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ジョーカーに衝撃を受けるもエ~ガね

ガツンと来た。衝撃を受けて…しばらく、ウダウダ日記を書くことができなかった。トッド・フィリップス監督の『ジョーカー』のことだ。

https://youtu.be/C3nQcMM5fS4

その衝撃は…そう、大昔に観たスタンリー・キューブリック監督の『時計じかけのオレンジ』に近い。魂に突き刺さる。刺さった心のトゲはながい間抜けない。
心理学でいうところのペルソナ…。連想ゲームのように、『Vフォー・ヴェンデッタ』という映画も思い出した。もちろん、『ダークナイト』も…。

映画が映画だった時代。というとクレームが来るかもしれない。
でも、最近の派手なヒーロー映画とかを観ていると…映画というよりアトラクションに近いと感じてしまう。「あぁ、おもしろかった。で、何を観たんだっけ?」ということがよくある。
映画の役割が違ってきてるんだろうな。実写とアニメの境界線がなくなりつつある。ばかりか、ゲームとの境もあいまいになってきている気がする。

もしかすると、そういうことへのアンチテーゼとして『ジョーカー』はつくられたんだろうか。
「バットマン」の悪役ジョーカーがいかにして生まれたか。心やさしく底知れぬほど孤独なアーサーが…いかにしてジョーカーに変貌していったか。
内容は映画としてのオリジナルだが、キャラを借り、この設定を使うために製作費の多くをDCコミックス側に支払ったと聞く。

アーサー=ジョーカーを演じるのがホアキン・フェニックスだ。アカデミー賞の主演男優賞ものだろう。体重を24キロだか落として撮影に挑んだというがまさに狂気だ。映画は…アーサーが何を感じ、どう思ったかをセリフに頼らず伝えてくれる。
かつて、兄弟のリバー・フェニックスから「こんな俳優になれ」とロバート・デ・ニーロ主演の映画を見せられたという。今作では、そのデ・ニーロと共演している。

最近は平気でながい映画がつくられるが、『ジョーカー』は2時間。そういうところも、映画が映画だった時代を意識しているのかもしれない。
おもしろくて、哀しくて、美しい。映画好きの…映画がわかっている人向きの本物の映画だろう。何でもないシーンが怖い。トッド・フィリップス監督に拍手。ヒドゥル・グドナドッティルの音楽も不穏で心に響く。

ただ、無敵感というのかな。自意識の暴走? 自分にはもう何も失うものはない。だから何でもできる…という怖さ。そこが問題だ。
映画表現だということがわかっていない若い人が観ると…その部分だけの影響を受けてしまうかもしれない。映画と現実をゴッチャにするかもしれない。
優れた作品には毒がある。でも、配慮は必要だろう。だから、むやみに「よかった。観たほうがいいよ」という気にはなれない。

ジョーカーは自分を不当に扱う者には容赦をしない。映画の時代設定は少し昔だが、現代社会が生み出した狂気…と深読みさせる。これぞ映画! でも、映画を観て幸せになりたいってタイプの人には向かないかもね。ゲシュタルトの崩壊というか…気が滅入るかもしれない。

人生は悲劇か喜劇か。怖い映画だ。でも、最高の映画だと思う。

実はさりげなく『バットマン』につながっている。わかる人にはわかる。そこがニクい。
昨今はヒットすると続編がつくられるが、この『ジョーカー』にそれはないだろうな。


ウイッカーマンを思い出すもエ~ガね

いやはや、観てしまった。『ゲット・アウト』というキモくてコワくてオゾましいのを…。でも、今はこの映画のことを書かない。ネタバレになるといけない。

で、今回はこれを観て思い出した『ウイッカーマン』のことを書こう。『盗まれた街』や『アンダー・ザ・スキン』も思い出したが、それはこの次だ。

https://youtu.be/Alw9tnTgy7w

記憶は確かではない。『ウイッカーマン』はニール・ラビュート監督でニコラス・ケイジ主演。アメリカ映画だが、元はイギリスのものらしい。そうか。クリストファー・リー主演の『ウイッカーマン』のリメイクか。今度、渋谷のツタヤでDVDを探してみよう。

ということは、ウイッカーマンという土着の風習だか木製人形だかはイギリスに伝わるのだろうか。スコットランドとか? よくわからない。

警官が昔の彼女から助けを求められてある島に行き、そこで怖い思いをする。もっとも、主役のニコラス・ケイジが明るいから…キモくてコワくてオゾましいというほどではなかった。不思議な話なのだ。

ベルゼブブ? ドルイド? ペイガニズム? キリスト教以前の? よくわからない。
死と再生の儀式? 同じようなことがエジプトでもインカ帝国でもあったらしい。古代の宗教儀式として…似たようなことが世界のあちこちであったのだろう。映画は奇妙だが題材は興味深い。
ま、日本だって巫女の国だったわけだし…。

とにかく、『ゲット・アウト』を観て『ウイッカーマン』を思い出したのだが、おもしろ気色わるい『ゲット・アウト』の予告編はこ・れ・だ…!

https://youtu.be/UZzukBZhvSU

ローズマリーの赤ちゃんがかわいくなくてもエ~ガね

カニに例えれば、中身がレノンでヨーコが殻なのかなと思っていた。失礼。
敬称略で恐縮だが、最近…オノ・ヨーヨに高齢者特有の症状が出ているらしい。

オノ・ヨーヨといえば、ジョン・レノンが銃弾に倒れたあとの新聞広告(一種の広告だろう)を思い出す。全面に「夫ジョン・レノンを愛してくれてありがとう」みたいな内容で、日本の主要な新聞すべてに載せていた。おそらく、世界の主要な新聞すべてに載せたのだろう。いったいどれだけの費用がかかっただろうと思ったものだった。

ジョン・レノンが銃弾に倒れたのは彼らが住んでいたダコタ・ハウスのエントランスだった。

ニューヨークにあるそのダコタ・ハウスで撮影されたのが…ロマン・ポランスキー監督の『ローズマリーの赤ちゃん』だ。
CGもなかった時代、悪魔の赤ちゃんを身ごもったかもしれないという狂気をミア・ファローが演じていた。だんだんとやつれていく。やがては…悪魔の子であろうと愛おしいわが子、と思うようになる。どちらかといえば地味な映画だが、ミア・ファローの演技には底知れぬ怖さがあった。赤ちゃんの姿はいっさい画面に出ない。

見えない…想像させる恐怖。見せない演出は見事だった。仮に…今、リメイクをつくるとしたら赤ちゃんはCGだろうな。陳腐なイミテーションになってしまうかもしれない。
見せられないことで成長した映画演出と、見せることで進歩した映画技術…ってことかな。そういえば、『ジョーズ』の1作目は見えない恐怖で、2作目は見える恐怖だったなぁ。

https://youtu.be/QNSkpkDjCWM

オカルト映画はこの『ローズマリーの赤ちゃん』から始まったのだと記憶する。違うかな。
ポランスキー監督自身もいろいろとあったようだ。狂気の監督なのだろう。
もっとも、クリエーターに狂気がなかったら気の抜けた炭酸水みたいになってしまうかもしれない。とも、思う。


帰ってきたヒトラーを笑ってもエ~ガね?

ガツンとくる映画に出会った。でも、笑っていいのだろうか。『帰ってきたヒトラー』という。

https://youtu.be/I4a5XgNT6vQ

タイムスリップなのか、そのあたりはよくわからない。もしかするとSFか。
ともかく…アドルフ・ヒトラーが現代ドイツに蘇る。そして、モノマネお笑い芸人として大旋風を起こす。そういうキケンな映画だ。

人の心をつかむのはうまい。さすがと思う。演説には引き込まれる。きっと、昔もそうだったのだろうな。ヒトラーはもともと画家、つまり表現者だった。観る人…さらには聴く人を意識したんだろうと思う。

かつて、ヒトラーは映画を利用した。今、ヒトラーがインターネットというプロパガンダの技術を手に入れるとどうなるか。YouTubeのスターになるとどうなるのか。そういうコワイ映画だ。

演説で「テレビでは奈落が見えない」と警鐘を鳴らしてもいた。
正気と狂気の差はなんだろう。純粋は美しく…コワイ。
喜劇だとは思うが、恐怖と分類しておこう。

原作はティムール・ヴェルメシュの風刺小説。あえて、ヒトラーの優れた点も表現しているんだろうな。
当然、ドイツ製作で、監督はデヴィット・ヴェント。人物の影の使い方とか見事で、笑いで恐怖を伝える映画だと思った。それにしても、よくぞソックリさんの俳優を見つけたもんですなぁ。

獣は月夜に夢を見るもエ~ガね

西荻の居酒屋主人に『ぼくのエリ 200歳の少女』を推薦した。互いに好きな映画を紹介することになったからだ。彼が好む純愛映画だが、サスペンススリラーかホラー的でもあるだろうから…喜んでもらえるかどうかはわからない。

その『ぼくのエリ 200歳~』を彷彿させる…というか、まるで同タイプなのが『獣は月夜に夢を見る』だろう。
不思議なタイトルだ。でも、そこにすべてが語られている。北欧の映画なので、原題はよくわからない。

https://youtu.be/AJD6T_C_r5g

わしは映画を観るとき、その空気感を大事にする。暖かいのか寒いのか。においはあるのか。
閉鎖的な…漁村。美しく暗い空が…雲が、何度も映し出される。肌寒く冷たい…海の香りがする空気。『獣は月夜に夢を見る』にはそれがあった。

主人公のマリーは思う。
母は難病だ。自分も発病するのか。なぜ、皆は恐れるのか。
静謐な映画だが、その静けさの中に恐怖がある…。そんな映画だった。
見せる恐怖というより、感じさせる恐怖だろう。いや、怖いというより美しいとわしは感じた。

主演はソニア・ズーで、これがデビューらしい。自然体だ。
2014年のデンマーク映画。ヨナス・アレクサンダー・アーンビーの初監督作。

わし好みの映画だ。でも、アメリカ映画しか観ない人がたのしめるのか…わしにはわからない。


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