素晴らしき哉、人生もエ~ガね

DVDで…1946年の『素晴らしき哉、人生!』を観た。フランク・チャプラ監督のすばらしい映画。情けない。この映画を観ていなかったんだから…本当に恥ずかしい。

https://youtu.be/usedno7aQVU

人生に絶望している主人公のところに二級天使が現れる。「自分なんていないほうがいい」という主人公に、二級天使は…彼がいないとどんな世になっていたのかを見せる。
命の美しさ、夢の大切さ、人生のすばらしさを謳いあげる。そんなファンタジーだ。

主演はアメリカの良心ともいわれたジェームス・スチュアート(トム・ハンクスは彼を継いでいるのかも)。そして、彼をやさしく温かく見守る妻役がドナ・リード。家族や街の人たち、いやもっと広く…民主主義によるヒューマニズムの映画だろう。

1946年…。その時代にここまでの映画ができていたんだなと感嘆する。


『天使がくれた時間』という好きな映画があった。過去のあのとき、別の道を選んでいたら…。おそらく、この映画がベースだろう。
もっとも、さらにベースにはディケンズの「クリスマス・キャロル」があるんだろうと思う。

今ごろ気づいた。石森マンガの「二級天使」も、この『素晴らしき哉、人生!』からの発想だったに違いない。ひとつの作品からのモチーフで別の作品が生まれる。それもまた、すばらしい。

今日はこれから、仕事の大先輩…というか恩人と35年ぶりに再会する。きっと、こんな話題にもなるだろう。


ロスト・チルドレンがわからなくてもエ~ガね

ずっと前に観て…よくわからなかった。今回、もう一度観たが…やっぱりまだわからない。
でも、わしの大好きな分野の映画であることは間違いない。それが『ロスト・チルドレン』だ。ジャン・ピエール・ジュネとマルク・キャロによる1995年のファンタジー作品。

https://youtu.be/isw0tAJcvyo

幻想的な雰囲気がすばらしい。テリー・ギリアムの『未来世紀ブラジル』みたい。
さびれた港町。怪力男のワン(ロン・バールマン)の弟が一つ目族にさらわれる。子どもスリ団のミエット(ジュディト・ヴィッチ)とともに弟を取り返しに行く。博士やその6人のクローン(ドミニク・ビノン)とかも出てくる。奇妙な映画だった。なぜか、フェリーニの『道』を思い出したりもした。

博士の「無と無限はつながっているんだ」とかってセリフもあったと思うが、そこのあたりが結局…よくわからなかった。哲学的な深いものがベースにある気はする。

おかげでヘンな夢を見た。石垣のある山の木の上に、わしは秘密の仕事部屋を持っている。そこはフランスの怪しげな路地裏に通じていて、わしは占いだかの店に連れられて行き、そこで昔の知人に出会う…。
わしの夢はどうでもいいが、この『ロスト・チルドレン』も夢が重要な役割をしている。というか、全体が夢のような映画だった。もっとも、ファンタジーとは本来、そういうものなのだろう。

夢といえば『インセプション』もあったなぁ。あれはSFか。ならば、『ロスト・チルドレン』をSFと分類してもおかしくはない。

ヒューゴの不思議な発明を語るもエ〜ガね

わしは奇妙なもの、不思議なもの、神秘的なものが大好きだ。

美術品をつくっている若い人に出会った。彼との接点は美術品だけでなく、酒、書籍、服飾、自転車、音楽、マンガ、写真、染色、猫、岩山、洞窟、奇妙な物…などなど、話を聞いていると趣味嗜好以上に通じるように思えた。

そして、彼の小さな美術品を観て…マーチン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』のことを思い出した。

https://www.youtube.com/watch?v=N1CRnFTKGro
https://www.youtube.com/watch?v=UXgYiwBAbHA

『ヒューゴの不思議な発明』はパリを舞台にした2011年のアメリカ映画。原作はブライアン・セルズニック。分類でいえばファンタジーだろう。でも、実は…これをいうと内容のほとんどを伝えることになるが、ジョルジュ・メリエスという映画の創始者ともいえる人の話が骨格にある。

モンパルナス駅の時計台に隠れ暮らす孤児のヒューゴ(エイサ・バターフィールド)。彼は亡くなった父から壊れたオートマタ(機械人形=ォトマトと聴こえた)を渡されており、それを修理する工具を得るために…駅構内の玩具屋に行く。そこにいたのがかつてシネマジシャンとも呼ばれたジョルジュ・メリエス(ベン・ギングスレー)。

ジョルジュには養女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)がいて、ヒューゴは彼女といっしょにジョルジュの過去…映画にまつわる歴史の世界に入っていくことになる。リュミエール兄弟の初の映画…汽車が到着する場面とか、そこでは貴重な映像が紹介されている。まさに映画愛。映画の源流。大河の一滴。

ジョルジュ・メリエスは映画創成期の技術開発者で、初の映画監督ともいわれる人。作品には月にロケットが突っこんでいる絵で知られる『月世界旅行』などがある。直接、フィルムに着色したりもしている。でも、映画は変わった。自分の作品は古い。誰も見向きもしない。自分はもう大昔の人間で…死んだも同じと思っている。

ヒューゴ少年がオートマタを修理したことがきっかけで、ジョルジュ老人の心に生の光が灯る。そういう意味では“発明”ではなく『ヒューゴの不思議な修理』だと思うが、それは発明に匹敵するということだろう。

ジョルジュはマジシャンだった。映画というマジックそのものが発明だったといえる気もする。
それにしても、マーチン・スコセッシ監督の映画としては異質だと思う。フィルムにこだわった監督の初のデジタル作品だという。おそらく、安心して子どもに見せられる初めてのスコセッシ作品だろう。
ただ…これは冒険ものというわけでもなく、ジョルジュ・メリエスを知らない人に興味を持って観てもらえるだろうかとも思った。


高齢者の深い知識もありがたいが、若い人の…希望という名のエネルギーはいい。若い人に感化されてどうするんだって人もいたけど、わし考えはちょっと違う。もっとも、若いエネルギーを感じたとき、自分が老いたと気づくということかもしれないけど…(笑)。

嗤う分身をわらうもエ〜ガね

奇妙な映画を観た。『嗤う分身』という不条理もの。ドストエフスキーの「分身」をベースにしているらしい。時代も場所も何だかよくわからない。でも、ハチャメチャなようでいて…奇妙な統一感がある。演出というか美術には『未来世紀ブラジル』を感じたりもしました。
監督はリチャード・アイオアディです。

https://www.youtube.com/watch?v=ZUqHkgTWdsY

小心者の主人公の前に、自分ソックリのやり手の男が現れる。双子の男優を使っていると聞いた記憶があったが、主演はジェシー・アイゼンバーグだから、それはあり得ない。わしの勘違いというか…妄想だろう。相手役はミア・ワシコウスカ。ブリジット・フォンダかと思っていたので、わしの記憶もグチャグチャなのだろう。

友人がこの映画を観るよう推薦してくれた。彼は映画通なので、彼が観るようにいえば必ず観る。彼とは東京に来てから出会ったが、なぜか子どもの頃に出会った少年を懐かしく思い出す。

子どもの頃のわしは山奥に住んでいた。毎年、夏休みになるとその少年は…東京から隣の家にやって来た。わしと同い歳だったこともあり、隣の家に来るとわしに会いに来た。彼とは会話らしい会話はなかったが、わしはセミの取り方とか田舎の遊びを教えてあげた。彼は感心したようにそれをまねていた。でも実は、わしは彼の持つ都会のいいとこの子という雰囲気に憧れていたのだ。
やがていつしか…時は流れ、彼は北海道で医者になったと噂に聞いた。今は院長先生だろうか。あるいはそれも引退しただろうか。ともかく、子どもの頃に会っただけの遠い遠い思い出…。

東京に出てから、わしは…この映画を推薦してくれた映画マニアのその友人に出会った。彼は東京生まれで、「ゴジラが上陸してきたとき、ぼくの家(ミニチュアの街セット)は壊されたんだ」と自慢していた。会った瞬間…一緒にセミ取りをした少年を思い出した。やがて、記憶がゴチャゴチャになり…今では彼とセミ取りをしたような気さえする。
ハッキリしているのは…わしも彼も、“不思議惑星エ〜ガね”の住人だということでしょう(笑)。

とにかく、『嗤う分身』は奇妙な映画です。そこには昭和の歌謡曲が流れる。とてもシュールなのです。でも、そこに『複製された男』のようなリアル感はない。軸足はコッチではなく、最初から不条理なアッチの世界に行ってしまってる。
好き嫌いの分れる作品でしょうね。
クリエーティブな人というのは…つくっている間は向うの世界に行ってるのかもしれない。そういう意味ではクリエーティブな人向きの映画かもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=Rfr9QY2GFzE

複製された男になるもエ〜ガね

この気だるさは何だろう。わしの好きな映画はこういうタイプなのだとつくづく思う。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『複製された男』の話です。DVDで観ました。分類は何かな。心理ミステリーでしょうか。わしのカテゴリーでは「幻想」としておきましょう。

「カオスとは未解読の秩序である」とかって言葉からこの映画は始まるのです。

https://www.youtube.com/watch?v=dHlX3T9RJAc

主人公は大学で「独裁者は民衆を支配することに取り憑かれた」とかって講義をしている。「知識や情報までも独裁者は管理した。そして、その支配は繰り返された」と…。「人は何かを記憶するとき、そのときの感情に支配される」とも…。
これが映画のキーワードです。ゾクゾクしますな。

主人公はDVDで映画を観て、そこに自分ソックリの脇役を見つける。そして、彼を追求するのです。
彼は自分のコピーなのか。いや、彼がオリジナルで自分が複製なのか。クローンなのか、SFなのか。パラレルワールドの異世界が重なったのか。いや、そんなありきたりじゃない。
彼は自分の思いの中か。いや、自分が彼の思いの中か。すべては幻想なのか。独裁者が支配したように、彼は自分の思考に支配されていくのかもしれません。

カフカの「変身」を思わせるイメージ。街にそれが蠢くイメージは特に好きですね。実は…中央線に乗って車窓から高円寺とか阿佐ヶ谷とか荻窪あたりの街を観ていてイメージするビジュアルがあるのです。それによく似ていたんですよ。

主演はジェイク・ギレンホールで、彼が出た映画ではわしの大好きな『ドニー・ダーコ』があります。この『複製された男』も『ドニー・ダーコ』と同じように…気だるく幻想的です。
考えてみれば、わしもこんなふうな夢か現実かわからないような日常に生きているのかもしれませんな(笑)。

孤独な現代人の苦悩。アイデンティティの危機をミステリー仕立てに描く。ポルトガルのノーベル賞作家、サラマーゴの「複製された男」…。
というわけで、映画がとても気に入ったので…原作を探して見つけました。わしの解釈が間違っていないか、確認してみたい気持ちもあったからです。これぞ、オリジナルの探求ですな。


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