ウイッカーマンを思い出すもエ~ガね

いやはや、観てしまった。『ゲット・アウト』というキモくてコワくてオゾましいのを…。でも、今はこの映画のことを書かない。ネタバレになるといけない。

で、今回はこれを観て思い出した『ウイッカーマン』のことを書こう。『盗まれた街』や『アンダー・ザ・スキン』も思い出したが、それはこの次だ。

https://youtu.be/Alw9tnTgy7w

記憶は確かではない。『ウイッカーマン』はニール・ラビュート監督でニコラス・ケイジ主演。アメリカ映画だが、元はイギリスのものらしい。そうか。クリストファー・リー主演の『ウイッカーマン』のリメイクか。今度、渋谷のツタヤでDVDを探してみよう。

ということは、ウイッカーマンという土着の風習だか木製人形だかはイギリスに伝わるのだろうか。スコットランドとか? よくわからない。

警官が昔の彼女から助けを求められてある島に行き、そこで怖い思いをする。もっとも、主役のニコラス・ケイジが明るいから…キモくてコワくてオゾましいというほどではなかった。不思議な話なのだ。

ベルゼブブ? ドルイド? ペイガニズム? キリスト教以前の? よくわからない。
死と再生の儀式? 同じようなことがエジプトでもインカ帝国でもあったらしい。古代の宗教儀式として…似たようなことが世界のあちこちであったのだろう。映画は奇妙だが題材は興味深い。
ま、日本だって巫女の国だったわけだし…。

とにかく、『ゲット・アウト』を観て『ウイッカーマン』を思い出したのだが、おもしろ気色わるい『ゲット・アウト』の予告編はこ・れ・だ…!

https://youtu.be/UZzukBZhvSU

ローズマリーの赤ちゃんがかわいくなくてもエ~ガね

カニに例えれば、中身がレノンでヨーコが殻なのかなと思っていた。失礼。
敬称略で恐縮だが、最近…オノ・ヨーヨに高齢者特有の症状が出ているらしい。

オノ・ヨーヨといえば、ジョン・レノンが銃弾に倒れたあとの新聞広告(一種の広告だろう)を思い出す。全面に「夫ジョン・レノンを愛してくれてありがとう」みたいな内容で、日本の主要な新聞すべてに載せていた。おそらく、世界の主要な新聞すべてに載せたのだろう。いったいどれだけの費用がかかっただろうと思ったものだった。

ジョン・レノンが銃弾に倒れたのは彼らが住んでいたダコタ・ハウスのエントランスだった。

ニューヨークにあるそのダコタ・ハウスで撮影されたのが…ロマン・ポランスキー監督の『ローズマリーの赤ちゃん』だ。
CGもなかった時代、悪魔の赤ちゃんを身ごもったかもしれないという狂気をミア・ファローが演じていた。だんだんとやつれていく。やがては…悪魔の子であろうと愛おしいわが子、と思うようになる。どちらかといえば地味な映画だが、ミア・ファローの演技には底知れぬ怖さがあった。赤ちゃんの姿はいっさい画面に出ない。

見えない…想像させる恐怖。見せない演出は見事だった。仮に…今、リメイクをつくるとしたら赤ちゃんはCGだろうな。陳腐なイミテーションになってしまうかもしれない。
見せられないことで成長した映画演出と、見せることで進歩した映画技術…ってことかな。そういえば、『ジョーズ』の1作目は見えない恐怖で、2作目は見える恐怖だったなぁ。

https://youtu.be/QNSkpkDjCWM

オカルト映画はこの『ローズマリーの赤ちゃん』から始まったのだと記憶する。違うかな。
ポランスキー監督自身もいろいろとあったようだ。狂気の監督なのだろう。
もっとも、クリエーターに狂気がなかったら気の抜けた炭酸水みたいになってしまうかもしれない。とも、思う。


帰ってきたヒトラーを笑ってもエ~ガね?

ガツンとくる映画に出会った。でも、笑っていいのだろうか。『帰ってきたヒトラー』という。

https://youtu.be/I4a5XgNT6vQ

タイムスリップなのか、そのあたりはよくわからない。もしかするとSFか。
ともかく…アドルフ・ヒトラーが現代ドイツに蘇る。そして、モノマネお笑い芸人として大旋風を起こす。そういうキケンな映画だ。

人の心をつかむのはうまい。さすがと思う。演説には引き込まれる。きっと、昔もそうだったのだろうな。ヒトラーはもともと画家、つまり表現者だった。観る人…さらには聴く人を意識したんだろうと思う。

かつて、ヒトラーは映画を利用した。今、ヒトラーがインターネットというプロパガンダの技術を手に入れるとどうなるか。YouTubeのスターになるとどうなるのか。そういうコワイ映画だ。

演説で「テレビでは奈落が見えない」と警鐘を鳴らしてもいた。
正気と狂気の差はなんだろう。純粋は美しく…コワイ。
喜劇だとは思うが、恐怖と分類しておこう。

原作はティムール・ヴェルメシュの風刺小説。あえて、ヒトラーの優れた点も表現しているんだろうな。
当然、ドイツ製作で、監督はデヴィット・ヴェント。人物の影の使い方とか見事で、笑いで恐怖を伝える映画だと思った。それにしても、よくぞソックリさんの俳優を見つけたもんですなぁ。

獣は月夜に夢を見るもエ~ガね

西荻の居酒屋主人に『ぼくのエリ 200歳の少女』を推薦した。互いに好きな映画を紹介することになったからだ。彼が好む純愛映画だが、サスペンススリラーかホラー的でもあるだろうから…喜んでもらえるかどうかはわからない。

その『ぼくのエリ 200歳~』を彷彿させる…というか、まるで同タイプなのが『獣は月夜に夢を見る』だろう。
不思議なタイトルだ。でも、そこにすべてが語られている。北欧の映画なので、原題はよくわからない。

https://youtu.be/AJD6T_C_r5g

わしは映画を観るとき、その空気感を大事にする。暖かいのか寒いのか。においはあるのか。
閉鎖的な…漁村。美しく暗い空が…雲が、何度も映し出される。肌寒く冷たい…海の香りがする空気。『獣は月夜に夢を見る』にはそれがあった。

主人公のマリーは思う。
母は難病だ。自分も発病するのか。なぜ、皆は恐れるのか。
静謐な映画だが、その静けさの中に恐怖がある…。そんな映画だった。
見せる恐怖というより、感じさせる恐怖だろう。いや、怖いというより美しいとわしは感じた。

主演はソニア・ズーで、これがデビューらしい。自然体だ。
2014年のデンマーク映画。ヨナス・アレクサンダー・アーンビーの初監督作。

わし好みの映画だ。でも、アメリカ映画しか観ない人がたのしめるのか…わしにはわからない。


変態村に捕われるもエ〜ガね

昨夜、電車が急に止まった。吉祥寺駅を前にしばらく動かなかった。「線路に人が立ち入ったため」と車内アナウンス。「泥酔客がホームから転落」ならば、まだ様子は浮かぶ。でも、立ち入る…とはどういう状況だろう。

そんな疑問を持ったせいか…夢を見た。わしは田舎の実家に帰るための山道を歩いている。薄暗い夜道を歩きながら、ふと気づく。もう、家はないんだったと…。
やがて、闇市のような場所に辿り着き、そこでは……と夢はつづくが、もうこの話はやめておきましょう。

この夢に近い映画を観たことがある。
タイトルを『変態村』という。忘れられない。頭から離れない。
これまで書くことをためらっていたが、勇気を出して書くことにしましょう。


何年か前、取材のため…わしは友人の車で京都府奥地の神社に向かいました。
ところが、道に迷い山間のへんぴなところに出てしまったのです。行き止まりの一面のススキの原の中に…まるで映画の世界のような奇妙な集落がありました。
そのときの…今までに感じたことのない不思議な印象を、わしは一生忘れることができないでしょう。
この映画とともに…。

http://www.discas.net:80/netdvd/dvd/goodsDetail.do?titleID=0087671528

その昔、ベルギーのファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督による『変態村』をDVDで観ました。 これをどう表現すればいいんでしょうか。

主人公は、ひとりで…車であちこちを回っているハンサムな歌手です。今回も老人ホームへの慰問コンサートに行って、次に向かう南フランスだかに行く途中、その“村”に捕われてしまうのです。

フロントガラスに映る暗い樹木。その異様な…ファンタジー世界へ誘われる感覚がいいですね。ヨーロッパ独特の暗い雰囲気がある(ロシアのタルコフスキーに通じるかも)。そういう雰囲気づくりは見事だし、そういうところはわしの好みでもあります。

この映画と似ているかもと感じたのがヒチコック監督の『サイコ』でした。『サイコ』は見事な映画でしたが、サスペンスゆえに内容に触れることはできません。ともかく『変態村』は、あの映画に土着性をどっぷりとまぶしたような趣きでした。

肝心の内容は…おぞましい。分類的にはホラーだと思いますが、あまり語りたくありませんね。もしも…自分がそういう目に遭ったとしたら、おそらく誰にもいわないでしょう。秘密は墓場まで持って行く…。そういう映画です。

ただ、いろいろと深読みをしてしまいました。
『変態村』とは何ともすごいタイトルですが、「狂人村」ってわけにもいかないからこのタイトルにしたのかもしれません。と思ったら、原題は『CALVAIRE』でした。「キリストの受難」というような意味だそうです。
わしは…昆虫などの“変態”を思い浮かべたりもしました。

渇望する愛と孤独が、人をあそこまで狂気に走らせるんだろうか。つまり、極限の…狂気の愛の映画なんだろうか。奥地に残ったキリスト教的なタブーによって、そういう偏向した村人を生み出したんだろうか。
磔の姿は犠牲者ってことだけではなく、もしかしたら、一種の宗教による弊害…そういう人間の怖さを伝えようとしているんだろうか…。
この“狂気の村”を描いた作品は単に暗いホラーではなく、根底には…深く重いドロドロした“塊”があるような気がします。

この映画をボロクソにいう人もいます。でも、雰囲気とか異様さという点では決して…わしは嫌いな映画ではありません。
ただし、これを観るにはかなりの覚悟が必要かもしれませんけどね。



この時期、『変態男』という脚本・監督/ヴィンセント・ラノで、主演/カルロ・フェランテによる映画もありました。『変態村』につづくユーロ・スリラー弟2弾ということだったのでしょう。これまたすごいタイトルですが、『変態男』というよりは「ヘンな男」ってところでしょうか。
『変態村』と同じく、タイトルと内容が合っていません。このタイトルで、得をしたか損をしたか。どうですかねぇ。


余談です。以前、諸星大二郎のマンガを原作にして『奇談』という映画がつくられました。そこに、この『変態村』くらいの異様さとか土着性があればもっと評価されたでしょうね。
それこそ、今村昌平監督の作品みたいに…。


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