さ…。忘れ物の中にある心こそ、忘れてはならない温かく大切なもの。映画はそれを伝えようとしているんだろうなと思った。信条が近いということはおそらく、太田監督はわしと同世代なのだろう。

青春映画というより、青秋映画だと感じた。わしのイメージ。
象徴的に夏のヒマワリ畑が出てくるわけだけど…。


大好きな『ニュー・シネマ・パラダイス』を思い出したりもした。宝物のような映画。ただ、この映画にしても30分以上長いディレクターズカット版は好きではない。監督の思い入れが強すぎるからだろう。


トキワ荘の青春を確認するもエ~ガね

青梅市に[青梅シネマ倶楽部]というのがあるらしい。そこで『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』とかいう映画をやるらしい。ドキュメンタリーだろうか。だとしても、一筋縄ではいかない映画だという気がする。たのしみだ。
実は…上映後のトークショーだかに出ることになった。1時間枠らしい。そんなに話すこともない気もするが、ウダウダ話せば…それなりに何かあるかもしれない。

などと無責任なことをいってるわけにもいかない。というわけで、確認のために市川準監督の『トキワ荘の青春』をDVDで観た。

https://youtu.be/kt-pLbx1xI0

この映画はその昔、試写会で観た。『トキワ荘の青春』はモックンが主演で、彼が寺田ヒロオを演じている。モックンは適役だと思う。真面目な寺さんにイメージが近い…と感じた。でも、赤塚不二夫役には…違和感を持った。試写会でそう思ったが、DVDでもやっぱり…そう思った。理由はよくわからない。わしが勝手にそう思っただけだろう。
でも、そう思ったということはわしの中に明確な赤塚不二夫像があるということだろうか。

トキワ荘は最初、手塚治虫先生が東京での作業場としたアパート。手塚先生を慕って若いマンガ家たちが集まり、寺さんを中心に“新マンガ党”と名乗った。その頃、すでに手塚先生はいない。
あの真面目な手塚先生から「新マンガ党のメンバーは真面目すぎるから(笑)」といわれたという。でも、真面目なだけでは映画にならないから、後のマンガをはみだした男…的なことも加味されていた。そこに違和感を感じたのかもしれない。

市川準監督はもともと、テレビコマーシャル畑の人ではなかったかと思う。アパートの映画をつくりたいと考えて、トキワ荘が思い浮かんだと聞いた記憶がある。つまり、若いマンガ家たちを撮りたかったというより…アパートそのものとそこの住人を撮りたかったということだろう。主人公はアパートかもしれない。そのせいもあるのかどうかわからないが、セリフ音が小さくて聴き取りにくかった。妙に…トキワ荘の廊下が印象に残っている。

『トキワ荘の青春』のラストシーンが好きだ。あの野球少年の背番号…。
でも、あの時代…マンガに取り憑かれたあの人たちの下地を知らない人が観て、おもしろいんだろうか。

ま、そんなことも含めて…当日はウダウダ話すことにしよう。

ビリギャルを応援するもエ〜ガね

お話もオチも皆わかっているのにおもしろかった。ストンと心に入ってきた。わりと最近観た映画の中で特に印象に残っているのが『ビリギャル』だ。

https://www.youtube.com/watch?v=aZdU6y9NeiI

主演の有村架純は「あまちゃん」で全国区になったのだと思うが、わしはそれ以前に何かで観て知っていた。ファンだった。プックラほっぺがかわいいので、ファンの握手会ならぬ…ほっぺツンツン会とかやるといいかもなんて失礼なことを思ったものだ。ゴメンなさい。

学年ビリの女子高生が塾に入って猛勉強して慶応大学に合格する。それだけの話だ。実は…監督とか俳優陣とか何も知らずに観た。主演が有村架純だということ…それだけで観た。超軽いイイカゲンな気持ちで…。DVDだけど…。

後で確認した。監督は土井裕泰。名前も知らずに観てゴメンなさい。
原作は坪田信貴の「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」。長いタイトルだなぁ。名古屋だかにある塾の実際の話がベースになっているようだ。日本史にウトい女子高生のさやかに対して、学習マンガを使ったりしていた。

主人公さやかのお父さんを田中哲司が演じていた。わしはこの役者が好きだ。大河ドラマ「黒田官兵衛」での荒木村重役を観たときからのファンだった。相変わらず屈折感がよかった。
どこまでも娘を信じるお母さんを吉田羊が演じていたが、これはもう説明不要なくらいすばらしい。子はこういう親の愛があれば大丈夫なのだ。きっと…。

そして、塾の先生役を伊藤淳史が演じている。彼がこの役を演じたことも映画の成功につながったと思う。
いい先生。いい大人。女子高生のさやかは「こんな大人になりたい」と思う。「他人のためにそこまで一生懸命になれるなんて素敵。私もこんな大人になりたい」と…。若いときにこんな大人に出会えればいい。今の世の中、こういう大人の愛があれば大丈夫なのだ。きっと…。
もっとも、「大丈夫」という言葉の解釈も世代によって違うだろうけど…。

「さやかっがんばれっがんばれっ」と思いながら『ビリギャル』を観た。感動した。合格できたときは…思わず涙が出た。よかった。
大学受験なんてまだまだ人生のスタート地点のようなものだが、それを克服した彼女ならきっと、これから先のどんな苦難だって乗り越えられるだろうと思った。ほんとによかった。
そして、そのことでわしも勇気をもらった。かくありたい。ほんとにほんとにありがとう。


ホットロードに熱くなるもエ〜ガね

正直、このDVD観賞は2回挫折して…3回目にして最後まで観ました。三木孝浩監督の『ホットロード』のことです。

https://www.youtube.com/watch?v=6cY2FIQtLLQ

最後まで観て…感動しました。
では、どうして挫折したのか。正直、辛かったのです。観るのが…。危うすぎたのです。繊細すぎたのです。主人公たちが…。
1回目の挫折は主人公の和希と母親との軋轢シーンで…。2回目の挫折は春山とグループの抗争シーンでした。3回目は頭からもう一度観ました。結局、観終わるまでに1ヶ月かかりましたよ。

「あまちゃん」の能年玲奈は影を出さない明るく能天気な役でした。『海月姫』もそうでしょう。対して、『ホットロード』はどっぷりと影を出す役です。ピュアな眼差しで、切なく重く体現しています。すばらしい女優ですね。
相手役の不良の登坂広臣もいいですね。この世代の生き急ぐ感じがよく出てました。

ただ、最近の…陰惨なニュースとかも思い出しました。わしはこの手の青春ものとか恋愛ものはほとんど観ない。
昔は『若者たち』を熱心に観たし『パッチギ!』も好きですが、『クローズ』は未だに観たことがありません。それはあまりにも現実的で、生々しくて…痛々しくて…。あの世代の子が亡くなったりする事件は…あまりに辛い。現実に重なる。映画として観られなくなってしまうのかもしれませんね。

「10代なら誰でも、何も見ないで走ってしまう瞬間があると思う。もしかしたら、一番怖いのは止められない自分なのかもしれない」
わしが最も共感したのは…和希の母親のボーイフレンド役の小澤征悦(ハリウッド映画『ザ・フォレスト』に期待!)のセリフです。原作の紡木たくのマンガにあった言葉なのか、映画の中で生まれたセリフなのか…。わしも常々、そんなふうに思います。

最後まで観て、刹那の輝きに…人が人を思う一途さに感動しました。観てよかったですよ。
ただ、そこまで犠牲を払わないとそこに到達できないのかとも思ってしまったわけです。

エンディングで尾崎豊の「OH MY LITTLE GIRL」が流れ…心に染みました。
吉田拓郎の「人間なんて」を思い出したりもしましたけどね。
わしにとっては…眩しいというより、痛い映画でした。


以下は個人的な覚え書き。

余談ですが、仕事仲間のために阿佐ヶ谷に行くことがありました。
彼の昔のエピソードを紹介する役だったんですよ。
「ぼくは今まで悩んだことがない」
彼はそういったことがある。
人は皆、悩んで成長するものだと思う。
でも、悩まないということは究極のポジティブか…。
その種の関連でいくつかエピソードがあったんだけど、忘れてました。

彼とは共通の師匠がいて、師匠から彼のことを聞かれたことがありました。
「自作を原作にしたアニメがどうして“サザエさん”みたいにならないのかと憤慨してました」
わしの応えに、「全然違うものなのに…」と不思議がる師匠にわしはいいました。
「そこが彼なんですよ。彼の無邪気さでしょう」

一見真逆だけど、何かどこかで『ホットロード』に通じるものがあるのかもしれませんな。

ラブ★コンで去り行く夏に思いを馳せるもエ〜ガね

わしがよく読む映画雑誌に「CUT」があります。
能年玲奈がNHK朝ドラで脚光を浴びる1年前、「CUT」に紹介されていました。確か、表紙を飾っていたと思う。懐かしいような新鮮なような…どこか天然をも感じさせる彼女のかわいい容姿に、「来年はどんな演技を観せてくれるんだろう」と期待したものでした。
これ以上、何も書く必要はありませんよね。今は『ホットロード』が気になっています。

同じような…古さと新しさの両方を感じさせるかわいい女優に藤澤恵麻がいました。彼女は、雑誌「non-no」のモデルからNHK朝ドラ「天花」の主演女優になったんですよ。朝ドラの視聴率は決して…よくなかったんですけどね。
彼女は今、どうしているんでしょうか。

そんなわけで、急ぎ足で去ってゆく夏を思い出しながら…映画『ラブ★コン』のことを書くことにしましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=3BMMUlw2OAk

ラブリー・コンプレックスを縮めて、ラブ・コン。中原アヤのマンガが原作で、石川北二の監督だそうですが…わしはふたりとも知りません。
重い映画日記がつづいたので、これを入れておきましょう。

わしはおもしろいと思える映画が好きです。でも、おもしろいってどういうことかってなると…人それぞれですよね。
田河水泡が「滑稽の研究」というのを書いていました。おもしろいというのは笑いだけではなく、恐怖や感動や涙までも含まれるわけで、おもしろさの定義とか…要因となりますと多岐に渡り…複雑です。
それを端的にいってしまいますと、「いいな!」と思える映画ってことでしょうか。

というわけで、『ラブ★コン』は単なる青春ラブコメですけど、わしは「いいな!」と思ったのです。
確かにこれは学芸会のような映画です。でも、最初からそのようにつくられているようにも感じられて、『ラブ★コン』は学芸会のたのしさを伝えてくれるわけです。マスコットキャラ(?)の骸骨ウサギもキュートで好きでしたね。

主演は小池撤平ですが、ウェンツの相方…というくらいしか知りません。わしが知っていたのは、主役の藤澤恵麻でした。
ドラマの中で“オール阪神巨人”と揶揄されるふたり。笑いあり涙ありの青春。わしは…観終わってさわやかな気持ちになりましたね。
お話と俳優と演技力とマンガチックな演出と…それらのバランスがいいのではないでしょうか。

もともとわしは…雑誌「non-no」のモデルをしていたときから藤澤恵麻に注目していました。
ですから、NHKの朝ドラの「天花」の主役に選ばれたときはうれしかったし、映画『奇談』に出演することになったときも期待したのです。でも、正直…内容にも演技にも納得できなかったなぁ。

でも、『ラブ★コン』の藤澤恵麻はいいのです。フンガァ〜!と(そういうイメージで)怒ったり泣いたり笑ったり…。すごく自然です。
俳優は実像を磨いていけば、自分から光を発するようになるものだといいます。今こそ…いやこれから、恵麻が天花のごとく開花して、自らの光を放ち始める…。そんなふうに感じたものでした。

今、彼女はどうしているのかなぁ。

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ネコタル爺

Author:ネコタル爺
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ネコ爺ことネコタル爺の高峰 至です。

http://neko.a.la9.jp/

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